#139 Fリーグ2024-2025Div.1前半戦 名古屋オーシャンズ

名古屋オーシャンズ

みなさんこんにちは。

これまでF1の前半戦のチーム分析を実施しています。今回は第8回、名古屋オーシャンズです。ぜひご覧ください!

以下はこれまでのチーム分析です。併せてご覧ください!

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#134 Fリーグ2024-2025Div.1前半戦 湘南ベルマーレ分析
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#135 Fリーグ2024-2025Div.1前半戦 シュライカー大阪分析
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#136 Fリーグ2024-2025Div.1前半戦 バルドラール浦安分析
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#137 Fリーグ2024-2025Div.1前半戦 Y.S.C.C.横浜分析
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#138 Fリーグ2024-2025Div.1前半戦 ボルクバレット北九州
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名古屋オーシャンズ 戦績

まず最初は名古屋の9試合の戦績についてです。名古屋は5勝2分2敗の勝点17の4位で中断期間に入っています。

日時 相手 H&A スコア
1 2024/06/02 しながわシティ HOME 3⚫︎4
2 2024/06/09 バサジィ大分 AWAY 2○1
3 2024/06/16 ヴォスクオーレ仙台 HOME 12○2
4 2024/06/22 シュライカー大阪 AWAY 3○1
5 2024/06/30 ボルクバレット北九州 HOME 6○2
6 2024/07/07 Y.S.C.C.横浜 AWAY 2△2
7 2024/07/14 フウガドールすみだ HOME 9○0
8 2024/07/20 湘南ベルマーレ AWAY 3△3
9 2024/07/28 ペスカドーラ町田 HOME 3⚫︎4

それでは、具体的に得点や失点の傾向について分析していきたいと思います。

名古屋オーシャンズ 得点傾向

まずは名古屋の得点についてです。

名古屋は9試合で43得点でリーグ最多となっています。内訳としては、定位置攻撃が15点(34.9%)、セットプレーが10点(23.3%)、トランジションが6点(14.0%)、特殊局面が12点(27.9%)となっています。

名古屋の得点の傾向としては、まず総得点がリーグ最多ということです。2番目に多い浦安は36得点であり、差をつけてリーグ最多となっています。その中では、定位置攻撃での得点がリーグ最多、セットプレーがリーグ2位と、これまでのシーズンから引き続いて定位置攻撃とセットプレーが武器になっていることがわかります。

3シーズンを比較すると、1試合平均得点数が昨シーズンから1点増加し、得点力が上昇していることがわかります。

昨シーズンはセットプレーでの得点が減少していましたが、今シーズンはセットプレーでの得点も回復傾向にあります。定位置攻撃についてはこの数字を見てわかるように大きな武器と言えるでしょう。

また、パワープレーでの得点がリーグ最多であることも特徴の一つです。

今シーズンの名古屋は、相手がパワープレーを開始すると名古屋もパワープレーを実行してボールを保持しますのでビハインド時のみの実施ではありませんがそれでもパワープレーで得点を奪えているます。思うように勝点を積めていない状況にはあると思いますが、それでもパワープレーで勝点を拾う勝負強さが今年の名古屋にもあると言えます。

名古屋オーシャンズ 失点傾向

次に名古屋の失点についてです。

名古屋は9試合で19失点で、リーグ2位タイとなっています。失点の内訳としては、定位置攻撃が9点(47.4%)、セットプレーが6点(31.6%)、トランジションが1点(5.3%)、特殊局面が3点(15.8%)となっています。

名古屋の失点の傾向としては、定位置攻撃とセットプレーの割合が多く、その2つの局面で全失点の8割近い失点数となっています。定位置攻撃についてはリーグで4番目に多い数字になっており、上位陣と比較して多くなっています。

セットプレーの失点は6失点ですが、FKを含めてすべてアウトサイドからのシュートでの失点となっています。うち5失点はゴレイロの足元へのシュートです。その点から考えると、名古屋の課題の一つはセットプレーのアウトサイドからのシュート対応と言えます。逆に相手チームとしては、セットプレーでアウトサイドからのシュートを多く狙う形が望ましいと考えられます。

