#51 フットサル定位置守備 オールコートゾーンディフェンス

定位置守備

みなさんこんにちは。

これまでフットサル定位置守備について解説してきました。

前回は定位置守備の種類について解説し、その中で守り方の種類としてゾーンディフェンスがあると説明しました。今回は、オールコートにおけるゾーンディフェンスについて詳しく解説していきたいと思います。

ゾーンディフェンスとは

まず、ゾーンディフェンスについておさらいします。ゾーンディフェンスとは、各選手があらかじめ決められたエリアを守る守備のことを言います。マンツーマンディフェンスは決められた人に対応することを言いますが、ゾーンディフェンスでは自分の守るエリアに入ってきた相手に対して対応することになります。

それを踏まえて、ゾーンディフェンスの特徴や守り方について説明したいと思います。

ゾーンディフェンスのメリット

まず、ゾーンディフェンスのメリットについて解説します。

守備ラインの維持

1つ目は、守備ラインを維持できることです。

ゾーンディフェンスはあらかじめ決められたエリアをそれぞれが守る戦術であることから、マンツーマンディフェンスのように相手について行かないため、守備のラインを前に維持することができます。そうすることによって、相手との距離が近い状態で守備を継続できることから、よりボールへのプレスをかけることができます。

カバーリングの手厚さ

2つ目は、カバーリングの準備ができていることです。

マンツーマンディフェンスでは、初期配置の段階で2列目の選手が1列目になったり、1列目の選手が2列目になったりと、役割が変動します。自分のマークの相手に対してできるだけ強くプレスに行かなければなりませんから、しっかりとカバーリングを作ることが難しくなります。

一方でゾーンディフェンスでは、2列目のカバーリングができる位置に守備者を配置していますので、1列目を突破された際にはカバーリングが可能な状態となっています。

ゾーンディフェンスの弱点

次に、ゾーンディフェンスの弱点について説明します。ゾーンディフェンスで狙われるエリアは2つあります。

ライン間

1つ目はライン間です。

基本的にはボールラインには2人が配置されていますが、ライン間とは2人の守るエリアの間のことです。どちらの担当エリアかはっきりしないこともあり、攻撃側としては狙うポイントになります。

両サイド脇

2つめは、両サイド脇のエリアです。

ゾーンディフェンスではパスラインを限定しながら相手を誘導して数的有利を作り出そうとします。特に相手がボールを中に運んでいる際には、外側のパスラインを限定しながら、逆サイドに誘導することが多くなります。

その時に、相手が限定しているパスラインを狙うことにより、打開される可能性があります。

ライン間の守り方

それではゾーンディフェンスの守り方について解説していきます。

ゾーンディフェンスでまず決めるべきは、ライン間を誰が守るかという点です。ゾーンディフェンスの弱点としてライン間を挙げましたが、それを誰が防ぐのか、ライン間を使われたときにどのように対応するかはあらかじめ決めておく必要があります。ライン間の守り方が決まれば、その他でどのように守るかが決まっていきます。

ボールホルダーが切る

まず1つ目の方法はボールホルダーがライン間を切りながらプレッシャーをかけるということです。

それによりある程度ライン間は防げますので、2ndディフェンダーは絞りを緩め、より横パスへの準備ができるようになります。

しかし、ライン間を切りながら寄せるため、縦へのパスラインはどうしても空いてしまう可能性があります。簡単にPivoを使って前進される可能性があり、Fixoの強さが求められます。

2ndディフェンダーが対応

2つ目は、2ndディフェンダーが絞って対応することです。

1stディフェンダーはPivoへのパスラインを限定しながら寄せるため、Pivoが縦にいる場合には縦のパスラインから寄せることになります。そうすることで、ライン間へのパスラインを残す形になりますので、2ndディフェンダーの守備範囲が広くなります。前進は拒むことができますが、ボールへのプレスがかかりづらい状態になる可能性が考えられます。

2列目が対応

3つ目は、2列目の守備者が対応することです。

この方法は選択肢としてはありますが、2列目の選手が出てしまう方法ではマンツーマンに近い守備になり、2列目のカバーリングを作るメリットが薄れてしまいます。2列目の守備者とかなり深い位置でのライン間であれば2列目が出ることは良いと思いますが、ゾーンディフェンスを採用するのであれば浅い位置のライン間は1列目の守備者が対応することが望ましいと考えます。

守備1stラインを突破されたときの対応

ゾーンディフェンスで、カバーリングを作りながら守備1stラインを高く維持し、より前でボールを奪えるようにすることが狙いの守備です。それでも、相手に守備1stラインを突破されてしまうこともあります。その相手に守備ラインを突破された場合の対応について考えておく必要があります。

それは、全員が全力で撤退し守備組織を構築することです。

守備1stラインを突破された状況では、自分たちの守備組織が整っていない状態なので、まずは定位置守備に戻し、整った状態で守備ができるように再構築することが重要になります。

突破された場合は、1stラインの守備者はとにかく撤退しましょう。守備ラインを下げ、整った状態で守備を再開しましょう。

ゾーンディフェンスまとめ

ここまで定位置守備のオールコートにおけるゾーンディフェンスについて解説しました。

オールコートのゾーンディフェンスは、守備ラインを維持しプレスをかけやすい状態を維持することができる一方で、ボールにプレスがかからなければ簡単に背後を取られてしまう可能性があります。

メリット 守備ラインを維持しプレスをかけやすい状態が維持できること
デメリット ボールプレスがかからなければ簡単に背後を取られる可能性があること

ボールにプレスをかけながら相手に守備ラインを突破させないようにするためには、ゾーンディフェンスの弱点であるライン間の対応をどのようにするかを考える必要があります。

ゾーンディフェンスは、マンツーマンディフェンスよりも約束事が多く、習得に多くの時間を要します。また、1stラインのプレスが非常に重要になるため、プレスが得意な選手がいることも重要です。そのような条件が揃えば、ゾーンディフェンスを取り入れるメリットは大きいと思います。チームの環境、選手の特徴を踏まえて採用を検討していただければと思います。

それでは今回は以上になります。ありがとうございました!

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