みなさんこんにちは。
これまでF1の前半戦のチーム分析を実施してきました。Fリーグは再開しましたが、F1の全12チームについて、中断前の9試合の分析を続けて行います。今回は第10弾、立川アスレティックFCです。ぜひご覧ください!
以下はこれまでのチーム分析です。併せてご覧ください!
立川アスレティックFC 戦績
まず最初は立川の9試合の戦績についてです。立川は6勝1分2敗の勝点19の3位で中断期間に入りました。
節 | 日時 | 相手 | H&A | スコア |
1 | 2024/06/01 | バサジィ大分 | HOME | 3○2 |
2 | 2024/06/08 | ヴォスクオーレ仙台 | AWAY | 4○0 |
3 | 2024/06/16 | シュライカー大阪 | HOME | 5○1 |
4 | 2024/06/22 | ボルクバレット北九州 | AWAY | 7○2 |
5 | 2024/06/29 | Y.S.C.C.横浜 | HOME | 3○1 |
6 | 2024/07/06 | フウガドールすみだ | AWAY | 3⚫︎6 |
7 | 2024/07/13 | 湘南ベルマーレ | HOME | 3○2 |
8 | 2024/07/20 | ペスカドーラ町田 | AWAY | 3△3 |
9 | 2024/07/27 | バルドラール浦安 | HOME | 0⚫︎6 |
それでは、具体的に得点や失点の傾向について分析していきたいと思います。
立川アスレティックFC 得点傾向
まずは立川の得点についてです。
立川は9試合で31得点でリーグ5位となっています。内訳としては、定位置攻撃が12点(38.7%)、セットプレーが5点(16.1%)、トランジションが10点(32.3%)、特殊局面が4点(12.9%)となっています。
立川の得点の傾向としては、定位置攻撃とトランジションで多くの得点を重ねていることです。特にトランジションについてはリーグ最多得点となっており、今シーズン力を入れている部分であると思われます。
今シーズンの立川の得点者の内訳を見ると、以下のようになっています。
中村選手の得点力が目立ちますが、3得点以上を挙げている選手が合計6選手います。6選手いるのは名古屋と町田、そして立川の3チームでリーグ最多となっています。中村選手が得点源になったことは間違いないですが、いろんな選手がいろんな局面で得点を挙げられているところが立川のストロングポイントになっています。
ここ3シーズンの1試合平均得点数の比較をすると、以下のようになっています。
これまでの2シーズンで1試合平均得点数は3点程度でしたが、今シーズンは3.44とサバス監督体制に代わってから得点力が増加しています。リーグ内でもトップの得点数を挙げている定位置攻撃とトランジションの得点がこれまでのシーズンと比べても増加しています。サバス監督はライセンスの問題でコーチになりましたが、戦術等に変化はないと思われますので、今後もその傾向は継続していくでしょう。
また、昨シーズンリーグ得点王となった新井選手がしながわに移籍したことは非常に大きな痛手になると思われましたが、むしろ昨シーズンよりも1試合平均得点が多く、得点王の移籍を感じさせないシーズンになっています。
立川アスレティックFC 失点傾向
次に立川の失点についてです。
立川は9試合で23失点で、リーグ6番目タイの数字となっています。失点の内訳としては、定位置攻撃が5点(21.7%)、セットプレーが3点(13.0%)、トランジションが7点(30.4%)、特殊局面が8点(34.8%)となっています。
立川の失点の傾向としては、トランジションと特殊局面での失点割合が高いこと、定位置攻撃やセットプレーでの失点傾向が低いことです。
定位置攻撃についてはしながわと湘南に次ぎ、大分と並んでリーグ3位、セットプレーについては浦安に次いでリーグ2位の結果になっています。
一方で、トランジションについては3チームで並んで2番目に多く、特殊局面は4チーム並んで2番目に多い結果になっています。
特殊局面についてはパワープレーとパワープレー返しでそれぞれ3点、GK活用で2点と突出して多いものはありません。
3シーズンで比較した際には、失点数は1試合平均約0.5点減少していますが、定位置攻撃とセットプレーでの減少がその数字に表れています。
逆にトランジションと特殊局面での失点数は大きな変化はなく、リーグ内でも多い傾向にありますがその数字は昨シーズンから大きく変化はないと考えられます。
今シーズンは、新井選手や菅谷選手などの主力の退団がありましたが、攻撃でも守備でも数値は上昇し、主力が抜けてもチームは機能、向上していると言えます。
前半戦9試合総括
昨シーズンはレギュラーシーズンは6位でなんとか上位リーグ進出を決め、ファイナルシーズンで勝点を重ね最終順位は3位となった立川。昨シーズンは金澤選手、今シーズンは新井選手などエースが移籍してしまう苦しいチーム事情があると思われます。加えて今シーズンは比嘉監督も退任し、しながわの新監督になったこともあって、厳しいシーズンになることも考えられていたのではないでしょうか。
