みなさんこんにちは。
Fリーグチームの2022-2023シーズンの分析、2023-2024シーズンの展望について解説しています。これまでの記事は以下のリンクからご覧ください。
今回はボアルース長野です。中断前8試合の解説記事は以下のリンクから併せてご覧ください!
2022-2023シーズンボアルース長野の結果
2022-2023シーズン、ボアルース長野は3勝0分19敗の勝点9、得点36、失点82という結果で12位となり、入替戦でしながわシティに敗れ、F2降格となってしまいました。
得点数はリーグ11位タイと大分と並んで最下位、失点数はリーグ10位という結果になっています。昨シーズンで4年連続の最下位になり、入替戦にも敗れてF2降格となった長野。昨々シーズンはシーズン終盤に山蔦コーチが指揮を執る体制に変更して入替戦を勝ち抜き、その体制を継続して挑んだ昨シーズンでしたが、得点や失点の数字上は昨々シーズンよりも若干後退する結果になりました。
昨シーズンは最終節まで大分と残留争いを繰り広げましたが、勝点差1で入替戦に回ることになりました。3勝のうち、北九州に2勝、北海道に1勝となりましたが、最も痛かったのは大分相手に2連敗してしまったことだと思います。結果論になりますが1試合でも勝点を取れていれば状況は大きく変わっていたと思います。もう1つ痛かったのは、第21節の立川戦で終了間際に勝ち越しを許し、敗れたことです。あと5秒守り切れていれば、残留の可能性は高まっていたでしょう。
また、長野は19試合の敗戦のうち、8試合が1点差での敗戦となりました。
節 | 相手 | スコア |
3 | 浦安 | 4⚫︎5 |
5 | 湘南 | 2⚫︎3 |
7 | 横浜 | 4⚫︎5 |
11 | 町田 | 1⚫︎2 |
12 | 名古屋 | 2⚫︎3 |
13 | 北海道 | 2⚫︎3 |
21 | 立川 | 1⚫︎2 |
22 | 町田 | 0⚫︎1 |
このうち1試合でも引き分けにできていれば…ということは結果論です。ただ、他のチームと比較してその勝負強さが足りなかったということは言えるかもしれません。
今シーズンはF2での戦いになりますが、全く違う戦い方になる可能性があります。ある程度ボールを握ることもできる試合が多くなるでしょう。逆の立場になるシーズンだと思いますが、どのような戦い方をするのか見てみたいと思います。
ボアルース長野の得点
それではボアルース長野の得点について解説したいと思います。
シーズンを通して36得点中定位置攻撃が9点、セットプレーが9点、トランジションが10点、特殊局面が8点となっています。
長野の得点は4局面での得点数がほぼ均等になっています。定位置攻撃はリーグ最下位の9点、セットプレーはリーグ9位タイの9点、トランジションはリーグ10位タイの10点、特殊局面はリーグ9位の8点です。特殊局面については8点のうち7点がパワープレーでの得点でした。もちろんパワープレーをする機会は他のチームに比べて多いと思いますが、パワープレーを武器に戦っていた印象はあります。
今シーズンについては、パワープレーをする回数は少なくしたいと考えるはずです。そうなったときに、パワープレー以外の武器を作る必要があります。
攻撃に関して最も力を入れたいのはセットプレーだと考えます。定位置攻撃はリーグ最下位でF1相手にはなかなか機能しなかったと言えます。F2ではF1時代よりも長野が定位置攻撃で攻め込むことは間違いなく増えると思いますが、そう簡単に向上するものではありません。何とかして1年で再昇格したいと考えていると思いますので、再現性が高く習熟しやすいセットプレーの得点を増加することが特にシーズン序盤は重要になると考えます。
中断前8試合とシーズン22試合との比較です。
中断前と比較して、定位置攻撃とセットプレーでの得点が減少し、トランジションと特殊局面での得点が増加しています。トランジションについては3倍以上になっていています。中断前後で大きな戦い方は変わっていないように思いますが、中断期間で改めてトランジションが再確認されたかもしれません。
ボアルース長野の失点
次は失点についてです。シーズンを通して、定位置攻撃が30点、セットプレーが16点、トランジションが20点、特殊局面が16点の合計82点となっています。
失点においては、定位置攻撃がリーグ最下位、セットプレーがリーグ8位、トランジションがリーグ8位タイ、特殊局面がリーグ10位タイの数字になっています。定位置攻撃での失点が他チームと比較して非常に多くなっています。相手の定位置攻撃に対して耐えることができず、失点が増加してしましました。定位置攻撃での30失点中、18点がPivo当て時の失点です。来シーズンにおいても。相手のPivo攻撃への対抗が課題の一つと言えます。
