みなさんこんにちは。
Fリーグチームの2022-2023シーズンの分析、2023-2024シーズンの展望について解説しています。これまでの記事は以下のリンクからご覧ください。
今回はフウガドールすみだです。中断前8試合の解説記事は以下のリンクから併せてご覧ください!
2022-2023シーズンフウガドールすみだの結果
2022-2023シーズン、フウガドールすみだは6位で終了しました。
11勝4分7敗の勝点37、得点66、失点48という結果でした。得点数はリーグ3位であり、失点数はリーグ4位です。
順位は6位ですが、得点は3位、失点は4位と、順位よりも上になっています。この原因としては、勝つときは大量リード、負けるときは僅差という傾向があるという点です。
節 | 相手 | スコア | 点差 |
2 | 立川 | 4○1 | 3 |
4 | 長野 | 3○1 | 2 |
5 | 北海道 | 7○2 | 5 |
9 | 大分 | 5○3 | 2 |
10 | 横浜 | 2○1 | 1 |
12 | 大阪 | 2○1 | 1 |
15 | 長野 | 8○1 | 7 |
18 | 名古屋 | 4○3 | 1 |
19 | 湘南 | 2○1 | 1 |
20 | 大分 | 5○0 | 5 |
22 | 北九州 | 5○1 | 4 |
勝った11試合のうち、1点差が4試合、2点差が2試合、3点差が1試合、4点差以上が4試合となっています。4点差以上が4試合もあります。この4試合で得失点差が+21になっていることが、最終的な順位よりも得点、失点の順位が上である要因と言えます。
節 | 相手 | スコア | 点差 |
1 | 大阪 | 1⚫︎3 | 2 |
3 | 町田 | 3⚫︎4 | 1 |
7 | 名古屋 | 1⚫︎4 | 3 |
8 | 湘南 | 1⚫︎4 | 3 |
11 | 北九州 | 3⚫︎5 | 2 |
16 | 北海道 | 1⚫︎2 | 1 |
17 | 浦安 | 2⚫︎4 | 2 |
負けた7試合のうち、1点差が2試合、2点差が3試合、3点差が2試合と、負け試合でも全て3点差と大敗がありません。守備についてある程度安定した戦いができているということがわかります。
すみだは勢いに乗ったときは大量得点を取れる力があり、安定した守備力を持つチームだったと言えます。
フウガドールすみだの得点
それではフウガドールすみだの得点について解説したいと思います。
シーズンを通して、66得点中定位置攻撃が18点、セットプレーが17点、トランジションが20点、特殊局面が11点となっています。
すみだの攻撃の特徴としてまず最初に思い浮かべるのはトランジションだと思います。実際、トランジションでの得点数はリーグ3位タイです。ただし、その他の局面でもバランスよく得点を挙げる結果となっています。
ではここで中断前8試合とシーズン22試合の比較を見てみましょう。
中断期間前後を比較すると定位置攻撃での得点がかなり増加していることがわかります。中断前は定位置攻撃での得点は2得点のみで、トランジションとセットプレーでの得点が70%を超える状況でしたが、シーズン終了時には定位置攻撃が18点と9倍になり、定位置攻撃、セットプレー、トランジション、特殊局面の4つの局面での得点が非常にバランスが良くなっています。
これは、中断期間に定位置攻撃のトレーニングを重要視して行い、バランス良く得点を挙げることができるようになったのではないかと推測できます。また、かつてはキリカエ0秒というのがすみだの代名詞でしたが、その良さは残しつつ、今の若い選手の特徴も活かしたような戦い方にシフトしているのではないでしょうか。
フウガドールすみだの失点
次は失点についてです。シーズンを通じて、定位置攻撃が14点、セットプレーが14点、トランジションが10点、特殊局面が10の合計48点となっています。
守備に関しては、先ほども少し言及した通り、基本的には安定した守備ができているチームだと言えます。その中でも特徴的であるのは、トランジションでの失点数だと思います。この部分についてもキリカエ0秒の伝統の強さが見えます。
では中断前8試合とシーズン22試合の比較です。
中断前8試合と最終的な22試合で失点パターンに大きな変化はありません。失点数も抑えられていますので、バランスが良いチームであると思います。
入退団情報
今シーズンのフウガドールすみだの入退団情報ですが、まず監督が荻窪監督から北隅監督に交代になりました。北隅監督は昨シーズンはコーチとして関わっており、さらにレディースやサテライトであるバッファローズの監督をしていたため、監督としての経験も豊富です。男子のトップチームを指揮されるのは初めてだと思いますが、これまでもチームに関わってきているので、ベースは継続しながらチーム作りを進めるかと思われます。
選手については、エースで昨シーズンのリーグ得点王の清水和也選手が名古屋オーシャンズに移籍することになってしまいました。また、宮崎選手や岡村選手も退団や引退し、ベテランが抜ける形になっています。エースが抜けた穴はなかなかカバーするのは難しいと思いますが、どのようにゴールを奪うのか、その再構築に注目したいと思います。
入団選手は8名の選手が下部組織から昇格となり、外部からの補強はありません。今シーズンはクラブとして若返りを測る可能性が非常に高くなると思います。
2023-2024シーズン展望
フウガドールすみだの最重要課題は、エース清水和也選手の穴をどのように埋めるかだと思います。
圧倒的なトップスコアラーがいなくなったことで、得点力の低下は否めません。大差で勝てる試合も少なくなる可能性がありますので、全体的な考え方としては、ロースコアの試合をいかに勝ち切るかということが重要になります。
今シーズンのすみだは、下部組織から特別指定選手も含めて8名を昇格させ、若手選手を多くチームに送りこむ決断をしています。一方で星龍太選手、諸江選手、田口選手、栗本選手といったベテランと、清水誠也選手、岸選手、北村選手などの中堅、そして若手選手がどのように融合し、フウガの歴史を作ることができるかということが注目されます。
また、すみだはU15年代やU18年代ともに結果を出し続けているチームです。育成年代で育った選手たちがトップチームでどれだけ活躍できるか、非常に楽しみです。
私の予想としては、すみだは今シーズン、定位置攻撃に力を入れるのではないかと考えています。昨シーズンの中断明けの傾向と、北隅監督が自ら育てお互いによく知っている選手たちが多くいること、長期的な目線を持っているのではないかと想像すること等により、定位置攻撃の理想を追い求めるのではないでしょうか。
フウガドールすみだは立川アスレティックFCと開幕戦で対戦します。両チーム、金澤選手と清水和也選手の両エースが名古屋オーシャンズに移籍する戦力的な痛手があるチームです。さらに両チーム守備が安定しているチームになりますので、ロースコアな緊迫した試合になることが予想されます。
それでは今回は以上になります。ありがとうございました!