みなさんこんにちは。
これまで昨シーズンのF1全12チームの分析を行いました。今回は、それを踏まえた上でリーグ全体としてどのような傾向があるかを分析し、2023-2024シーズンの展望について解説したいと思います。
各チームの分析記事については以下からご覧ください!
Fリーグ2022-2023の試合傾向
Fリーグ2022-2023の試合では、全132試合中118試合で勝敗が決着し、14試合が引き分けとなりました。
2022-2023シーズンは、1点差ゲームが最も多いシーズンになりました。1点差と2点差の試合が最も多いことから、ある程度リーグは拮抗しているものだと言えます。
次の表は1点差で勝利したチームのスコア別試合数です。
チーム | 1-0 | 2-1 | 3-2 | 4-3 | 5-4 | 6-5 | 合計 | 勝利数 |
北海道 | 1 | 1 | 2 | 4 | 7 | |||
浦安 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 6 | 13 | |
すみだ | 3 | 1 | 4 | 11 | ||||
立川 | 1 | 2 | 3 | 14 | ||||
町田 | 1 | 4 | 2 | 2 | 9 | 12 | ||
横浜 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 5 | 10 | |
湘南 | 1 | 1 | 11 | |||||
長野 | 1 | 1 | 2 | 3 | ||||
名古屋 | 2 | 4 | 1 | 7 | 19 | |||
大阪 | 2 | 2 | 7 | |||||
北九州 | 1 | 1 | 1 | 1 | 4 | 8 | ||
大分 | 0 | 3 | ||||||
合計 | 4 | 16 | 15 | 8 | 3 | 1 | 47 |
これを見ると、2-1と3-2が1点差のスコアで最も多くなっています。つまり、ロースコアを狙うチームとしては、失点は少なくとも2点に抑えたいという傾向があるように思います。
また、1点差での勝利数が最も多いのは町田です。12試合の勝利のうち、9試合が1点差での勝利となっています。町田の記事でも紹介していますが、リーグ4位でありながら得点数はリーグ10位、失点数はリーグ6位となっています。これを見ても、町田の勝負強さとロースコアで戦いたい狙いが上手く機能していたことがわかります。
逆に1点差で敗戦となったチームのスコア別試合数です。
チーム | 0-1 | 1-2 | 2-3 | 3-4 | 4-5 | 5-6 | 合計 | 敗戦数 |
北海道 | 2 | 1 | 1 | 1 | 5 | 13 | ||
浦安 | 0 | 6 | ||||||
すみだ | 1 | 1 | 2 | 7 | ||||
立川 | 1 | 1 | 1 | 3 | 5 | |||
町田 | 1 | 2 | 3 | 7 | ||||
横浜 | 1 | 3 | 1 | 1 | 6 | 10 | ||
湘南 | 1 | 2 | 1 | 4 | 6 | |||
長野 | 1 | 2 | 3 | 2 | 8 | 19 | ||
名古屋 | 1 | 1 | 2 | |||||
大阪 | 2 | 2 | 1 | 5 | 13 | |||
北九州 | 1 | 2 | 2 | 2 | 7 | 12 | ||
大分 | 2 | 1 | 3 | 18 | ||||
合計 | 4 | 16 | 15 | 8 | 3 | 1 | 47 |
気になるのは湘南でしょうか。6試合の敗戦のうち、4試合が1点差での敗戦です。また、引き分けもリーグ最多の5試合ですので、なかなかロースコアの試合を勝ち切ることができなかったと言えます。逆に大量得点での勝利も多くありますので、湘南はロースコアに持ち込むのではなく撃ち合いにしたいチームであるとも言えます。
また、長野は8試合が1点差での敗戦となっています。11位の大分との勝点差は1で、得失点差はリードしていますので、このうち1試合でも引き分けに持ち込むことができれば残留できた可能性もありました。このことからも、1点を争う拮抗したリーグであることが言えると考えられます。
Fリーグ2022-2023の得点傾向
