#45 ボランチ トレーニングメニュー

定位置攻撃

みなさんこんにちは。

前回はラインカットのトレーニングメニューを紹介しました。

今回はボランチのトレーニングメニューを紹介したいと思います。

ラインカットやボランチの解説記事は以下をご覧ください!

ボランチのトレーニングメニュー

ラインカットとボランチについてのおさらい

まず、ラインカットとボランチについて簡単におさらいします。

ラインカット、ボランチはともに攻撃時に2列目に位置している選手が相手守備1列目に侵入することです。両者の違いはラインカットはボールと逆サイドから、ボランチはボールと逆サイドから侵入することです。

目的もともに相手守備者を迷わせることで相手守備ラインを超えることですので、トレーニングメニューもラインカットと似たものも可能です。

それを踏まえた上で、ボランチのトレーニングメニューを紹介します。

導入期のトレーニングメニュー

まずは導入期、すなわち初めてボランチを本格的に導入する際のトレーニングメニューになります。

この時にはまずはどのような動きをするかということを選手に理解させることが重要ですので、ラインカットと同様、アナリティックトレーニング(反復トレーニング)でスタートするのが良いと思われます。

スクエアパス

最初にスクエアパスを紹介します。ボランチの動きの習得を目的とします。

パスを出した選手がボランチに入り、キーパス後に逆サイドの選手が高い位置を取るようにします。キーパス後、エスケープして中央でパスを受けます。赤の選手からスタートし、3人が関与して黄色の選手にパスを出すまでが一連の動きとなり、黄色の選手が次の選手にパスを出して同じ動きをします

ポイントは、キーパスを出す選手が相手を引き付け、ボランチに入る際にキーパスを出す選手のマークの近くを通ることです。マーカーを相手に見立て、その距離感をつかむことが重要です。

ここでは、ボランチの動きに特化していますので、動きの反復をしながら細かい動きの角度やスピードの調整も必要だと思います。

シュート

ボランチの動きがある程度習得できた後には、相手なしのシュートでボランチからゴールを奪う局面の習得を試みます。

#43 フットサル攻撃戦術 ボランチのデザインプレーで紹介したキーパスから3対2を作る形や、ワンツー、PIVO当ての形等が一般的です。他のシュートパターンもありますので、導入期にはその形のトレーニングが有効になります。

成長期のトレーニングメニュー

次には成長期、すなわちボランチの概要は選手が理解し、試合で使っていくための少し実践的なトレーニングになります。

ボランチを使用した2対1、3対2

次は相手をつけて判断を伴った中でボランチで突破を狙うトレーニングです。

ルール



・ハーフコートで攻撃側がハーフライン上サイドから5m、サイドライン上
 ハーフラインから7mの配置、守備側がサイドライン上ハーフラインから5mの配置
・サイドの攻撃側がハーフライン上の味方にパスをしてスタート
・攻撃は必ずボランチでスタートする(ボランチした選手にパスするかは自由)

マイナスのパスからボランチに侵入する形を作っています。ボールホルダーに対峙する相手の守り方に応じて、キーパスを出すかドリブルで運ぶかの選択をすることになります。ボランチの使用方法はある程度理解している状況において、相手に応じた判断の要素を加えています。

また、2対1に条件を加え、3対2も実施することができます。

ルールは2対1と同様です。サイドライン上の選手からパスを受けたハーフライン上の選手は、ボランチの選手を使うこと、ドリブルで運ぶことに加え、逆サイドの選手にパスを飛ばすことも可能になります。

逆サイドに飛ばす際は、ボランチに侵入してくる選手が少し遅れているまたは速すぎるときで、タイミングが合わなかったときです。ボランチはキーパスを出す選手とボランチに侵入してきた選手が近いタイミングで実施することが必須になりますので、そのタイミングが合わないと逆に飛ばして新たに攻撃の突破口を探りましょう。

3対3+GK

次に3対3+GKで両サイドにゴールを置いた状態でボランチの現象を作り出すトレーニングです。これはラインカットでも同様の形式で紹介しましたが、同じ形でボランチでも活用可能になります。

ルール


・20m×30mのピッチを3分割し、両ゴールを配置
・全てクリアランスからスタートし、攻撃1人は中央ゾーンのサイドらスタート
・守備は中央ゾーンから、GKからリリースされたらスタート

このように、初期配置を指定し、クリアランスのオープニングでボランチを使った攻撃の成長を促すトレーニングになります。最初のアクションがボランチであることは指定しますが、その後の選択は選手の決断に委ねています。

また、ラインカットと同様に、20m×20mのピッチで実施すれば、よりゴール前でのフィニッシュの局面を作り出すことができます。

ルール


・20m×20mのピッチを2分割し、両ゴールを配置
・相手陣地側のキックインからスタート
・守備は自陣から、キックインからリリースされたらスタート

成熟期のトレーニングメニュー

次はある程度試合でも使える状況になっている際に、より精度を高めるための成熟期にあるときのトレーニングメニューです。

6vs6ゲーム形式

ルール



・20m×40mのピッチでFP5対5の6対6のゲーム形式
・ボールがハーフラインを超えたら攻守ともに1人はハーフを超えられない
 (攻撃側相手陣地ではFP4対4)
・攻撃側は常に相手陣地に1人配置していること(PIVOが降りてこない)

FPを1名増やして6対6としています。ここで起こることは、FPが5人いることによりPIVOが固定されることと、ボールの前に1人いる状況がよくできます。

ラインカットもそうですが、2列目から1列目に侵入することが重要です。その配置を意図的に両サイドで作りだすことによって、ボランチやラインカットの状況を多く作ることができます。当然、シンプルにPIVOを活用したり、PIVOのいないサイドの背後を狙うこともできるため、状況に応じてボランチやラインカットを使う判断を選手に任せながらゲームをします。

ボランチトレーニングメニューまとめ

今回は、ボランチのトレーニングメニューを紹介しました。

今回はボランチ、前回はラインカットのトレーニングメニューでしたが、両者は同じようなトレーニングだったと思います。少しの変更でボランチとラインカットは変えることができますし、成熟期のトレーニングでは両方を一気にトレーニングすることが可能です。これは、ラインカットとボランチが似たアクションで、狙いも似ているということが言えます。

よって、ラインカットとボランチはどちらか一方だけよりも、両方をある程度導入することが理想であると考えます。ボールサイドか、ボールと逆サイドのどちらから1列目に侵入するかということですので、状況に応じた使い分けが可能になります。

5回にわたってラインカット、ボランチを解説してきました。なんとなくやり方や動き方だけでなく、タイミングや距離、角度等の細かな重要なポイントについて解説してきました。参考にしていただければと思います。

それでは今回は以上になります。ありがとうございました!

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