しかし、それを見事に裏切り、開幕6連勝と好スタートを切ることができています。中断前は上位の町田、浦安に勝利することはできなかったものの、浦安と勝点差3のリーグ3位の好位置で中断期間に入ることができている立川の今シーズンの戦い方について分析したいと思います。
縦に速いトランジション
今シーズンの立川の特徴としては、トランジションの速さが目立つことです。ボールを奪った後に素早くゴールを目指し、その上でしっかりと人数をかける厚みのあるトランジション攻撃ができています。さらには前向きにボールを奪い切れるシーンが多いこともトランジション得点の多い要因でしょう。
バランスの良いセット構成
今シーズンの立川はセット構成のバランスが良く、定位置攻撃での得点が非常に伸びる結果になっています。3-1と4-0を併用しながら、最前線で起点となれるPivoの選手、1対1を仕掛けられる選手、アウトサイドから強烈なシュートを打てる選手、右サイドで起点になる左利きの選手など、多くのキャラクターの組み合わせが良い傾向が見えます。その個性をどう活かすか、サバスコーチの采配がうまくいっていることもわかります。
また、今シーズン特に活躍が目立つのは南雲選手と酒井選手です。南雲選手はフリーランニングや状況判断が特徴の選手ではありますが、今シーズンはそれだけでなく得点やアシストといった得点に直結するプレーも増えている印象です。活躍が認められて日本代表にも選出されており、立川を支える選手になっています。酒井選手については、守備で特徴のある選手の印象がありましたが、今シーズンは攻撃においても相手に脅威となる仕掛けで得点に絡んでいます。酒井選手はプレーを見ていると気迫が伝わってきており、自信も伺えます。チームを引っ張る両選手の活躍に今後も期待したいと思います。
追い上げられる後半
立川の傾向としては、後半の失速があります。得点は前半が18で後半が13、失点は前半が7で後半が16となっています。
懸念されることとしては、失点の部分でしょう。後半の失点の内訳としては、定位置攻撃が4点、セットプレーが1点、トランジションが3点、特殊局面が8点となっています。パワープレーは試合終盤に実施することが多くなるため特殊局面の割合が高いのは自然なことではありますが、試合の終盤にフィジカルがかなり低下している可能性があります。
トランジションで人数をかけて戦っていることもあってなかなか難しいところですが、後半の失点を減らすことでより勝点を多く得ることができるのではないでしょうか。若い選手も多く、また多くの選手に出場機会を与えている印象ですので、そのような選手の台頭が重要なポイントになるでしょう。
今後の展望
3位で中断期間を迎えた立川、毎年主力選手の退団があって苦しいチーム事情であると想像されます。それでも中断前3位と、非常に健闘しています。2023-2024シーズンは3位、2022-2023シーズンは2位と、立川アスレティックFCになってから優勝まであと一歩のところまできており、悲願の初優勝を目指す戦いになってきます。
そんな立川の今後の展望ですが、定位置攻撃とトランジション攻撃が武器となっている現状の強みをさらに伸ばしていくことで優勝を狙うものと考えられます。定位置攻撃については4-0と3-1を併用しながら、Pivoの活用、サイドでの1対1、外側からのミドルシュートなど手数が多く、いろんな選手が得点を挙げられています。トランジションではボールを奪った後に人数を多くかけられており、素早くさらに迫力のある攻撃ができています。今後はその質や連携をより高めていくことが勝点獲得につながるのではないでしょうか。
一方課題としては、後半の戦いです。前半に比べて得点が減り、失点が多くなっています。強度の高い試合を前半から繰り広げますので、後半のフィジカルコンディションに影響が出ているのかもしれません。その部分の解決策としては、より多くの選手がピッチに立つことではないでしょうか。これまでも上村選手や皆本選手が中心となってチームを引っ張っていましたが、今シーズンは酒井選手や南雲選手チームを引っ張る選手が増えたように思います。若い選手も多くいますので、その選手たちの影響を受け、若手の成長も見込めるのではないでしょうか。
まとめ
今回は3位で中断期間を迎えた立川について分析しました。主力選手の移籍や監督交代があったことから、ここまで上位争いをするとは正直思っていませんでしたので、良い意味で期待を裏切る成績となっています。毎年のように主力選手が移籍してしまう分、長く在籍する選手の自覚が芽生え、それがプレーにも現れているように感じられます。
中断後はしながわ、名古屋との上位対決となっており、しながわに対しては引き分けで優勝に向けては最低限の結果と思われます。現状4位で5位名古屋との勝点差は2、逆に首位浦安との勝点差は3と、混戦な状況となっています。まずは名古屋に対して、相手にボールを持たれる時間は長くなるかもしれませんが得意のトランジションなどでどれだけ対抗するか注目したいと思います。
それでは今回は以上になります。また次回のチーム分析をお楽しみに!ありがとうございました!
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