#84 Fリーグ2023-2024Div.1第9節 エスポラーダ北海道vs立川アスレティックFC分析

Fリーグ

みなさんこんにちは。

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今回はFリーグ2023-2024Div.1第9節、エスポラーダ北海道対立川アスレティックFCの試合です。ぜひご覧ください!

第8節までの戦績

まず最初に両チームの第8節までの戦績について確認しましょう。エスポラーダ北海道は1勝7敗の勝点3で最下位、立川アスレティックFCは3勝1分4敗の勝点10で7位となっています。

エスポラーダ北海道戦績

H/A 相手 スコア
1 AWAY 湘南ベルマーレ 3⚫︎10
2 HOME 名古屋オーシャンズ 2⚫︎5
3 HOME しながわシティ 2⚫︎7
4 HOME Y.S.C.C.横浜 4⚫︎7
5 AWAY ボルクバレット北九州 1⚫︎6
6 HOME フウガドールすみだ 3○2
7 HOME バルドラール浦安 0⚫︎3
8 AWAY シュライカー大阪 1⚫︎2

立川アスレティックFC戦績

H/A 相手 スコア
1 HOME フウガドールすみだ 0△0
2 AWAY バルドラール浦安 3○1
3 HOME シュライカー大阪 0⚫︎2
4 HOME しながわシティ 7○2
5 AWAY バサジィ大分 1⚫︎7
6 HOME ペスカドーラ町田 0⚫︎3
7 AWAY 湘南ベルマーレ 3○1
8 HOME 名古屋オーシャンズ 3⚫︎4

北海道は開幕4連敗ですみだに勝利したものの、またその後は連敗と非常に苦しい状況になっています。立川はなかなか思うような結果が出ていない状況だと思います。優勝を目指しているシーズンだと思いますが、なかなか勝利、勝点を重ねることができていないといった状況です。

試合メンバー

それでは試合の登録メンバーを確認しましょう。

エスポラーダ北海道メンバー

No ポジション スタメン 氏名
1 GK 関口 優志
2 GK 山下 颯大
3 FP 本郷 輝
6 FP 小原 風輝
7 FP 室田 祐希
13 FP 近藤 一哉
14 FP 仁科 佑太
15 FP 山田 優介
16 FP 山本 航平
17 FP 水上 玄太
18 FP 福田 亮
21 FP 亀谷 啓太
22 FP 堀米 将太
23 FP 西村 啓

立川アスレティックFCメンバー

No ポジション スタメン 氏名
1 GK 檜山 昇吾
4 FP 新井 裕生
5 FP 皆本 晃
8 FP 上村 充哉(C)
10 FP 完山 徹一
11 FP 南雲 颯太
14 FP 菅谷 知寿
19 FP 中村 充
23 FP 柴田 孝平
36 FP 湯浅 拓斗
39 GK 浅井 凱斗
79 FP 酒井 遼太郎

北海道は前節から追加で亀谷選手がメンバー入りし、スターティング5は前節と同じメンバーです。対する立川前節のメンバーから岩本選手と出川選手がメンバーから外れ、12名の登録となりました。スターティングメンバーは前節の名古屋戦と同じメンバーです。

試合結果

北海道と立川の対戦は、前半で3-0と立川がリードして折り返し、後半に2点を返しましたが立川が突き放し、最終的には5-2で立川が勝利する結果になりました。

時間 チーム 背番号 得点者 局面
14:56 立川 オウンゴール セットプレー
18:21 立川 79 酒井 遼太郎 トランジション
18:40 立川 19 中村 充 定位置攻撃
20:37 北海道 6 小原 風輝 トランジション
33:32 北海道 17 水上 玄太 定位置攻撃
33:53 立川 4 新井 裕生 定位置攻撃
36:14 立川 5 皆本 晃 特殊局面

エスポラーダ北海道の戦評

まずホームのエスポラーダ北海道の戦評を分析していきます。

得点を狙ったカウンター

北海道はカウンターを最大の狙いにしています。それが顕著に見えるのは、GKの関口選手がボールをキャッチした時の反応です。迷わずに前にランニングする回数が多くありました。昨シーズンからトランジションでの得点は多かった北海道ですが、この点については今シーズンも継続してチームの強みとして取り組んでいる局面だと思います。