また、トランジションと特殊局面はリーグ最少失点となっています。

トランジションについてはこれまで名古屋の課題の一つではありましたが、3シーズンを比較しても今シーズンは激減していることがわかります。

特殊局面についてはパワープレーでの失点が2点、GK活用での失点が1点となっています。

得点傾向としてパワープレーの得点がリーグ最多と言及しましたが、パワープレー返しでの失点が1点もありません。名古屋のパワープレーはパワープレー返しを受けることなく得点を量産していることがわかります。前半からパワープレーをする場面もあり、チーム内でもパワープレーに絶対的な自信があると想像できます。

前半戦9試合総括

絶対王者の名古屋、昨シーズン苦しいシーズンになったものの、最終節で大逆転の優勝を果たしました。今シーズンは日本人選手の入れ替えはなかったものの、外国籍選手がダルラン選手とギレルマオ選手が退団し、ファビーニョ選手とジャコ選手が加入し、監督がイマノル監督に交代となったシーズンとなっています。

今シーズンは特に定位置攻撃について変化があったシーズンになっています。そんな名古屋の今シーズンの戦い方について分析したいと思います。

流動性の高い定位置攻撃

これまでの名古屋は強烈なPivoを最前線に配置する3-1を採用してきましたが、イマノル監督が就任した今シーズンはPivoを置くよりは4人を最後尾に並べる4-0を多く採用しています。

4-0の配置におけるプレス回避では、3オンラインを形成することで相手の守備ラインを突破しようと試みています。大きく分けると3オンラインの取り方は以下の2つです。

軸ありクアトロ

まず一つ目は軸ありクアトロとも呼ばれる、Fixoの位置で軸を作り、片方のサイドで3オンラインを形成する方法です。

狙いとしては、飛ばしのパス、逆サイドを経由してライン間のアクションの2つが大きくあります。

今シーズンの名古屋は外国籍選手も含めて機動力の高い選手が多くいますので、4枚でボールを保持しながらチャンスと見れば背後のスペースを狙っていくプレーが多く見られます。

最後尾での3枚+1

2つ目は浅めの3-1で逆サイドのスペースへのランニングを狙う形です。

最後尾で3枚ができた場合、逆サイドにパスを飛ばすことができれば中央の選手が背後へのランニングでスペースを狙う形を採用しています。最後尾でボールを保持しながら形を変え、適切なタイミングで背後を狙うことができています。

トランジション失点の減少

今シーズンの名古屋の特徴としては、トランジションの失点が大きく減少していることです。これまでは名古屋に対してトランジションを狙うチームが多かったですが、今シーズンはそれもなかなか難しくなっています。

要因としては2つ考えられます。まず1つ目は定位置攻撃でボール保持の時間が長く、相手にトランジションをさせるような奪われ方が少ないということです。2つ目は献身性や俊敏性が高い選手が多いことです。昨シーズンはダルラン選手やギレルマオ選手といったフィジカルに優れて攻撃でパワーを発揮する選手で狙われることも多かったように思いますが今シーズンはその狙い目が少なくなっています。そういう点で、今シーズンの名古屋は弱点が少なくなっている印象です。

突出した個の存在

一方で今シーズンの名古屋は、突出した個を持つ選手が減っているように思います。もちろんリーグでは屈指の選手が揃っていますが、絶対的な対人能力やフィジカルを持つ選手が減り、バランスを取れる選手やスピードのある選手が増えた印象です。

その影響もあってか、相手の定位置攻撃で1対1を突破されて失点するケースがあります。その分トランジションの失点が減少し、全体の失点数が減少しているのでトータルでプラスに働いており、チームのスタイルが変化していることが考えられます。

