#62 パワープレー攻撃のパターン(ブロック)

パワープレー

みなさんこんにちは。

これまでパワープレー攻撃に関する記事を解説しており、前々回はパワープレー攻撃で使われるアクションについて解説しました。

そして前回はそのアクションの中で「ワンタッチパス・飛ばしのパス」と「オーバーロード」を使った実際のパターンを紹介しました。

今回は、「ブロック」のアクションを用いたパターンを解説したいと思います。ぜひご覧ください!

ブロック

次はブロックを用いたパワープレー攻撃パターンについてです。

前回の記事でも解説した通り、ブロックには直接ブロックと間接ブロックがあります。直接ブロックとはボールホルダーに対峙する相手選手をブロックすることで、間接ブロックとはボールホルダーに対峙している相手選手以外の選手をブロックすることです。

ここでは、その両方を活用したパターンについて紹介します。

直接ブロック

まずは直接ブロックを用いたパターンです。

1つ目は、日本代表やシュライカー大阪でも使われていたパターンになります。初期配置は1-3-1とします。

最後尾のFixoのマークに対して、2列目中央にいる選手が直接ブロックを仕掛けます。それに対して最後尾のFixoがそのブロックを利用してどちらかのサイドに運ぶことでチャンスを作ります。

ブロック後の選択肢としては以下の3つがあります。

1つ目の選択肢は、Fixoがそのままシュートを打つことです。その際、最前線にいるPivoはセカンドポストを狙います。

2つ目の選択肢は、持ち運んだ側のサイドのAlaにパスを出すことです。ブロックが完成した状況ではそのサイドで数的有利になる可能性があるため、相手がボールに対して対応してきたときにその守備の背後を狙うパスを出すことでチャンスを作る形です。

3つ目の選択肢は、逆サイドへの展開です。この場合は主にブロックが完成できず、相手にブロックを回避されたときに有効です。逆サイドに展開した際には、パスを受けた選手が持ち運び、Pivoが縦の選択肢、中央でブロックをした選手がリバウンドポジションでのシュートを狙います。

このように、ブロックが完成したかどうか、その場合の相手のリアクションはどうかによって狙う選択肢を変えることが望ましいでしょう。

このパターンは、Fixoの選手がドリブルで相手を剥がす力、そしてシュート力を持っている場合に効果的でしょう。日本代表では原田快選手、シュライカー大阪では加藤未都実選手をFixoのポジションとして起用しています。

直接ブロック2つ目のパターンは、サイドの選手に対するブロックでシュートを狙うパターンです。今回の初期配置は1-2-2とします。どちらのサイドでも良いですが、縦へのドリブル、サイドからのシュートが得意な選手をAlaに配置し、そのサイドで実施することが望ましいでしょう。

実際の方法ですが、その選手がボールを持っているときに、1対1を仕掛けるような素振りを見せます。その際に、同サイドの縦に位置しているPivoが、ボールホルダーに対峙する相手選手の死角からブロックを仕掛けます。このブロックを利用してAlaの選手は縦に運びチャンスを作る形です。

ブロック後の選択肢としては以下の2つがあります。

1つ目は、Alaの選手が縦突破後にそのままシュートを打つことです。このとき、逆サイドのPivoはセカンドポストに素早く侵入しましょう。

2つ目は、ブロックを仕掛けた縦に位置するPivoの選手が、コンティニューでパスを受けることです。

縦突破に対して相手Fixoが対応してきた際にはブロックを仕掛けた選手がフリーになる可能性が高いため、大きなチャンスになる可能性があります。ポイントとしては、ブロックをする瞬間は相手に背を向けることです。そうすることによってAlaの選手がいつでもパスを出せる状態を作ることができますし、ファウルを取られる可能性も軽減することができます。

このパターンは、前述の通り、サイドでの1対1が得意な選手がいる場合に効果的だと考えています。その力を活かすために縦からの直接ブロックを活用、そのブロックを利用してコンティニューの両方の選択肢を意識することが重要になります。

間接ブロック

次は間接ブロックを用いた攻撃パターンです。

間接ブロックは、ボールホルダーに対峙する相手選手以外をブロックするアクションになりますので、そのブロックで生じたズレを活かすためにはパスを1本以上繋ぐ必要があり、直接ブロックよりも時間がかかる場合が多くなります。メリットとしては、相手はやはりボールを中心に見ることが多いため、死角からブロックを仕掛けられることも多く、ブロック自体の成功率は高くなる可能性があります。

それを踏まえて攻撃パターンを紹介します。

初期配置は2-1-2または2-3とします。最後尾の2人は、パスが出せるFixoタイプの選手と、仕掛けてシュートを打てるAlaタイプの選手を配置します。

アクションとしては、1対1ができるAlaの前の相手を中央の選手が死角の外側からブロックします。そのブロックが完成すれば、Alaタイプの選手はサイドライン方向に開き、パスを受けます。

ブロックが完成せず、相手にかいくぐられた場合にはブロックをした選手がライン間でパスを受けることを狙いましょう。

このように、相手のリアクションに応じて有効な選択肢を使うことが重要です。

間接ブロックは直接ブロックよりもタイミングが難しくなります。直接ブロックはそのブロックのタイミングを見てボールを運ぶことでズレを作ることができますが、間接ブロックの場合にはブロックのタイミングでパスを受ける必要があります。直接ブロックよりも工程が1つ多くなりますので、その分難しいと言えます。

ただし、その分そのタイミングが合えば。死角からブロックすることで相手が警戒していない場合が多いため非常に大きなチャンスになります。そのタイミングを図るためにトレーニングが必要になるでしょう。

シュートを狙う回数を増やしたければ直接ブロック、回数はそれほど多くなくてもしっかりとズレを作りたければ間接ブロックを用いたパターンを採用することが良いと思われます。

まとめ

今回はブロックを用いたパワープレー攻撃のパターンを紹介しました。ブロックには直接ブロックと間接ブロックがあり、それぞれメリットとデメリットがあります。

メリット デメリット
直接ブロック ブロック完了後すぐにフィニッシュに移行しやすい ボールホルダーへブロックするため、相手に認識されやすい
間接ブロック 相手の死角からブロックをすることができる ブロック後にパスを1本以上出さなければならないため時間がかかる

それぞれの特徴を踏まえ、遠い距離からシュートを打てる選手がいる場合は直接ブロック、パスを出せる選手がいてサイドからシュートを打てる選手がいれば間接ブロックを使うことが望ましいと思います。今回も、紹介したパターン以外にもたくさんありますので、参考の一つにしてもらえればと思います。

それでは今回は以上になります。ありがとうございました!!

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