定位置攻撃のパターン

北海道の定位置攻撃では、室田選手の1対1が非常に大きな要素を占めていると感じます。1stセットで左サイドで室田選手がボールを持った時には縦にスペースを空けるような配置を取り、ドリブルで勝負させるシーンが多くありました。

しかし、相手は室田選手をかなり警戒しており、コンパクトに守って縦も中もスペースを消して守る守備を採用し、なかなかチャンスを作り出すことができませんでした。今後もこのように室田選手が警戒されてコンパクトに守るシーンは多くあることが想定されますので、逆サイドをどのように使うかということが今後の定位置攻撃でのポイントと言えます。

Pivoに配給された時の対応

立川は湯浅選手や新井選手といったPivoを配置し、Pivoの選手を起点として攻撃をしてきました。そのPivo当てに対する対応に課題が残るように思います。具体的にはPivoに配給された後にゴール前に侵入してくる立川の選手のマークがしっかりできていないということです。3失点目もPivoに当たったあとにその他の選手のマークを誰が対応するかが不明確になり、結局ゴール前の中村選手をフリーにしてしまったシーンになりました。マンツーマンでプレスをかけるシーンが多くあるため、そこの部分を明確にマークするようにする必要があるのではないでしょうか。

立川アスレティックFCの戦評

次に立川アスレティックFCの戦評について分析します。

室田選手対策を講じた立川

北海道と試合をする上で最も重要なことは室田選手に対してどのように対応するかということが大きなポイントになります。室田選手は6得点でチーム内得点王となっています。その室田選手がサイドで1対1を仕掛ける時にどのように守るかということがチーム内で統一され、室田選手対策がしっかり講じられていたと思います。

具体的には、室田選手が左サイドで良い状態でボールを持った際には守備ラインを少し下げ、ボールホルダーは飛び込まずにしっかり対応します。守備者4人の距離感を近くしてカバーリングを常に作ることができる状態を作り出していました。

さらに、対抗する選手をある程度決めていたのではないでしょうか。中村選手や酒井選手が多く対峙しており、室田選手にチャンスを作らせなかったことが勝利の大きな要因だと考えます。

トランジションでチャンスを作る

立川はこの試合でトランジションで多くのチャンスを作りました。北海道がやりたいことを逆に立川が実行していた印象です。特にコンパクトで守った状態から複数人でボールを奪い、そこからトランジションに繋げることができていました。これに関しても狙いが共通されていたように思います。

特に後半相手が得点を奪いにいかなければならなくなった状況で逆にトランジションでチャンスを多く作った試合展開は、狙い通りだったように思います。

選手間のコミュニケーション

この試合でとても印象的だったのは、パワープレー返しで皆本選手が得点を決めた時です。この時に喜ぶのも束の間、ピッチに立つ選手が集まって修正をしていたところです。パワープレーということもあったとは思いますが、日常でもこのようなコミュニケーションは当たり前なのではないかと想像します。

なかなか結果が出ないシーズンで、そこから回復するために選手たちが試行錯誤してトレーニング等をしているのではないでしょうか。

2023-2024シーズンの得失点傾向

それでは7試合終了時点での得失点の傾向と、昨シーズンとの比較について分析したいと思います。

エスポラーダ北海道の傾向

まずはエスポラーダ北海道です。

北海道の今シーズンの得点の傾向としては、合計18得点で半数がトランジションとなっています。

失点の傾向としては、合計47失点となっています。

4局面の中では全ての局面が均等に失点をしている状況になっています。定位置攻撃、トランジション、特殊局面では全てリーグ最多失点で、セットプレーも2番目に多い状況になっています。

また、総失点数もリーグ最多となっており2番目に多いすみだとも16点の差があり、今後の得失点差での争いにはかなり厳しいものとなっています。

北海道の強みや狙いはトランジションだと思いますので、トランジションでの失点をまずは減らしたいところだと思います。そのためには攻撃の終わり方、強みである室田選手の仕掛けの次に選択肢を作っていくことが重要だと思います。

