#60 パワープレー攻撃で使われるアクション

パワープレー

みなさんこんにちは。

前回、前々回とパワープレー攻撃の概要や狙い、必要な選手の特徴、GKの選び方等について解説してきました。

今回は、パワープレー攻撃で使われる効果的なアクションについて解説していきたいと思います。

パワープレー攻撃におけるアクション

ワンタッチパス

まずパワープレー攻撃において最も重要と言っても過言ではない、ワンタッチパスについてです。パワープレー守備では、これまで解説してきた通り、パワープレーに対する守備はゾーンディフェンスで守り、素早いスライドで対応をしていきます。その中でワンタッチでパスを出すことにより、相手がスライドができなくなる状況を作り出すことが狙いです。

飛ばしのパス

次は飛ばしのパスです。ワンタッチパスのときと同様に、飛ばしのパスを出すことで相手はスライドが遅くなります。ですので、近くのパスラインだけではなく、常に遠くのパスラインを観察し、必要であれば狙っていくことも重要です。

飛ばしのパスの後にワンタッチでパスができれば、その対応は本当に難しくなります。もちろん技術的に簡単ではありませんが、逆に言えばパワープレー攻撃ではそのようなスキルを持った選手が必要とされます。

ブロック

次は、最も多く使われるアクションの一つであるブロックについてです。ブロックは相手守備者の動きを止めることができ、ずれを作ることができる比較的シンプルな方法です。

ブロックには直接ブロック間接ブロックがあります。直接ブロックは、ボールホルダーに対峙する相手選手をブロックすること、間接ブロックはボールホルダーに対峙しない相手選手をブロックすることです。

より効果的なのは直接ブロックで、その理由はすでにゴールから距離が近い状況にあるためブロックからマークをずらすことができればシュートを即座に打てる可能性があるからです。

逆に間接ブロックは、相手の死角からブロックができる可能性が高いことがメリットです。

守備者はボールをまず認識しなければなりませんから、直接ブロックではブロックすることを相手に認識される可能性は高まります。間接ブロックは相手が見ていない場所で起こる場合が多いですので、ブロックの成功率は高まるかもしれません。ただし、間接ブロックを活かすにはパスを1本以上しなければならないため、効果的に活用するまでに時間がかかり、相手に守備を整えられてしまう可能性があることも理解しましょう。

3オンライン

次は3オンラインです。3オンラインとは、3人が一直線に並び、2つのパスラインを作り出すことです。

パワープレー守備では、飛ばしのパスを出させないことが一つの原則になるので、その飛ばしのパスを通すことができれば攻撃側に有利に働きます。

仮にマンツーマン気味に対応してきた場合には、逆サイドが数的有利の状態になっている可能性が高いので、その選択肢がうまく使えるかも一つのポイントです。

オーバーロード

次はオーバーロードです。オーバーロードとは、「過負荷」という意味があります。相手に対して過負荷をかけ、バランスを崩すような方法です。具体的には、一方のサイドに偏りを作ることで相手ゾーンディフェンスに迷いを生み出すことができます。

パワープレー守備はゾーンディフェンスになりますので、それぞれの守備者が担当するエリアを決めて守る形をとります。1人が守るエリアに2人が侵入したとしたら、その位置で数的有利を作ることができる可能性が高まります。オーバーロードでは、相手のゾーンディフェンスの特徴を逆に活かす方法で数的有利を作ることができます。

人の交差

次は人の交差です。人と人が交差することで、ゾーンディフェンスの相手はマーク交換を行う必要があります。ボール保持者に対して攻撃者が交差するときに、相手頂点で守る選手がどのように対応するか決断を迫られます。

頂点が交差の方向と逆側の対応をする場合は、交差の方向で2対1と数的有利ができます。

頂点が交差の方向に対応する場合には、逆サイドが空くことになりますので、その選手にパスをすることができればフリーな状態を作ることができます。

このように、交差した直後に相手守備頂点のアクションによってどこかで数的有利が生まれることになりますので、その優位性をうまく活用することでチャンスを作ることができます。

ピサーダ

次はピサーダです。ピサーダはヒールでパスをする行為のことを言います。ピサーダでは、ボール保持者の体の向きと逆側にパスをすることになりますが、守備は1人少ないこともあって、予測されるボールの進行方向に対して守備を固めることになります。

その状態で予期せぬ逆方向へのパスがされると、守備にずれが生じる可能性はあると考えられます。

まとめ

今回はパワープレー攻撃でよく使われるアクションについて解説しました。パワープレー攻撃には配置や攻撃方法にはいろいろなものがありますが、どの配置や攻撃方法でも今回紹介したアクションが使われることが多くなるため、採用してもらえればと思います。

それでは今回紹介したアクションを簡単にまとめます。

ワンタッチパス 相手のスライドを遅らせる
飛ばしのパス 相手のスライドを遅らせる
直接ブロック ボールホルダーがフリーになる
間接ブロック パスの受け手がフリーになる
3オンライン 飛ばしのパスを出しやすくなる
オーバーロード 相手1人が守るエリアに2人が侵入し数的有利を作る
人の交差 数的有利または逆サイドでフリーができる
ピサーダ 受け手がフリーな状態になる

パワープレーは1人多い状態で攻撃をすることになりますが、相手は基本的に守備ラインを下げてブロックを作り、スペースを消して守ることになります。その中でフリーな状態を作ったり、スライドを遅らせたりすることでさらに有利な状況を作ることができますので、それぞれについて理解していただければと思います。

それでは今回は以上になります。次回はこのようなアクションを用いた実際のパワープレー攻撃戦術について解説したいと思います。ありがとうございました!!

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