次は得点の傾向を分析します。2022-2023シーズンでは、合計710点のゴールが生まれました。その中で定位置攻撃、セットプレー、トランジション、特殊局面のそれぞれの割合は以下の通りとなっています。
定位置攻撃が27.7%、セットプレーが24.6%、トランジションが27.6%、特殊局面が20.0%となっています。個人的には、想像していたよりも4局面が均等になっているという印象です。一般的に、セットプレーとトランジションの得点が最も多いと言われることが多いフットサルですが、Fリーグに関しては僅差ではあるものの定位置攻撃が最も多いということになっています。
また、その定位置攻撃の中での要因は以下の通りになっています。
このように、大半がPivoを活用した攻撃と、1対1になっています。つまり、日本の攻撃の主流はPivoを用いた3-1システムを採用されているケースが多く、Pivoと1対1で勝負できる選手が多く活躍しているということが言えます。実際に4-0を採用しているチームは多くありません。ポイントで採用することはあると思いますが、多くのチームでPivoを起用し、攻撃を進めています。
セットプレーでの得点に関しては、以下の通りです。
コーナーキックが70点で40%、キックインが61点で34.9%、フリーキックが30点で17.1%、PKが8点で4.6%、第2PKが6点で3.4%となっています。
コーナーキックとキックインが大半を占めますが、フリーキックも意外と多くなっています。コーナーキックやキックインよりはチャンスの数が少ないはずですが、得点自体は多くなっているため、得点可能性の高いシーンと言えます。数が少ないが故に練習頻度が少ないチームはあまり着手できないかもしれませんが、重要なシーンであることは間違いないでしょう。
チーム別のフリーキック得点数は以下の通りになっています。
名古屋が8得点で最も多く、すみだや立川が多くなっています。このチームに共通することは、良いシューターがいたということです。名古屋はアルトゥール選手やアンドレシート選手、すみだは清水和也選手、立川は中村選手や上村選手など、左右の良いシューターがいます。
今シーズンは清水和也選手が名古屋に移籍しましたので、名古屋と立川相手には特にゴール前でファウルをしないことが重要と言えます。
Fリーグ2022-2023得点ランキング
次に2022-2023シーズンの個人得点についてです。10得点以上をあげた選手をリストアップしています。
すみだの清水和也選手が20得点で得点王に輝き、17点で湘南の堀内選手、ロドリゴ選手、16点で浦安のガリンシャ選手、名古屋のアンドレシート選手と続いています。得点ランキングの上位にはPivoの選手や外国籍選手が多く連ね、その後には各チームのエース選手が続いているという印象です。
ここで注目なのは、赤字で囲んだ選手と青字で囲んだ選手です。赤字で囲んだ選手は昨シーズンで退団し、今シーズンはFリーグでプレーしない選手です。青字の選手は昨シーズンで移籍し、Fリーグの違うチームでプレーする選手です。昨シーズンの上位にいるロドリゴ選手、ガリンシャ選手、平田選手、アルトゥール選手はFリーグではプレーせず、清水選手はすみだから名古屋へ、笠選手は横浜からしながわに移籍しました。清水選手と笠選手はそれぞれの新天地でどれだけ得点を奪うことができるかは注目ですが、昨シーズンの得点ランキング上位選手が動くシーズンになりますので、新たなスコアラーが出てくるか、注目だと思います。
今シーズンの得点ランキング上位に食い込むであろう注目選手をリストアップしたいと思います。
名古屋オーシャンズ アンドレシート選手
まずは得点王筆頭候補は名古屋オーシャンズのアンドレシート選手です。開幕3試合を終えていますがすでに6得点と、得点を量産しています。昨シーズンはセットプレーと定位置攻撃で得点を重ねました。アルトゥール選手が退団した今、特にフリーキックでのシューターとしての役割は大きくなるかもしれません。
名古屋オーシャンズ 清水選手
