#54 フットサルパワープレー守備概要

パワープレー

みなさんこんにちは。

フットサルは定位置攻撃→トランジション守備→定位置守備→トランジション攻撃と、4つの局面が変わりながら試合が進んでいきます。

詳細については、以下のフットサル構造について解説している記事をご覧ください。

その4つの局面の他には、セットプレーと特殊局面の局面があり、特殊局面のうちパワープレーは高いレベルのフットサルの試合であればほとんどの試合で行われます。パワープレーはこれまでの試合の流れを断ち切ることができる、重要な局面になります。

今回は、特殊局面であるパワープレーの守備について解説していきたいと思います。

パワープレーとは

まず、パワープレーについて解説していきます。

パワープレーとは、攻撃側GKが相手陣地に侵入して攻撃に参加し、5対4の状態で試合を進める局面のことです。通常はFPが4対4ですから、その局面と比較して特殊な局面になりますので特殊局面のうちの一つになります。

また、パワープレーは本職がFPの選手がGKのユニフォームを着用してプレーするものと、本職のGKがそのまま上がってプレーするものがあります。

パワープレー守備のポイント

フットサル守備のポイントを解説します。

スペースを埋めて守る

1つ目のポイントは、パワープレー守備は基本的には引いてスペース埋めて守ることです。その理由としては、前からプレスを仕掛けた場合には、広いスペースで数的不利で守らなければなりません。ですので、一般的には守備ラインを下げてスペースを消し、お互いにカバーできる状態を作って守ることが基本になります。

もちろん前からプレスをかけてボールを奪いに行く選択をとることもありますが、突破されて簡単に数的不利を作られてしまう可能性があることから、相手が良い状態の際には引いてブロックを作ることが無難であると考えます。

パスラインを限定する

2つ目のポイントは、パスラインを限定して局面数的同数を作ることです。守備の配置は大きく分けて1-2-1のダイヤモンド型と2-2のボックス型の2つがありますが、どちらの配置でもパスラインを限定して守ることが重要になります。

最初から数的不利のパワープレーですから、少なくとも1つのパスラインを限定し、数的同数以上を作りだすことが重要になります。そのためにもコンパクトに守ることが大切です。

パワープレー守備の種類

パワープレー守備の種類は、大きく分けて2つの分類があります。1つ目の分類は守備の配置、2つ目の分類はスタンスです。その2つの分類について解説していきます。

配置の分類

まず1つ目の分類は、守備の配置によるものです。スタンダードな配置は、1-2-1のダイヤモンド型と、2-2のボックス型の2種類です。それぞれについて解説します。

ダイヤモンド型(1-2-1)

まず1-2-1のダイヤモンド型の配置です。こちらの守り方が多くのチームが採用している配置ではないでしょうか。

図のように、両角の相手に対してFixoが1人で2人の対応をする形になります。前の数を合わせて、後ろはボールにはFixoが対応し、逆の角はそのサイドのAlaの選手がスライドして守る形です。

ダイヤモンド型(1-2-1)は、4人全員がスライドする必要があるため全員に機動力が必要になります。

ボックス型(2-2)

次は2-2のボックス型です。前列に2人、後列に2人の配置になります。

ボックス型は、後ろは人が揃っていることが多くなり、また前の選手は二度追いも必要で、多くのスライドが求められます。

ボックス型はあまり旋回せず、前2人の機動力を活かし、後ろの2人がカバーリングしながら対応する形になり、前と後ろの役割が異なることになります。

スタンスの分類

2つ目の分類は、守備のスタンスです。引いて守る守備をするか、ボールを奪いに行く守備をするかのどちらのスタンスを取って守るかについてです。

引いて守る守備

まず最初は、引いて守る守備についてです。引いて守る守備は自分たちが設定した守備ラインに相手が侵入してこない限りはボールにプレッシャーをかけません。

メリットとしては、確実にスペースを埋めることができるため、守備5人の距離が近く、カバーリングやスライドが容易になります。

一方でデメリットとしては、アウトサイドからのパスやシュートに対応しずらくなることがあります。プレスがかからない状態ですので、設定した守備ラインより低い位置では相手に自由を与えることになります。

例えば、ボアルース長野のパワープレーにおいて、米村選手がアウトサイドからのシュートパスで得点を奪うシーンがあります。

このシーンではブロックが入っているので少し異なるかもしれませんが、ボールホルダーに制限がかかっていない状態から速いシュートやパスが来るということは想定されます。

メリット カバーリングやスライドが容易
デメリット 相手に自由を与えてしまい、アウトサイドからのパスやシュートに対応しずらい

ボールを奪いに行く守備

次に、ボールを奪いに行く守備についてです。

数的不利ではありますが、相手ゴールはがら空きなので、ボールを奪い、ゴールを奪いに行きたい場合に採用されます。

先日のFリーグ入替戦、長野対しながわでは、長野がパワープレーを仕掛ける時間が多くありましたが、しながわはボールを奪いに行く守備を採用していました。これは相手に自由にさせたくなかったことに加え、得点を奪いたかったからだと考えます。

まず最初は積極的にボールをプレスをかけるタイミングとしては、ボールが相手最後尾のサイドに入ったタイミングでプレスを開始することが基本になります。

中央にあるときにプレスをかけたときに、相手は両サイドに逃げ道がある状態になります。それでは対応が難しくなりますので、サイドにボールがあるタイミングで逆サイドへのパスラインを切りながらプレスラインを上げていくことで、局面数的同数以上を作り、相手の自由を奪うことが可能になります。

ボールを奪いに行く守備をするメリットとしては、当然パワープレー返しでゴールを奪える可能性があることです。

一方でデメリットとしては、逆に回避され、スペースがある状態でシュートを打たれる可能性があることです。先日の入替戦の第2戦の長野の2点目はまさにこのようなシーンでした。

メリット ボールを奪い、ゴールを奪える可能性が高まる
デメリット 回避されれば失点する可能性が高まる

ボールを奪いに行く守備は、得点が取れる可能性がある一方で、失点する可能性もあるハイリスクハイリターンな守備と言えます。

まとめ

今回は特殊局面であるパワープレー守備について解説しました。パワープレーとは、攻撃側GKが相手陣地に侵入して攻撃に参加し、5対4の状態で試合を進める局面のことです。

高いレベルの試合では、ほとんどの試合でビハインドのチームはパワープレーで得点を狙います。相手にボールを持たれ、常に数的不利の展開になりますので、やはりトレーニングは必要になります。

パワープレーの守備には、配置スタンスの分類があります。配置としてはダイヤモンド型とボックス型があり、スタンスとしては引いて守る守備ボールを奪いに行く守備があります。

対戦相手や自チームの状況に応じてどのように守るかを決めていく必要があります。詳しい内容については改めて解説したいと思います。

今回は以上になります。ありがとうございました!

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