みなさんこんにちは。
Fリーグ2023-2024Div.1の前半戦のチーム分析を行っています。これまでの記事は以下からご覧ください!
第10回はフウガドールすみだです。ぜひご覧ください!
フウガドールすみだの戦績
フウガドールすみだは、3勝1分7敗の勝点10の9位で前半戦を折り返しています。以下が11試合の戦績です。
節 | 相手 | Home/Away | スコア |
1 | 立川アスレティックFC | AWAY | 0△0 |
2 | バサジィ大分 | HOME | 1○0 |
3 | ペスカドーラ町田 | AWAY | 3⚫︎5 |
4 | 湘南ベルマーレ | HOME | 0⚫︎4 |
5 | 名古屋オーシャンズ | AWAY | 2⚫︎6 |
6 | エスポラーダ北海道 | AWAY | 2⚫︎3 |
7 | Y.S.C.C.横浜 | AWAY | 1⚫︎7 |
8 | ボルクバレット北九州 | HOME | 3○2 |
9 | しながわシティ | AWAY | 3⚫︎4 |
10 | バルドラール浦安 | AWAY | 2⚫︎5 |
11 | シュライカー大阪 | HOME | 4○3 |
昨シーズンから大黒柱の清水和也選手が名古屋オーシャンズへ移籍し、ベテランの引退、新加入選手も下部組織からの昇格のみと、戦力ダウンは否めない状況で今シーズン序盤はかなり苦しむ展開になりました。
おそらくクラブとして長期的な目線で若手選手の育成に舵を切ったと考えられます。すみだはU15やU18のカテゴリで全国制覇するクラブであり、若くて有望な選手は多くいますので、それを活かして長期的なプロジェクトがスタートしたのではないでしょうか。。
その代表と言えるのが、高校生の羽生選手や入江選手の起用と言えます。特に入江選手はゴレイロで、普通はなかなかチャンスを得られませんが、北隅監督はある程度の時間をピッチに送り出しています。すみだは岸選手がかなり良いパフォーマンスをしている中で、それでもメンバーを変えています。そのことは入江選手の自覚や責任感を芽生えさせることができているのではないでしょうか。
FPでも羽生選手以外にも下部組織から昇格してきた選手を思い切って起用しています。苦しいシーズンにはなっていますが、どこかで開花する可能性があり、現段階では伸びしろが最も高いチームの一つであるでしょう。
それでは具体的な得失点の傾向について分析したいと思います。
フウガドールすみだの得失点傾向
すみだは11試合で得点21でリーグ最下位、失点39でリーグ11位となっています。得点が少なく、失点が多くなっており、結果で見ると非常に苦しいチーム状況です。
それでは具体的な得失点の傾向について分析したいと思います。
得点傾向
まずは得点です。前半戦11試合では、合計21得点のうち、定位置攻撃が4点、セットプレーが6点、トランジションが2点、特殊局面が9点となっています。
すみだの特徴としては、まず得点数が最下位で、非常に攻撃に苦しんでいるということが言えます。昨シーズンは22試合で66点でしたので、1試合平均1点以上減少しています。ただし、前述の通り選手の入れ替わりがありますので、昨シーズンの成績は参考にならないかもしれません。
今シーズンの特徴で言えば、定位置攻撃とトランジションの得点が少ないということが挙げられます。
定位置攻撃、トランジションともにリーグ11位となっています。特にトランジションは2点と、下位に沈むチームとしては得点源にしたいところだと思いますので、非常に少ないと考えます。
そういう意味では、セットプレーでの得点も増加させたいところでしょう。
セットプレーも、5チームが6得点で並ぶリーグ6位となっています。セットプレーも多いわけではありませんので、改善ポイントと言えます。
また、特殊局面では9得点ですが、そのうち5得点がGKを上げて攻撃を行うGK活用です。
岸選手はセーブだけではなく攻撃の起点として得点を生むシーンが多くなっています。ただし、それは4対4の攻撃がなかなかうまくいっていないということの裏返しとも言えるでしょう。
これまですみだの今シーズンの得点傾向をお伝えしましたが、それは「勝利」というものが最優先にある場合のことを記載しました。しかし、すみだは勝利よりも「育成」に目を向けている可能性があります。もちろん降格してはいけませんから最低限のラインは確保するものの、未来に繋がらない勝利は目指さない可能性はあると思います。
具体的に言えば、セットプレーとトランジションのトレーニングを重ねれば、目先の勝利を掴む試合は増えるかもしれません。そうではなく、例えば攻守の原理原則の部分やフィジカル等のフットサルのベースに力を注いでいれば、時間がかかるのは当然だと思います。推測にすぎませんが、すみだはそのようなクラブを目指すことにしたのではないでしょうか。
失点傾向
次に失点です。前半戦11試合では、合計39失点のうち、定位置攻撃が9点、セットプレーが15点、トランジションが7点、特殊局面が8点となっています。
すみだの特徴としては、セットプレーでの失点が非常に多く、リーグ最多の数字となっていることです。
すみだの次に多いのが北海道と北九州ですが、10失点と5点の差をつけられています。
中でも、コーナーキック、キックイン、フリーキックのどのセットプレーについても他チームと比較して多くなっています。
セットプレーでの得点も奪えていませんので、やはりすみだはセットプレーのトレーニングはあまりしていないのではないかということが考えられます。
また、定位置攻撃での失点はそこまで多くはありません。
定位置攻撃での失点はリーグ7位タイで、名古屋と同じ数字です。定位置守備において、個人やチームとしても最後のところで体を張って守れていると思いますし、最後の砦としては岸選手がすみだゴールに立ちはだかっており、比較的定位置守備はトレーニングの成果が出ていると言えるのではないでしょうか。
後半戦の展望
11節終了時点でフウガドールすみだの順位は10位で、第15節終了時点でも同様に10位となっています。最下位北海道とは勝点差5と多少開きはあるものの、ファイナルステージでは直接対決ばかりになりますのでまだまだ安全圏という訳ではありません。すみだの今シーズンは残留すればOKだと考えていると思われますので、若手選手を積極的に起用しながらクラブの土台を作り、数年をかけたプロジェクトだと思います。
逆に言えば、絶対に降格してはいけません。そこだけがかなり重要です。降格する可能性が出てくると今よりも勝負に拘る必要が出てきますので、戦い方や選手起用がかなり難しくなってきます。理想としては、降格圏から遠い状況で若手選手を多く起用できる状況を作ることだと思いますので、レギュラーシーズンでどれだけ勝点を重ねられるかはポイントになります。
その中で、クラブの考え方と現状を踏まえたときには、トランジションでの得点を増やしたいところだと考えます。定位置攻撃、守備の部分を重点的に強化しているという前提で考えると、現状ある程度良い守備はできていますのでボールを奪ってからどれだけ攻撃移行できるかという点は重要だと思います。
また、選手やチームのマネジメントも重要です。選手は常に試合に出たい、勝ちたいと思っている中で、積極的な若手起用は一部選手のモチベーション低下にも繋がるリスクはあります。当然、クラブは全ての試合で勝ちたいと思っていますが、優先すべきものは何かを考えているはずです。順位がもっと下がった時にスタッフやベテラン選手でチームをうまくマネジメントできるかは重要なポイントと言えます。
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