パワープレー攻撃

名古屋は今シーズンパワープレーでリーグ最多得点となっています。パワープレー返しでの失点はなく、非常に効果的にパワープレーを実施できていることがわかります。

名古屋のパワープレーとしては、基本的には吉川選手を頂点に置き、右サイドに左利きのアンドレシート選手と水谷選手、左サイドに清水選手とファビーニョ選手を配置しています。左右の2人がそれぞれローテーションしながら、角にパスを送り、そこからゴール前へのパスまたはシュートが得点源となっています。パススピードが速く、角にパスが来たときに相手がなかなかスライドが間に合わず、フリーな状態でプレーできています。さらに角でパスを受けた選手のパス、シュートも正確であるため得点を生むことができています。

名古屋相手にせっかくリードした状況を作ったとしてもパワープレーで失点してしまうのは、相手チームにとってもかなりストレスのかかる展開でしょう。名古屋としても、最終局面でパワープレーがあるという自信を持ってプレーできるのはアドバンテージになると思われます。

ハイプレスへの対抗

ボール保持を高める名古屋に対してはハイプレスが有効だと考えています。ボールホルダーに自由を与えてしまえば、少しずつ前進され、押し込まれた状態ではゴールに向かって仕掛けられるという状況を作られてしまいます。

逆にボールホルダーへのプレスを強めた際には名古屋はかなり嫌がっているように見えます。すぐに相手の背後を狙うというよりは、しっかりボールを保持して相手陣地に侵入していくことを狙っています。なかなか前に進めない状況を作り出すことができれば、名古屋ボールの時間を減らすことができます。名古屋としては、強いプレスが来た場合であっても背後に蹴るのではなく、しっかり繋いで前進したいという意思を感じます。現状ではなかなか強いプレスがきたときに思うように前進ができていませんが、今後どのような対抗をしていくのかが見どころの一つになると思います。

今後の展望

7連覇中の名古屋オーシャンズ、今シーズンは非常に接戦であり、9試合終了時点で4位という結果になっています。

2分2敗という結果になっていますが、他のチームが対抗できるようになったという印象です。理由としては、定位置攻撃での得点が増加し、ボール保持率も非常に高くなっていて、どのチームも名古屋に攻められる時間は長くなっているためです。前述したように、フィジカルや強さを活かす選手は減ったように思いますが、スピードのある選手や仕掛けられる選手は増え、スタイルの変化だと思います。

その上で名古屋が今シーズン逆転で優勝を狙うためには、定位置攻撃とセットプレーにあると考えます。今シーズンの名古屋を見た上では、どれだけボールを握ることができるかということに焦点を当てていますが、対抗される部分に関しては相手の良さを消すというよりむしろ、名古屋の良さを出すことにフォーカスする方が強さが増すと考えています。

前述のように、どれだけ前からのプレッシングが来てもボールを失わずに保持し、チャンスを見て背後に飛び出していくようなプレーが増えればより強さのある名古屋になるのではないでしょうか。パワープレーも含めて相手陣地に入ることができれば脅威になる選手は多くいますのでどれだけボールを失わずに相手陣地に侵入できるかがポイントになるでしょう。

まとめ

現在首位浦安と勝点差5で4位の名古屋。フィジカルからスピードやテクニックのスタイルに変わりつつある中で、リーグ圧倒的な攻撃力を見せつけています。それと引き換えにトランジションでの失点の減少、定位置攻撃での失点増加といろいろな要素も発生してはいますが、チームの状態や今後の期待感は悪くないと考えます。

とは言え、しながわや町田といった上位を争うチームに敗れ、少し勝点差のある横浜や湘南に引き分けるなど、勝点をうまく重ねられていません。その中で中断明けの前半戦残り2試合は浦安と立川であり、ともに重要な直接対決になります。また、立川対しながわの対戦もありますので、この2試合を勝利することができれば上位との差は一気に縮まります。逆に敗れれば上位と大きな差が生まれることになりますので、ひとまずこの2試合に勝利することが優勝に向けて絶対条件と言えるでしょう。

今後については、今シーズン強化している定位置攻撃でどれだけボールを握れるか相手コートに入ってゴールを脅かすことができるかが注目ポイントになります。

それでは今回は以上になります。また次回のチーム分析をお楽しみに!ありがとうございました!

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