また、特殊局面での失点も多くなっています。
パワープレーでの失点が5点あります。そこまで相手のパワープレーを受ける機会は少なかったと思いますが、その中で5失点は少し多いかなと思います。
節 | 相手 | 失点前のスコア | 最終スコア |
8 | 北九州 | 2○0 | 2○1 |
13 | 北海道 | 2○1 | 2⚫︎3 |
13 | 北海道 | 2△2 | 2⚫︎3 |
19 | 北九州 | 3○1 | 6○2 |
21 | 立川 | 1△1 | 1⚫︎2 |
実際に同点またはリードのタイミングでパワープレーを受け、北海道、立川にパワープレーで失点して敗れるという結果になっています。
もちろん、現実的に考えてパワープレー守備の優先順位が低くなるのは仕方ないことだと思います。逆に今シーズンはパワープレーを受ける機会は増えると思いますので、注力すべきポイントの一つかなと思います。
中断前8試合とシーズン22試合との比較です。
中断前8試合とシーズン22試合では定位置攻撃の割合が増加し、セットプレーの割合が減少しています。トランジションと特殊局面の割合は大きな変化はありません。
定位置攻撃での得点が減少し、失点が増加していることから、中断期間や中断明けには定位置攻撃にはあまり注力していなかったのではないかということが伺えます。トランジション攻撃については注力したものの、失点については大きな変化はありませんでした。中断期間における注力した内容を予測した限りにおいては、トランジションでの得点が増加していることから失点も相乗効果で減少していればというシーズンだったかもしれません。
入退団情報
今シーズンのボアルース長野の入退団情報ですが、主力選手の退団や引退が多くあったオフシーズンとなりました。
Y.S.C.C.横浜に田村選手、マルバ水戸に増山選手が移籍し、山口選手、田口選手、山田選手が引退となりました。今回の退団、引退選手は主力で活躍していた選手が多く、非常に痛いことだと思います。
一方新加入選手としては、バサジィ大分から橋野選手、バルドラール浦安から三笠選手、湘南ベルマーレから藪内選手が加入しました。下部組織からの昇格選手もいます。特に三笠選手の加入は大きいでしょう。オーシャンカップでは町田相手に2得点と活躍しただけではなく、浦安では守備のスペシャリストとして貢献しました。良いFixoを補強できたということで、米村選手と三笠選手の2人により守備に安定感が出るでしょう。より圧力をかけたいときは三笠選手をFixo、米村選手をAlaで起用することもあり得るのではないでしょうか。
2023-2024シーズン展望
今シーズン、長野は舞台をF2に移し戦うことになります。もちろん目標は1年でのF1復帰でしょう。前述の通り、F1とF2では戦い方が異なることが予想されます。F1では守備に回る時間が多かったと思われますが、F2になると自分たちがボールを保持し、アクションを起こす必要があります。そう考えたときに、やはり自分たちが主導権を握る定位置攻撃とセットプレーが重要になり、その中でもセットプレーが特に重要だと考えます。
主力選手の退団や引退もありましたので、なかなか定位置攻撃を短期間で改善することは難しく、シンプルにシュートを狙う形を採用しながらセットプレーを獲得していくということが正攻法だと思います。相手が長野相手に守備に重きを置いて戦う可能性もありますので、その状況を打開できるセットプレーの向上が不可欠になります。
また、パワープレー攻撃および守備も注力するポイントかなと思います。まず今シーズンはパワープレーを受ける機会が多く考えられます。そこで失点をして勝点を失うことは避けたいところです。また、シーズンで当然ビハインドで試合終盤を迎えることはあります。そのときに勝点をパワープレーによって拾えるかは重要なポイントです。パワープレーで出場していた田村選手、田口選手、増山選手、山田選手が退団したことにより、戦術の変更も必要かもしれません。特に左利きは田口選手と山田選手がいなくなったのでどうするか、実質続投の山蔦監督の采配に注目したいと思います。
ボアルース長野のF2初戦は、リガーレヴィア葛飾と開幕戦で対戦します。葛飾はF1クラブからも含めて大型補強でかなり選手が入れ替わっています。長野はF1での経験を活かし、さらにパワーアップして戦うことができるか、F1昇格に向けて良いスタートを切れるか、開幕戦は勢いに乗る上で非常に重要です!
それでは今回は以上になります。ありがとうございました!
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