#3 ロンドにおける3つの目的

ウォーミングアップ

みなさんこんにちは。
今回は、ロンドについて考えていこうと思います。

まず、私はロンドを実施することは非常に良いと考えています。ただし、目的を意識した工夫を怠れば、狙った効果の獲得が薄れてしまいます。どのような工夫をすればよいか考えていきたいと思います。

ロンドとは

まずはじめに、ロンドとは何かを確認します。
「鳥かご」や「ボール回し」等、各チームによって様々な呼び方があるとは思いますが、どんな呼び方でも大丈夫です。今回は特に細かく分類はしません。

今回は仮に「特定のエリアの中で攻撃側はボールを保持、守備側はボールを奪取することを目指すもの」とします。みなさんの定義と異なっていても問題ありません。

ロンドを実施する狙い

私がトレーニングとしてロンドを実施する際に、設定している目的は大きく3つに分かれます。

目的1 ウォーミングアップとしてのロンド

メイントレーニングの時間を多く費やしたい場合や、トレーニングマッチや公式戦など、試合前のウォーミングアップであまり時間がない場合にロンドを採用します。

ロンドが各選手のボールタッチの回数も多く、細かいポジション調整でのステッピングが必要になり、低強度の運動で身体的な準備を段階的に整えることができることを活用します。また、これは経験則ですが、ロンドはグループでの盛り上がりを発生させることもあり、精神的な準備ができることもロンドを使用する理由の一つです。

さて、ここからは具体的なメニューをご紹介します。

3対1ロンド

オーガナイズ 基本ルール
  • ピッチサイズ5m程度の四角形
  • ピッチ内で3対1のロンド
攻撃側ルール 守備側ルール
  • 1タッチでプレー
  • ボールに触れれば攻撃と交代
  • 股を通される、攻撃にパスを○○本繋がれる度に1回守備のターンが溜まる

4対2ロンド

オーガナイズ 基本ルール
  • ピッチサイズ8m程度の四角形
  • ピッチ内で4対2のロンド
攻撃側ルール 守備側ルール
  • 2タッチアンダーでプレー
  • ボールに触れれば攻撃と交代(先に守備になっている選手1人のみ交代)
  • 股を通される、攻撃にパスを○○本繋がれる度に1回守備のターンが溜まる

ポイント

ウォーミングアップとしてロンドを実施する場合には、2つのポイントがあります。

 ルールは可能な限りシンプルに!

ルールの理解に時間がかかりすぎたり、途中でルール確認をしたりすれば、選手のプレーが止まります。選手のプレーが止まれば、ウォーミングアップに費やす時間がかかるか、選手が準備できていないままウォーミングアップを終了してしまう可能性があります。

 攻撃と守備が均衡する設定を!

攻撃と守備のどちらかが明らかに有利である場合、選手のモチベーションが上がりません。さらに、不均衡な場合はウォーミングアップとしての準備も進みません。適度にパスが回り、適度に守備がボールを奪えるような設定を、選手の能力等から考えてみてください。

目的2 個人戦術の強化

次は、個人戦術を強化したい場合です。個人戦術とは、ここでは「認知・決断・実行」のプロセスとします。

前述の目的1では制限を少なくしているため、選手は無数の選択肢の中から選択することになります。ここでは一定の制限を加えることで、選手の選択肢を減らし、その中から認知し、決断し、実行させることを狙いにしています。

3対1ロンド

オーガナイズ 基本ルール
  • ピッチサイズ6m~8m程度の正三角形
  • ピッチ内で3対1のロンド
攻撃側ルール 守備側ルール
  • 各選手頂点から半径1m程度周辺のみでプレー
  • 1タッチでプレー
  • パスカットで攻撃と交代

攻撃は必ず1タッチでプレーしなければならず、守備の動きを認知することが必要になります。逆に守備も攻撃の目線や動きから予測してパスカットを狙う必要があります。

このとき、ピッチサイズが狭すぎると守備範囲が狭くなり、2つのパスラインを同時に管理することができます。そうなると攻撃が達成できる認知の要素が減るため、少し攻撃側に有利なピッチサイズにする方が良いでしょう。

4対1ロンド

オーガナイズ 基本ルール
  • ピッチサイズ5m~8m程度の四角形
  • ピッチ内で4対1のロンド
攻撃側ルール 守備側ルール
  • 攻撃は足で1球、手で1球保持する
  • 足のボールは1タッチでプレー
  • 手のボールは落とさないように保持
  • 手のボールを持っている選手は足のボールでプレーできない
  • 足や手のボールに触れるまたは手でボールを保持している選手に触れることで攻撃と交代

4対1で手のボールを持つ選手は足のボールを触れることができないため、実質的には3対1になります。

攻撃、守備ともに誰が手のボールを保持しているかを認知しなければなりません。また、手と足の2つのボールを同時に使用しているため、選手の認知に負荷をかけるようなルール設定になっています。

