#48 フットサル定位置守備概要

定位置守備

みなさんこんにちは。

これまではフットサル定位置攻撃について解説してきました。今回は、定位置守備について解説していきたいと思います。

定位置守備とは

まず、定位置守備とは何かを確認しておきます。

定位置守備とは、「攻撃側と守備側がともに整っている状態の守備」と定義しています。詳細は以下の記事で解説していますので、ご確認ください。

つまり、相手がボールを持っていて、5対5が整っている状態のことです。自分たちが守備組織をしっかりと構築できており、良い状態で守備ができる場合のことを指しています。

定位置守備の目的

定位置守備の目的は、大きく2つあります。それぞれ考えていきたいと思います。

ゴールを守る

まず重要なのは、ゴールを守るということです。

定位置守備は相手がボールを持ち、攻撃を仕掛けてくる状態なので、まずは相手にゴールを奪わせない、シュートを打たせないようにすることが重要と言えます。

ボールを奪う、ゴールを奪う

2つ目の目的は、相手からボールを奪うこと、ゴールを奪うことです。

まずはゴールを守ることを最優先に考える必要がありますが、ずっと相手にボールを持たれ、シュートを打たれる展開になってしまえば、全てを防ぐことは難しくなります。ですので、どこかでボールを奪い、ゴールを目指す必要があります。

このように相手がボールを持って攻撃している状況でも、ボールを奪いゴールを奪えるような展開を作ることができれば、相手は攻撃をしにくくなり失点のリスクを減らすことができると考えています。

よって、守るだけではなく、ボールやゴールを奪うための守備をすることも重要になります。

定位置守備の基本的な考え方

定位置守備の目的は、「ゴールを守ること」、「ボールを奪う、ゴールを奪うこと」と解説しました。同時にその両者を考えなければなりませんから、どのように守備の構築をしていくかを説明したいと思います。

「ゴールを守る」ことと「ボールを奪う、ゴールを奪う」ことの区別の仕方ですが、基本的にはゴールからの距離の観点から考えます。

守るゴールから遠い場所では、そこからシュートを打たれる可能性が低いため、ボールやゴールを奪うような守備をすることができます。仮に相手に守備を突破されたとしても、まだ守るゴールからの距離が遠く、守備の組織を回復する時間もあります。

一方で、守るゴールから近い場所では、そこからシュートを打たれる可能性があり、当然ですが失点のリスクが高まります。ですので、守るゴールから近い場合はゴールを守ることを優先しましょう。

ゾーン別の守備の基本

フットサルのピッチは、基本的には縦40m、横20mとなっています。様々な考え方があるとは思いますが、縦には3分割して考えることが多いです。

その3つを、守るゴールに近いエリアからZONE1、ZONE2、ZONE3という風に区分されることが多いため、この記事でもそのように分けて考えたいと思います。

ZONE1の考え方

ZONE1は、まさに守るゴールから近い位置を指しています。よって、先ほど説明したように、まずはゴールを守ることから考えましょう。

当たり前ですが、ゴールは中央にありますので、ZONE1では中央のエリアにボールを侵入させないことが重要です。サイド奥深くまたはZONE2へボールを誘導しましょう。

ZONE3の考え方

ZONE2より先にZONE3から説明します。ZONE3は、ボールを奪い、ゴールを奪うことことで得点というリターンを得られる可能性が高い場所です。

ボールを奪う方法はいくつかあると思いますが、守備ラインを維持すること、そしてインターセプトを狙うことが重要だと考えています。また、ZONE2にボールを侵入させないよう、相手に前進させないことも重要になります。

ZONE2の考え方

最後に、ZONE2です。ZONE2は、どちらのゴール前でもないエリアになっています。どちらのゴール側にボールを進めることができるか、この攻守の攻防が重要になります。

ZONE2では、ZONE1に前進させず、ZONE3にボールを押し返すことを目指してプレーをすることが必要です。

ゾーン別守備まとめ

それでは、3つに分けたゾーン別の守備の考え方についてまとめます。

ZONE1 ・ゴールを守る

・中央にボールを侵入させない

ZONE2 ・ZONE1に前進させない

・ZONE3に後退させる

ZONE3 ・ボールを奪う、ゴールを奪う

・守備ラインを維持、インターセプト

相手のゴールに近い位置ほどリスクをかけてボールを奪いに行き、守るゴールに近い位置ほどリスクをかけずに失点をしない守り方になります。特にZONEの境目は選手間での意思がずれる可能性がありますので、うまくコミュニケーションをとってプレーすることも重要といえます。

状況に応じた戦略的変更

これまで基本的な定位置守備の考え方を説明してきましたが、全ての状況でこの考え方を適用すべきというわけではありません。

ZONE1で積極的にボールを奪いに行ったり、ZONE3でもボールを奪いに行かないようなシーンもあり得ます。その点について、具体例とともに説明します。

時間帯

まずは時間帯です。

例えば負けている状況で残り時間が僅かな場合には、自陣ゴール近くであっても積極的にボールを奪いに行くことが必要になることもあります。また、試合の立ち上がりで失点のリスクを減らしたい場合には、相手ゴール付近でも大きなリスクをかけてボールを奪いに行くことをしないこともあるでしょう。

試合の位置付け

次に、試合の位置付けです。

この試合が勝たなければならないのか、引き分けでも良いのか、負けたとしても点差を広げたくないのか、などの自分たちにとってこの試合がどのようなものであるかを事前に整理しておく必要があります。

極端な場合ですが、10点差をつけて勝たなければならない場合は、立ち上がりからリスクをかけてボールを奪いに行くこともあるかもしれません。

ファウル数

具体例の3つ目はファウル数です。

フットサルは前後半それぞれ6つ目のファウルからは相手に第2PKを与えてしまいますので、ファウルが増えてきた時には対応が必要かもしれません。

その他

このほかにも、検討できる要因はたくさんあると思います。重要なのは、原則から外れる場合にピッチに立っている選手が意思疎通ができていることです。

定位置守備まとめ

それでは定位置守備まとめです。

定位置守備の目的は、「ゴールを守る」こと、「ボールを奪う、ゴールを奪う」ことです。両極端なことが目的となっていますが、基本的にはボールの位置によって考え方を変更していく必要があります。

ただし、戦略的な要因によりその原則を破ってプレーすることもあります。試合前から予測できることもあれば、試合中に検討することもあります。原則を守りつつ、状況に応じてチームで意思統一をすることが重要です。

次回からは、具体的な守備戦術について解説していきたいと思います。それでは今回は以上になります。ありがとうございました!

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