また、特殊局面での失点が多いことも気になります。

パワープレーで4得点、パワープレー返しで7失点と、パワープレーの効率は悪くなっています。現実的にはパワープレーをする機会はこれからあると思いますので、勝点0を勝点1にできるかということに関してはパワープレーの精度を高めることも重要だと思います。

立川アスレティックFCの傾向

次に立川アスレティックFCです。

大分の今シーズンの得点は、22点となっており、セットプレーでの得点が半数近くになっています。

セットプレーでの得点数は名古屋に次いでリーグ2番目に多い数字になりますので、現在の立川の大きな武器になっています。

また、失点の傾向としては合計で22失点で、4局面ほぼ均等に失点をしているという状況です。

昨シーズンの得点の傾向としては、セットプレーでの得点が多いことは大きく変わらないのですが、定位置攻撃での得点割合が減少しています。

これについてはやはり金澤選手の移籍の影響が大きいのではないでしょうか。サイドで1対1を仕掛け、相手の脅威になっていた攻撃の中心選手の穴は大きく、定位置攻撃という観点では苦戦していると考えられます。ここまで9試合で22得点、昨シーズンは22試合で65得点と少し得点力が低下してはいるものの、セットプレーでの得点力は向上しており、定位置攻撃での得点数を埋める対策は取られていると考えます。とは言え、立川がボールを持つ試合も多くあるでしょうから、定位置攻撃での得点パターンというのも構築していきたいところだと思います。

今後の両チームについて

最後に、今後の両チームについて分析したいと思います。

まずエスポラーダ北海道ですが、現在最下位に沈み、11位北九州とは勝点差が3で、得失点差に大きな差がありますので1試合では順位が変わらない状況になっています。もちろん勝利を取って勝点差を詰めていきたいというところですが、勝点1でも積み重ねていくことが重要だと思います。具体的には、上位陣には少なくとも勝点1を狙いながら、順位が近い直接対決の時には勝点3を狙いに行くことになると思います。

具体的には先制点を奪われないことだと考えます。今シーズンの北海道は勝利したすみだ戦以外は全試合先制点を奪われ、そして敗戦しています。まずは失点をしていない状況で時計を進め、先制点を奪いたいところだと思います。まずは定位置攻撃での失点を減らし、逆にトランジション攻撃で得点を奪えるような状況を作り出すことが重要です。

先制点を奪われないこと
定位置攻撃での失点を減らし、トランジション攻撃を増やす

次は立川アスレティックFCについてです。昨シーズン準優勝で今シーズンは優勝を狙う今シーズン、なかなか思うような展開になっていない前半戦になっています。定位置攻撃での得点がなかなか奪えていないことは、金澤選手の移籍の影響はあると思います。優勝を目指すということになれば、定位置攻撃での得点増加は必要だと考えます。現在のチームではサイドで1対1を仕掛けるような選手は多くありませんが、技術や判断能力が高く、シュートが上手い選手が多くいます。その選手を活かすために、Pivoの湯浅選手や新井選手が非常に好調なのでその2人のPivoを活用してどうシュートに繋げられるかがポイントだと考えます。また、セットプレーが大きな得点源となっていますので、名古屋を追い越すくらいの得点数を重ねられれば、上位陣に食らいつくことはできる可能性が出てくるのではないでしょうか。立川は昨シーズンから引き続きある程度安定した守備をベースに戦えるチームであることから、どのように得点を奪うかということが上位浮上のための最大のポイントと言えます。

今後は、立川は調子を上げてくると予想しています。昨シーズンも序盤は非常に苦しみましたが、途中から連勝を重ねて2位までつけています。今シーズンも苦しんではいるものの、チームや選手がこの状況を変えるというような、自覚や覚悟が試合を見て伝わってきます。このような姿勢を継続することで、後半戦は調子を上げてくるのではないでしょうか。そこで重要になるのが、次節の横浜戦です。非常に好調で攻撃力の高いチームが相手になりますので、ここで勝利を掴むことができれば調子はチームにとっても大きな自信になるのではないでしょうか。町田対名古屋も注目ですが、立川対横浜も非常に重要な一戦になると思います。

得点の増加 定位置攻撃とセットプレー

次節、北海道はバサジィ大分と、立川はY.S.C.C.横浜と対戦します。

それでは今回は以上になります。ありがとうございました!

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