ポイント

個人戦術の強化を求める際には、3つのポイントがあります。

 攻撃側の選択肢を狭くすること
 必ず1つは選択肢が残っていること
 攻撃側が少しだけ有利な設定にすること

ルールが限りなく少ない場合、選手には多くの選択肢が与えられてると言えます。その場合、選手は最初に決めた選択肢を変えられない可能性があります。あまり考えずにプレーしてしまうということです。

そこに制限を加えることによって選手の選択肢を減らしてあげることで、その中から選ぼうとする行為が出てくる可能性があります。選手のレベルに応じて、考えられる選択肢を事前に共有しておくのもよいでしょう。

また、限定した選択肢に対して、選手が選べることが重要です。守備側にすべての選択肢を防がれてしまえば「認知・決断・実行」のプロセスは成り立ちません。

このようなトレーニングの目的は個人戦術(認知・決断・実行)としています。必要以上に技術(数センチ単位のパス、プレスがかかっている相手を外す力等)が求められなくても、「認知・決断・実行」のプロセスを適切に行えば攻撃側がボールを保持できる状態を作ってあげることが良いでしょう。

目的3 チーム戦術の強化

次に、チーム戦術を強化したい場合について考えます。

使い方としては、メインテーマのトレーニングの前に、導入として行う場合が想定されます。それでは、具体的なメニュー例をご紹介します。

3対2ロンド+ターゲット1人

 

オーガナイズ 基本ルール
  • ピッチサイズ10m×10m程度の四角形(長方形でも可)を縦に半分に分割する
  • 3対2+ターゲット1人のロンド
攻撃側ルール 守備側ルール
  • ターゲットはボールのないサイドのグリットの奥ライン上でプレー
  • パス3本繋いだらターゲットにパスできる
  • ターゲットにパスしたら攻撃2名と守備2名がグリット移動
  • 1.5往復したら攻撃側の勝ち
  • 2人ともボールのあるグリットに位置
  • ボールを奪い、攻撃側のターゲットにパスで守備側の勝ち

このトレーニングのテーマは「PIVO当て攻撃」を想定しました。ターゲットをPIVOと見立てた設計になっています。

上記メニューは基本です。PIVO当て攻撃の中により細かい課題があると思いますが、その課題を解決するために更なる設定も必要になるかもしれません。

  • PIVO当てを1タッチで入れさせたいとき → ターゲットへのパスは1タッチに制限 等
  • PIVO当て後のサポートを早めたいとき → ターゲットにタッチ制限、当てた選手はターゲットとして残る 等

2対1ロンド

オーガナイズ 基本ルール
  • ピッチサイズ20m×20m程度(人数に応じて狭くしたり広くしたりする)
  • 3人組を作り、同じピッチ内で全てのグループが2対1を実施
攻撃側ルール 守備側ルール
  • タッチ制限はなし
  • 攻撃側選手が他グループのボールに当たった場合、自グループのボールが他グループのボールまたは人に当たった場合は守備と交代(守備側の申告制とする)
  • ボールを奪い、奪われた選手ではない方にパスしたら攻撃と交代
  • 攻撃側の選手が他グループのボールに当たる、自グループのボールが他グループのボールや選手に当たった場合は攻撃と交代
  • 他グループのボールが当たった場合は罰ゲーム(腕立て伏せ3回等)

このトレーニングのテーマは「トランジション守備」を想定しました。数的不利時のパスラインの限定や寄せ方、相手の誘導などができるようにイメージしています。

少しルールが複雑ではありますが、攻撃側は他グループとの接触ができないため、「認知・決断・実行」のプロセスも求めることができます。

また、3対2にすることで、守備側のどちらの選手から寄せるかを決めなければならず、「誘導」の要素が強まります。実際の3対2のカウンターの守備でも、どちらの選手から寄せるのかがはっきりしない場合があり、実際の試合の状況を作り出せていると考えます。(ここではプレーモデルとしてどちらから寄せるということではなく、2人のコミュニケーションとしての連携を強化するということです)

ポイント

チーム戦術の強化を求める際には、1つのポイントがあります。

 メインテーマの状況が起きる設定を作り出すこと
最も重要であり、非常に難しいと言えます。そのためには、まずはチームの課題や達成したい内容を整理する必要があります。メイントレーニングの前に導入としてのトレーニングができれば、選手の理解度が高まる可能性があります。いろんなトレーニングを考えてみてください。

 

まとめ

今回、目的別に応じたロンドのメニュー例をお伝えしました。ロンドをトレーニングに導入することで、以下のような目的を達成できます。

1.ウォーミングアップとすることができる
2.個人戦術の強化ができる
3.チーム戦術の強化ができる

なお、トレーニングにロンドを必ず実施すべきということではなく、ロンドも選択肢の一つにすぎません。よく実施されるロンドだからこそ、目的を考え、その目的に合ったメニューを実施していただければと思います。

今回は以上になります。ありがとうございました!

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