#41 フットサル攻撃戦術 ラインカット

定位置攻撃

みなさんこんにちは。

これまでフットサル日本代表のアジアカップや、Fリーグチームの分析を行ってきましたが、またフットサル戦術やトレーニングメニューも取り上げていきたいと思います。

今回は、ラインカットについて取り上げます。競技フットサルをされている方であれば、ラインカットという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。ラインカットは定位置攻撃の戦術として現在多くのチームで利用されている戦術アクションです。日本代表も多用し、Fリーグでも採用しているクラブもあります。

今回は、そのラインカットについて解説したいと思います!

ラインカットとは

ラインカットとは、攻撃時に2列目に位置している選手がボールと逆サイドから相手守備1列目に侵入することを指します。

具体的なラインカットの動きは、ボールホルダーと逆サイドから相手守備者の死角を通って攻撃側1列目の2人の間に侵入します。

この動きにより、ラインカットをした選手をマークしている相手守備者はリアクションを求められます。そのリアクションにより、優位性を生むことができます。

ラインカットの目的

ラインカットの目的は、相手守備者を迷わせることで相手守備ラインを超えることです。

ラインカットをすることでラインカットをした選手のマークはついて行くかどうか迷います。

また、1列目のボールホルダーと逆サイドから相手守備者の死角を通って侵入するため、死角を通られた相手守備者はマーク交換をするかどうか迷います。

そのような迷いを生むことで守備の混乱を生み、その混乱をついて守備ラインを超えていくことを目的としています。「迷わせる」がキーワードです。

相手のリアクションに応じた選択

目的で述べた通り、ラインカットをした場合には相手は迷い、どのような対応をするかわかりません。逆に言えば、相手がどのようなリアクションを取ったかによって対応を変える必要があるということです。適切な選択は何か、狙いを考えていきます。

マンツーマンでついていく場合

ラインカットをした選手に対してマンツーマンでついて行った場合、相手は守備の1列目が1列に並んでしまう可能性が高くなります。そうなった場合、背後のスペースの活用ができるため、ワンツーやパラレラ等で背後を狙いましょう。

2列目に残る場合

ラインカットをした選手に対してマンツーマンでついて行かずに2列目に残った場合、1列目で3対2が生まれます。また、ラインカットをした選手とボールと逆にいる選手に対して相手守備者は1人なので、ここで2対1が生まれます。

守備者は心理的にはラインカットで後方に戻った選手にはついて行きづらいという場合があると思います。ラインカットその心理を利用して数的有利を作り、活用する戦術になります。

ラインカットのタイミング

ラインカットでは、タイミングが非常に重要になります。

ラインカットで早く入りすぎれば相手に認知されてしまい、迷いを解消される可能性があります。

遅ければサポートがなくなり、相手のプレスを受けてしまう可能性があります。

 

ライン間を活用したい場合のタイミング

適切なタイミングとは、ラインカットにより何を狙いたいかによります。まずはラインカットによりライン間を狙いたい場合のタイミングです。

ライン間を活用したい場合は、ラインカットのタイミングをぎりぎりまで遅くすることです。相手守備者とラインカットをする選手、ボールの3つが同時に交差するタイミングがよいと言えます。具体的には、逆サイドからパスが出された後に守備者がラインカットの選手を認知するか、または認知できないほどゆっくりのタイミングで侵入することがポイントです。

ぎりぎりまでラインカットの選手を認知させないことで、守備者がよりマークにつく可能性が高くなります。そうすることで急に現れたラインカットした選手がボールを搔っ攫うことでライン間を活用することができます。

フリーな選手を作りたい場合のタイミング

フリーな選手を作りたい場合には、少し早めに侵入し、相手にあえてラインカットを認知させることで1列目の守備者にストレスを与えることができます。

3対2を作ることでライン間か逆サイドの選手またはライン間がフリーになることができ、ボールにプレスがかからない状態を作ることができます。

ただし、マンツーマンでラインカットをした選手に対してマークがついてくる場合はフリーな状態はできない可能性があります。その場合は相手守備3人が1列に並ぶ可能性がありますので、簡単に背後のスペースやPIVOを使うことが有効になります。

ラインカットの注意点

ラインカットで最も注意したいことは、ボールホルダーにプレスがかからないようにすることです。

ラインカットに入っている途中のタイミングでは、ボールホルダーからのパスラインは並行しかなく、しかも20mの長い距離を通す必要があります。ラインカットをする際には一瞬パスラインから消えてしまいますので、そのタイミングでプレスがかからないようにしなければなりません。

また、ラインカットをしようとしたが、ボールホルダーにプレスがかかった場合には早急にサポートを作る必要があります。よって、ラインカットはボールにプレスがかかっていない状況の時に有効な戦術と言えます。

ラインカットまとめ

ここまでフットサル戦術のラインカットを解説しました。

ラインカットとは、攻撃時に2列目に位置している選手がボールと逆サイドから相手守備1列目に侵入すること
目的は、相手守備者を迷わせ、相手守備を突破すること
ラインカットはボールホルダーにプレスがかかっていない状態を作ることが重要
ラインカットの適切なタイミングが重要
タイミングが早すぎれば相手の迷いが解消され、遅すぎればボールにプレスがかかる可能性があります。
ラインカットの解説は以上になります。正しく理解して実施できれば相手を迷わせることができ、定位置攻撃のプレス回避にもフィニッシュにも使うことができます。ぜひ参考にしていただければと思います。
それでは今回は以上になります。ありがとうございました!

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