#8 トランジション徹底分析3 フットサルトランジション攻撃・守備のプレー原則

トランジション

みなさんこんにちは。

前回まで、トランジション攻撃・守備について説明してきました。

#5 トランジション徹底分析1 フットサルトランジションの構造

#7 ランジション徹底分析2  早く攻める・攻撃を遅らせる方法とは

ここからはもう少し踏み込んでトランジション攻撃・守備時のプレーを具体的にどのようにすればよいか、プレー原則を解説したいと思います。

トランジションの用語解説

まず、トランジションで使用する用語を解説します。なお、ここでは私の解釈ですので、みなさんの定義を優先していただきければと思います。

オープニング

トランジションにおけるオープニングとは、「相手からボールを奪った瞬間に攻撃へと移行する最初のアクション」のことを指します。奪った選手のアクションや周りの選手のサポートなどを全て併せてトランジションのオープニングと呼ぶことにします。

なお、トランジション以外でもオープニングと呼ぶことはあります。例えばセットプレーの動き出しや定位置攻撃における最初の動きなどです。最初のアクションの総称をオープニングとし、相手からボールを奪ったときに限定してものをトランジションのオープニングとします。

ストロングサイド

ストロングサイドとは、攻撃、守備のそれぞれの立場における「より優位性の高い方向」を指します。多くの場合、攻撃側のストロングサイドと守備側のストロングサイドは一致せず、より有利な方向を目指して攻防しています。

ウィークサイド

ウィークサイドとは、ストロングサイドの逆で攻撃、守備のそれぞれの立場における「より優位性の低い方向」を指します。攻撃側のストロングサイドは守備側のウィークサイドになることが多いと考えます。

撤退ライン

撤退ラインとは、トランジション攻撃を受けた守備側が、「GKを含めた数的同数を作るために設定した守備ライン」を指します。トランジション攻撃を受けたときには撤退し、ある地点で止まることでゴレイロとの連携の境界線を作ることが有効になりますが、そのラインのことです。一般的にはゴールから10m~15mの範囲で設定されることが多いと思います。

撤退ラインの決め方は、GKに多く依存します。GKがミドルシュートに対応できる距離の限界と解釈しても良いと思います。撤退ラインを高く保ちすぎると、ペナルティエリア外ではGKは力が激減するため、撤退ラインを破られGKが対応するときの相手との距離が重要になります。

よって撤退ラインが高いとミドルシュートは防ぎやすいが攻撃側が良い状態でGKと1対1を作られる、逆に撤退ラインが低いとミドルシュートへの対応が難しくなるが、GKと1対1では距離が近くなりGKに有利になってくるという特徴があります。

GKの能力や特性に応じて決めることが望ましいでしょう。

スライド

スライドとは、「撤退ラインを破られたときの対応」のことです。FPが対応するのか、GKが対応するのか、どちらにせよ守備者が横にずれて対応しなければなりません。

トランジション攻撃のプレー原則

おさらいですが、トランジション攻撃は「攻撃または守備が整っていない状態の攻撃」と定義しています。また、トランジション攻撃は数的有利だけではなく、同数や不利も含まれます。ただし、すぐにフィニッシュに持ち込むことができる場合を除いて、数的有利な状態で攻める状況が多く発生します。ここでは、基本的に数的有利のトランジション攻撃について解説したいと思います。

私がトランジション攻撃では、3つの局面にわけることができます。最初はオープニング、次に前進、最後がフィニッシュです。一つずつ解説していきます。

1 オープニング

1つ目はオープニングです。トランジションは攻守の循環が行われたときに開始されます。まずはボールを奪った瞬間に早くトランジションに移行することが重要になります。相手からボールを奪った瞬間に攻撃へと移行する最初のアクションをオープニングと呼びます。

相手からボールを奪った選手の体の向きや体勢、相手との距離などは、ボールを奪った側にとって必ずしも良い状態とは言えない可能性があります。つまりボールを奪い返される危険性が十分にあるということです。よって、ボールを奪った瞬間は、まずボールを安全にすることが重要になります。

具体的にオープニングを見ていきましょう。

ボールを奪った瞬間は味方も相手も密集地帯になっていることが多くあります。そのときに早く密集地帯を抜け出し、トランジションに移行できるかが重要になります。周りの選手が早くパスラインを作ってあげましょう。

2 前進

オープニングが完了し、トランジション攻撃を開始することができました。次の局面は前進です。フィニッシュに持ち込むためにボールを前に運ばなければなりません。

前進する際のポイントは3つです。

1 安全に
トランジション攻撃が開始できても、逆にボールを奪われてトランジション守備になってしまえば失点のリスクが高まってしまいます。
2 ボールホルダーを中央に
ボールがサイドにあると、守備者は限定がしやすくなります。サイドの場合は前の選択肢が90度しかないからです。中央にボールがあると前の選択肢が180度になり、倍のエリアを守備側が対応しなければならなくなります。
3 ボールを追い越す

