#43 フットサル攻撃戦術 ボランチのデザインプレー

定位置攻撃

みなさんこんにちは。

前回は定位置攻撃戦術のボランチについて解説しました。

今回は、そのボランチのデザインプレーについて解説したいと思います。

なお、このデザインプレーは木暮賢一郎現日本代表監督の講習会等で学んだことをベースに、重要な点を自分なりに考察しています。ぜひご覧ください!

ボランチとは

まずはボランチについておさらいします。ボランチとは、「攻撃時に2列目に位置している選手がボールサイドから相手守備1列目に侵入すること」です。そしてボランチの目的は、相手守備者を迷わせることで相手守備ラインを超えることです。

今回解説するデザインプレーは、ボールサイドから1列目に侵入し、守備ラインを突破してゴールを目指すプレーになります。

ボランチデザインプレー

それでは今回のデザインプレーについて順番に解説します。

キーパス

2列目から1列目に侵入し、ボランチに入った選手に出すパスのことをキーパスと呼びます。

ボール保持者はできるだけ相手を引き付け、ボランチで侵入してくる選手はボール保持者のマークのできるだけ近いところを通ることを注意し、キーパスを出します。

高い位置を取る

キーパスを出した後、ボランチで侵入した逆サイドの選手が高い位置を取ります。タイミングとしては、キーパスを出した直後または出す前でも問題ありません。

キーパスを出す選手に対してプレスがかかっている状態であればキーパスを出した後になるかもしれませんが、できるだけ早く、できるだけ高い位置を取ることが望ましいです。

エスケープ

キーパスを出した選手が、キーパスを出した方向と逆に抜けていくことをエスケープと呼びます。自分のマークから逃げていくような動きをすることからそう呼びます。

今回の一つのポイントが、キーパスを出した後、即座にエスケープで抜けていくことが重要になります。

高い位置の逆サイドへパス

キーパスを受けたボランチに侵入した選手は、逆サイドで高い位置を取った選手に速いパスをします。可能な限り早くパスを出せる方が望ましいです。

エスケープ後のサポート

逆サイドの速いパスが入った瞬間に、エスケープした選手が中央のスペースにサポートに入ります。エスケープは相手から逃げる方向に進みますが、そこから折れて逆サイドからマイナスのパスを受けられるような位置にサポートに入ります。

サポートへの落とし

逆サイドの選手はエスケープからサポートに入った選手に対してパスをします。この際は前を向ける状態になれるようなサポートの向き、角度を取る必要があります。

3対2の形成

中央へ落としのパスが出されると、3対2ができる状態になります。ここでスピードアップしてゴールを目指しましょう。

ボランチデザインプレー ポイント

このボランチの方法を実施する際の最も重要なポイントは、キーパスを出した選手が中央でフリーな状態でパスを受けられるかということです。キーパスを出した選手がマークを外した状態で3対2が構成される仕組みになっています。

マークを外すために重要なことを整理します。

キーパスを出す際に相手を引き付けること

キーパスを出す際に相手との距離が遠いと、マークを外すことが困難になります。相手に向かっていきながら相手の重心が前になったタイミングでキーパスを出せるとマークを外しやすくなり、フリーになることができます。

逆サイドの選手は可能な限り早く高い位置を取ること

逆サイドの選手が高い位置を取るタイミングが遅れると、キーパスを出した選手が中央でパスを受けるタイミングも同時に遅くなります。ボールへのプレスがかかっている状態では高い位置を取ることは難しくなるためタイミングは慎重にならなければなりませんが、可能な限り早く高い位置を取ることが重要になります。

エスケープ後の侵入角度

エスケープでマークを外した後、高い位置にパスが出た後に中央のスペースに侵入することになりますが、その際の角度は平行または少しマイナス方向に動くことが望ましいと考えます。

マイナス方向に侵入することで、落としのパスをより前向きに受けられるようになり、スピードアップが容易になります。

ただし、ボランチを行う逆サイドの選手がかなり高い位置を取れていて、プラス方向に侵入しても十分に前を向ける状態であればプラス方向のサポートでも問題ありません。

目的は落としのパスを前向きで受けることなので、それができるのであればどのように侵入しても問題ありません。

まとめ

ここまでフットサル戦術のボランチについて、デザインプレーを紹介しました。こちらが全体の動きをまとめた動画になります。

 

基本的な動きが決まっているため少し難しく感じるかもしれませんが、ボランチのアクションをきっかけに中央のスペースでフリーな状態でパスを受け、数的有利な状態でゴールを目指せるように設計されています。

デザインプレーになるため、ある程度トレーニングの時間も必要になり、選手の理解度が求められると思いますが、効果的なアクションであると考えます。

例えばキックインのプレス回避の局面や、インプレー中の同じサイドでマイナスのパスが出た際に実行することができます。ある程度のトレーニング時間が必要になりますが、トレーニング時間が短いチームでも必殺技として取り入れることも面白いのではないでしょうか。

それでは今回は以上になります。ありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました