みなさんこんにちは。
これまでパワープレー攻撃に関する記事を解説しており、前回はパワープレー攻撃で使われるアクションについて解説してきました。
今回は、そのアクションを実際に活用してどのようにゴールを奪いに行くか、パターン例を解説したいと思います。今回は「ワンタッチパス・飛ばしのパス」、「オーバーロード」を用いたパターンです。ぜひご覧ください!
ワンタッチパス・飛ばしのパスのパターン
まず1つ目のワンタッチパス・飛ばしのパスのパターンは初期配置は1-2-2で、ピラミッド型と呼ばれる頂点から一直線の位置をとり、三角形を作る配置のパターンです。
ここで頂点のFixoから角の選手に対して飛ばしのパスを出し、角の選手がワンタッチで中央にパスを送り込むことでチャンスを作る形です。
3オンラインを作ることによって飛ばしのパスを出しやすくなり、角からワンタッチでパスを出すことによって相手選手がスライドできないうちにフィニッシュに持ち込むことが狙いになります。
ここで重要なのは、左利きの選手と、角の選手のパス能力です。
左利きの配置
右サイドの2人には左利きの選手を配置することが望ましいです。
まず右Alaの選手ですが、3オンラインを作る中で飛ばしのパスを狙いますが、相手がそのパスラインを読んできたときには外側の左足でコントロールする必要があるためです。
次に右Pivoの選手ですが、飛ばしのパスを受けたときにワンタッチで正確なパスを出す必要があることから、左利きかつパス技術に優れた選手が望ましいと言えます。また、3オンラインを作る中で、相手のパスカットを警戒してパスが外側になることもあるため、左足でのコントロールも必要になります。
角の選手のパス能力
次に角の選手のパス能力です。すでに少し触れていますが、角に飛ばしのパスを出した後に相手のスライドが間に合わないうちにワンタッチで正確なパスを出せなければ決定的なチャンスは作れません。角にはパス技術の高い選手を配置するべきと考えます。
その他の攻撃選択肢
また、この配置における他の選択肢ですが、2つ説明します。
1つ目はAlaからAlaへの飛ばしのパスを入れ、パスを受けたAlaがゴールに向かうアクションをすることです。
このとき、相手Fixoのスライドが遅れている可能性がありますから、縦のPivoがフリーになる場合や、ボールと逆のPivoがフリーになる可能性があります。もちろん、ゴールに向かい、直接シュートを打つ選択肢もあります。
2つ目は、背負ってパスを受けたAlaから逆のPivoへパスを送ることです。
Fixo、Ala、Pivoで3オンラインを形成していますが、その時にAlaに対峙する相手選手は中央を空けてPivoへのパスラインを切ってくる可能性があります。その時にAlaがコントロールして逆のPivoへパスを送ることができれば一気にチャンスになります。
なお、この2つの選択肢も、飛ばしのパスを使ったパワープレー攻撃のアクションになっています。
オーバーロード
次はオーバーロードを用いたパワープレー攻撃パターンについてです。
オーバーロードは「過負荷」という意味があり、相手に対して過負荷をかけ、バランスを崩すような方法です。具体的には、一方のサイドに偏りを作ることで相手ゾーンディフェンスに迷いを生み出すことができます。
ただし、最初から偏りを作っている状態では相手に対応されてしまう可能性は上がってしまうので、陣形を変えながら偏りを作っていくパターンになります。
まず初期配置はハウス型ともいわれる、1-2-2のAlaがサイドに張る配置を取ります。
オーバーロードのパターンはいくかあるとは思いますが、今回は多くのチームに当てはまる可能性がある、左利きの人数が1人以下の場合に使えるパターンを解説したいと思います。
左利きの選手が1名いる場合は、右角のPivoに配置します。左利きの選手がいない場合は、最も左利きのワンタッチパスが上手な選手を配置します。
最も簡単なパターンとしては、右Alaの選手が左の奥まで移動し、左サイドで過負荷を作ることが狙いです。右Alaの選手が右利きであるというデメリットをメリットに変える形になります。
このように、オーバーロードをすることによって、相手守備はスライドする必要があり、AlaがPivoの位置に、FixoがAlaの位置にスライドしなければならなくなります。そうなれば、逆AlaがFixoにならなければなりませんが、なかなかそのスライドは難しく、オーバーロードで逆サイドに移動した選手(元々右Alaの選手)がフリーになる可能性が出てきます。
このように、オーバーロードは一方のサイドに過負荷の状況を作り、相手のスライドを難しくすることでフリーの選手を作り出すことができるような戦術です。
まとめ
今回はワンタッチパス・飛ばしのパス、オーバーロードを用いたパワープレー攻撃のパターンを紹介しました。どの選択肢を採用するかは、まずチームにどのような選手がいるかということが重要になります。ここで特に考えたい選手の特徴としては、左利きの選手の数です。
左利きの選手が2人いる場合は、右サイドに2人の左利きを配置できるため、1-2-2のピラミッド型からワンタッチパス・飛ばしのパスを使ったパターンを使うことが有効です。
左利きの選手が1人いる場合は、右サイドには1人しか左利きを配置できず、1-2-2のハウス型からオーバーロードを使った形で左サイドに右利きの選手を移動させるパターンが有効になります。
左利き人数 | 配置 | 使うアクション |
2名 | 1-2-2(ピラミッド型) | ワンタッチパス・飛ばしのパス |
1名 | 1-2-2(ハウス型) | オーバーロード |
今回紹介した一例になります。このパターン以外にもあると思いますので、参考の一つにしてもらえればと思います。次回はブロックを活用したパターンを解説したいと思います。
それでは今回は以上になります。ありがとうございました!!
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