人数をかけ、攻撃を仕掛けることが重要です。1人だけでは最終的にシュートしか選択肢がありません。両サイドからボールを追い越し、厚みのある攻撃にしましょう。

3 フィニッシュ

オープニングが成功し、前進ができたら、次はフィニッシュの局面になります。#4 フットサルでゴールを奪う必勝パターンで解説している通り、セグンド、リバウンドポジション、バランスの3つの配置を整えることが重要です。その配置を整えるために、両サイドから追い越すことが重要になるということです。

トランジション守備のプレー原則

次に、数的不利のトランジション守備について解説します。

トランジション守備ということは、攻撃から守備に切り替わったということになります。トランジション守備も3つの局面に分けることができますので解説していきます。

1 即時奪回

1つ目は即時奪回です。相手にトランジション攻撃をされないよう、ボールを奪い返しましょう。それが達成できれば、逆に得点を奪うチャンスになるかもしれません。違う表現をすれば、オープニングを阻止するということです。奪われた瞬間の切り替えが重要というのは、トランジションはオープニングが非常に重要で、オープニングの攻防でどちらにボールがこぼれるかが決まるからです。

2 撤退

相手がオープニングを成功し、トランジションに移行しました。前提条件として、良い状態でボールを保持している状態です。スペースが大きい状態では守備側に不利になるため、撤退することが望ましいでしょう。ただし、#5 トランジション徹底分析1 フットサルトランジションの構造で解説しているように、守備側の人数が多い状態では撤退せずにボールにプレッシャーをかけるべきでしょう。

3 ストップ

相手にトランジションが開始され、撤退をしました。次に重要なのが、どこで止まるかということです。下がりすぎると相手にフリーでシュートを打たれてしまう可能性があり、どこかでボールへのプレッシャーをかける必要があります。よってあらかじめそれ以上は下がらない撤退ラインを設定しておく必要があります。一般的には、ゴールから10m~12mの場合が多いです。

4 ストロングサイド

相手にトランジションが開始され、撤退、守備ラインが撤退ラインに到達しました。最終的なボールへの寄せ方を決めなければなりません。数的不利の場合は、最終的に数的同数に持ち込みます。その際、相手を誘導したい方向・ストロングサイドを決めることが重要です。また、ストップしてから誰がどのように寄せるかを決めるのでは遅く、シュートを打たれてしまう可能性があります。ですので、「2 撤退」の状況で誰がどのように寄せるかは確認しておく必要があります。

それでは、ストロングサイドの設定例を示します。

中央でボールを持つ相手に対して、左側から寄せて2対2の数的同数を作っています。この場合、相手に守備側右サイドに誘導したいので、右サイドがストロングサイドです。この方法は一般的な守り方だと思います。数的同数を上手く作ることで相手の攻撃を遅らせることができます。

この場合は、パスラインを空け、そちらにパスを出させるように対応しています。ここでは、パスが出たら基本的にゴレイロが対応し、1対1の数的同数を作ります。守備側左サイドがストロングサイドになります。このやり方は、ゴレイロが相手との1対1が得意な場合に採用すると良いでしょう。

5 スライド

ストロングサイドを設定し、プレスを開始しましたが、相手にウィークサイドを使われてしまいました。このときにするべきことはスライドです。撤退ラインを超えてきた相手に対して、1人ボールにプレッシャーをかける必要があります。

スライドの例を示します。

まずは一方のパスラインを限定し、ストロングサイドで数的同数に持ち込もうとしたが、逆のウィークサイドにパスを出されたシーンです。このとき、撤退ラインを超えられています。

この場合はゴレイロが1対1で対応し、FPの2人はマンツーマンでかならずつきます。ゴールを空けているため、シュートを打たせてしまえば失点になるからです。このときはゴレイロがスライドしています。

次は1つ目と同様ですが、異なるのは撤退ラインを超えられていないことです。この場合は、FPが二度追いすることが良いでしょう。そうすることで相手の攻撃を遅らせることができ、味方の撤退を待つことができるかもしれません。

まとめ

トランジション攻撃、守備のプレー原則を解説しました。

攻撃はオープニング、前進、フィニッシュという流れで進み。オープニングと前進のフェーズでは安全に行うことが重要になります。逆にボールを奪われてトランジションを受けないようにしましょう。

守備は即時奪回、撤退、ストップ、ストロングサイド、スライドの流れです。まずは相手のオープニングを成功させないように、密集地でボールを奪い返しましょう。オープニングが成功されれば撤退、撤退ラインでのストップ、有利な方向へ誘導するストロングサイド設定、そしてスライドでシュートへの対応という順序になります。できる限り早い段階で守備を終わらせることが重要になります。

3回に分けてランジションを徹底解説しました。トランジションはフットサルの得点源であり、非常に重要な要素です。準備期間が少ない状態で勝利を目指すのであればトランジションのトレーニングは非常に重要です。詳しくは#1 フットサルの構造についてで解説していますのでそちらもご確認いただければと思います。

それでは今回は以上になります。ありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました