#1 フットサルの構造について

戦術

みなさんこんにちは。
今回は、フットサルの構造について考えていきたいと思います。

フットサルは20m×40mのピッチで行われる5対5の試合です。サッカーの半分程度の人数ですが、サッカーのペナルティエリアが16.5m×40.32mであることを考えると、非常に狭いピッチでのプレーが求められます。

攻守の循環の回数が多く、局面が常に入れ替わり、サッカーと比較してもスピーディに感じるかもしれません。今回はそんなフットサルの構造を整理したいと思います。

フットサルの局面

まず、フットサルの局面を整理します。

フットサルの局面は以下の大きく4つに分類できます。

  1. 定位置
  2. トランジション
  3. セットプレー
  4. 特殊局面

それでは、分類ごとに細かく見ていきましょう。

1 定位置

定位置とは、「攻撃側と守備側がともに整っている状態」と定義します。

定位置攻撃とは、定位置の状態の攻撃側のことを指し、「攻撃側と守備側がともに整っている状態の攻撃」と定義します。つまり、5対5の状態で攻撃をすることです。

定位置守備とは、定位置の状態の守備側のことを指し、「攻撃側と守備側がともに整っている状態の守備」と定義します。定位置攻撃とは逆で、5対5の状態で守備をすることです。

5対5が整っている状態なので、赤チーム目線では定位置攻撃、青チーム目線では定位置守備となります。

2 トランジション

トランジションとは、「攻撃または守備が整っていない状態」と定義します。

トランジション攻撃とは、「攻撃または守備が整っていない状態で始まる攻撃」と定義します。定位置攻撃は相手の準備が整って5対5になりますが、トランジション攻撃は相手の状態が整っていない状態の攻撃です。全員がボールラインより自陣に戻っていたとしても、守備体制が整っていない場合はトランジションとしています。

トランジション守備とは、「攻撃または守備が整っていない状態で始まる守備」と定義します。トランジション攻撃の守備バージョンです。

このシーンでは、赤のPIVO当てを青のFIXOが奪い、攻撃が開始されました。そのとき、赤のPIVOはボールラインよりも相手ゴール側に位置し、守備に関与できていません。すなわち、青4人vs赤3人の構図となり、整った状態ではなく、この時はトランジション局面になります。

このシーンでは、同様に赤のPIVO当てをカットして青の攻撃が開始されるシーンです。ボールを奪った瞬間では、青のFIXOと赤のPIVOはボールに関与できておりません。

また、赤のPIVO当てした選手は縦に走り込んでいました。ボールラインよりは自陣に位置していますが、ボールに関与できているとはいえない状況です。つまり、この時は攻撃が青3人、守備が赤2人のトランジション局面と言えます。

3 セットプレー

セットプレーとは、「アウトオブプレーから開始される直接的にゴールを狙うプレー」と定義します。キックやコーナーキックはもちろん、キックオフやゴールクリアランスもデザインされてゴールを狙うものはセットプレーとしています。

セットプレーになり得るもの一覧

  • フリーキック
  • コーナーキック
  • キックイン
  • PK
  • 第2PK
  • キックオフ
  • ゴールクリアランス

4 特殊局面

特殊局面とは、「継続的に特殊な状態」と定義します。

フットサルは基本的に5対5、FPは4対4で試合を行います。トランジション局面で一時的に数的不均衡が発生することはありますが、それは短期間であり、基本的にはすぐに状態が回復します。

パワープレーや退場局面の4対3は、継続的に5対5、FP4対4を維持しない特殊な状態になります。最近はゴレイロを上げて攻撃を行うチームも多くありますが、定位置か特殊局面か、正直どちらでも構いません。あえて分けるとすれば、ゴレイロがプレス回避のためだけに一時的に上がってプレーするものは定位置攻撃またはセットプレー、何度もパス交換をするなどの継続的に攻撃に参加するプレーは特殊局面と考えます。

局面の循環

局面を4つに分類しましたが、それぞれの局面はどのように循環するかを考えます。

上図のように、原則として定位置とトランジション局面が循環します。

攻撃が終われば守備になりますが、奪われた瞬間の状況によってトランジションまたは定位置になります。守備も同様で、奪った瞬間の状況によってトランジションまたは定位置になります。

基本的には、相手が整っている状態と整っていない状態では、整っていない方が攻撃の方が有利であると考えます。よって、攻撃側は得点を奪うことを意識はしますが、ボールを失ったときにトランジションではなく定位置にさせるような準備も必要になります。

一方で、守備側は失点を防ぐことを意識しながら、どのようにトランジションに移行するか、つまりどこでどのようにボールを奪うかを考えて守備を行う必要があります。

攻撃時は、得点を奪うことと相手にトランジションに移行させないことの両方を意識する
守備時は、失点を防ぐことトランジションに移行することの両方を意識する

セットプレーや特殊局面も同様です。セットプレーは開始されると基本的には定位置やトランジション局面に移行します。特殊局面はパワープレー時にはトランジションに移行する可能性が高く、退場局面では数的不利のままなのでトランジション局面となります。

それぞれの状況で、次にどのような状況になるのか、得点を奪うため、奪われないためにいろんな状況への準備ができることが理想であると考えます。

短期間で勝利を目指すには

4つの局面を簡単に整理してきましたが、実際にどの局面を重点的に強化すべきかということについて考えたいと思います。

もちろん、すべての局面を強化できることが理想ですが、トレーニングの機会が十分でないチームや、公式戦までの時間がないチームは全てを強化することはできません。

私が考える、短期間で勝利を目指すために優先すべき局面は下記の3つです。

1.セットプレー攻撃
1つ目はセットプレー攻撃です。コーナーキックやキックイン(自陣からも含む)、ゴールクリアランスの機会は試合中に何度もあります。セットプレーを直接的にゴールにつながるように構築することでシュートチャンスは増えます。
2.トランジション攻撃・守備
2つ目はトランジション攻撃・守備です。トランジション局面も試合中にはよく起こる現象です。2対1、3対2の攻め方、守り方を確認しておけば、得点を奪う、守る可能性は上がるでしょう。
3.特殊局面(パワープレー)攻撃・守備

3つ目は特殊局面(パワープレー)攻撃・守備です。これは所属するリーグのカテゴリや相手チームのレベルにもより、不要な場合もあります。上位カテゴリであれば必要になるかもしれません。対戦相手が過去にパワープレーを実施しているのであれば守備の対策は必要であると考えます。攻撃は必ずしも必須ではありませんが、文字通り特殊な状況を作ることができるため、試合の流れを切って必殺技として使うことができます。ただし、高い技術や戦術理解度が必要になるため、選手の状況を考慮して検討してもらえればと思います。

 

以上、3つの局面を上げましたが、どれも再現性が高い局面になっています。つまり、試合中に何回も起こり得ること、パターンが決まっていて選手のプレーの選択肢を絞ることができる局面です。

インプレー中の定位置攻撃では、味方や相手のポジション、ボールホルダーへのプレスのかかり具合など、不確定要素が多くなります。定位置攻撃という括りでの頻度は高いものの、細分化したときにその局面は試合中に何度も起こるものではありません。いろんな状況に対応するためには、それなりの時間やコミュニケーションが必要となるため、セットプレーやトランジションの再現性が高い局面で得点を奪い、試合をしながら定位置等の連携を探っていく方が、序盤のチームとしての勝利はつかみやすいと考えます。

また、守備に関しては初期はマンツーマンで対応することでトレーニングの時間を短縮できます。ゾーンは連携や戦術理解に時間がかかるため、初期段階での構築は困難です。トランジションやパワープレーの守備は実施すべきとしていますが、それはマンツーマンディフェンスでは対応ができず、ゾーンディフェンスが求められるからです。ただし、再現性が高く、定位置守備のゾーンディフェンスよりも短時間で習得は可能と考えます。

短期間で勝利を目指すなら、再現性が高い局面を重点的にトレーニングする

まとめ

今回、フットサルの構造について説明しました。

フットサルは「定位置」「トランジション」「セットプレー」「特殊局面」の4つの局面の攻守に分類でき、それぞれが繋がり、常に循環しています。

得点を奪う、奪われないために、その繋がりを意識してプレーすることが必要になります。

短期間で勝利を目指すなら、セットプレー攻撃やトランジション攻撃・守備、特殊局面(パワープレー)攻撃・守備等の再現性が高い局面を優先的にトレーニングすることが良いでしょう。

今回は以上になります。ありがとうございました!

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