次は昨シーズンの得点王、フウガドールすみだから名古屋オーシャンズに移籍した清水和也選手です。強烈なシュート力だけではなく、ループシュートも得意な、とにかく得点力に優れた選手です。すみだ時代に比べて求められる役割は減るかもしれませんので得点を増やすことができるか、または王者でプレーする上でのプレッシャーと新天地での順応に対応できるかが注目です。さらに名古屋は平田選手が退団したことにより、チーム内での期待も大きいと思います。十分力はあると思いますが、それを発揮できるか、注目のシーズンになります。
湘南ベルマーレ 堀内選手
次は昨シーズン得点ランキング2位の湘南ベルマーレ、堀内選手です。ロドリゴ選手が退団した今シーズン、堀内選手は昨シーズン以上の得点が求められていることでしょう。昨シーズンはセットプレーとトランジションで得点を量産しました。ロドリゴ選手が退団し、チームの戦い方にも変化があるかもしれませんが、それでも得点を増やすことができるかに期待したい選手です。
ペスカドーラ町田 山中選手
次はペスカドーラ町田の山中選手です。昨シーズンは日本代表にも選出され、新人賞を獲得した選手です。左利きでのシュートが武器で、昨シーズンの町田の中心選手になっていました。昨シーズン町田は得点が少なかったこともあり、チームの得点力向上のためには山中選手の活躍、得点が必須です。昨シーズンは10得点でしたが、今シーズンは2倍の20点程度も期待したい選手でしょう。
バルドラール浦安 柴山選手
次はバルドラール浦安の柴山選手です。昨シーズンは高校生ながらFリーグでプレーし、1得点をあげました。そこまでプレー時間は多くなかったかもしれませんが、シーズン終盤にはプレー機会が少しずつ与えられるようになった印象があります。Pivoの位置で両足を使ってボールをキープすることができ、シュートも強烈です。ガリンシャ選手が退団した中で、バサジィ大分から加入した本石選手と共に得点が求められるシーズンになると思います。将来の日本代表になる可能性が高い選手だと思いますが、今シーズンブレークする予感です!
FリーグDiv.1 2023-2024シーズン展望
ここまでF1の2022-2023について分析しました。最後に2023-2024シーズンの展望を考察したいと思います。
昨シーズンも名古屋オーシャンズの優勝で幕を閉じたFリーグDiv.1。今シーズンも名古屋中心のリーグ展開になることは間違いないと思われます。主力の退団が相次ぎましたが、ライバルクラブからエース級で日本代表選手を獲得し、他チームとの戦力差は開いたように思います。もちろん戦力が豊富なチームが必ず勝つわけではありませんが、名古屋と他のチームには大きな力の差があるように感じます。
今シーズンは、昨シーズンと異なることが2つあります。1つ目は、遂にしながわシティがF1に昇格したことです。環境面で名古屋にも太刀打ちできそうなしながわがようやく昇格できたことで、名古屋に並ぶクラブになれるかを期待したいと思います。ただし、現時点での補強は限定的であることから、長期的な目線でのリーグ制覇を目指している可能性も考えられます。名古屋の1強が続くようではなかなかFリーグの盛り上がりにも欠けますので、しながわの躍進には期待したいと思います。
2つ目は後期リーグができたことです。昨シーズンまでは3位までに入らなければ優勝の可能性はありませんでしたが、今シーズンは6位のチームまでが優勝の可能性があります。ただし、後期リーグは総当たりになりますので、おそらくレギュラーシーズンの成績を持ち越すものと考えられます。そうなった場合には、より名古屋に有利なレギュレーションになると考えられます。レギュラーシーズンでできるだけ名古屋に近い勝点で終わることが求められ、名古屋以外のチームにとってはより厳しいシーズンになることが予想されます。
今シーズン、すでに3節が終了しましたが、3連勝は名古屋のみとなっています。名古屋と対戦したチームはしながわ、北海道、横浜の3チームですが、その3チーム以外でも3連勝はありません。負けなしも湘南のみで、昨シーズン上位の立川、浦安、町田はすでに名古屋以外のチームに敗戦しています。このことから、名古屋以外のチームは昨シーズンよりも混戦になることが予想されます。どのチームが抜け出すのか、名古屋により近い勝点でレギュラーシーズンを終えるかが注目ポイントです。
それでは今回は以上になります。ありがとうございました!
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