みなさんこんにちは。
これまでF1の前半戦のチーム分析を実施してきました。Fリーグは再開しましたが、F1の全12チームについて、中断前の9試合の分析を続けて行います。今回は第11弾、ペスカドーラ町田です。ぜひご覧ください!
以下はこれまでのチーム分析です。併せてご覧ください!
ペスカドーラ町田 戦績
まず最初は町田の9試合の戦績についてです。町田は5勝2分2敗の勝点17の5位で中断期間に入りました。
節 | 日時 | 相手 | H&A | スコア |
1 | 2024/06/02 | シュライカー大阪 | HOME | 7○1 |
2 | 2024/06/07 | ボルクバレット北九州 | AWAY | 2○0 |
3 | 2024/06/16 | Y.S.C.C.横浜 | HOME | 6○1 |
4 | 2024/06/21 | フウガドールすみだ | AWAY | 3⚫︎4 |
5 | 2024/06/29 | 湘南ベルマーレ | AWAY | 5○2 |
6 | 2024/07/06 | しながわシティ | HOME | 4△4 |
7 | 2024/07/15 | バルドラール浦安 | AWAY | 0⚫︎5 |
8 | 2024/07/20 | 立川アスレティックFC | HOME | 3△3 |
9 | 2024/07/28 | 名古屋オーシャンズ | AWAY | 4○3 |
それでは、具体的に得点や失点の傾向について分析していきたいと思います。
ペスカドーラ町田 得点傾向
まずは町田の得点についてです。
町田は9試合で34得点でリーグ3位となっています。内訳としては、定位置攻撃が11点(32.4%)、セットプレーが10点(29.4%)、トランジションが1点(2.9%)、特殊局面が12点(35.5%)となっています。
町田の得点の傾向としては、定位置攻撃とセットプレー、特殊局面の3局面でバランスよく得点を挙げ、トランジションでの得点が極端に少ないことがわかります。
定位置攻撃とセットプレーはリーグで3位、特殊局面はリーグ2位タイと、得点の多い3局面はリーグでも上位の成績になっています。
一方トランジションについては1得点でリーグ11位と、リーグ内でも少ない傾向です。
町田の得点の特徴の一つとして特殊局面での得点が多いことが挙げられますが、特殊局面の得点内訳は以下の通りとなっています。
特殊局面の傾向としてはGK活用が5得点となっていて、多くの得点を挙げていることがわかります。
リーグ全体で見ても、首位浦安に次いでリーグ2位の成績となっており、ビゴージ選手が守備だけではなく攻撃の起点になっていることがわかります。
3シーズンの合計得点数を比較すると、以下のようになっています。
昨シーズンと比べると、まず1試合平均得点数が1点以上増加しており、今シーズンの得点力の向上が見られます。局面別で見ても定位置攻撃とセットプレー、特殊局面の得点数は大きく増加し、逆にトランジションの得点は減少していますが、今シーズンは得点傾向がこれまでと大きく異なっていることもわかります。
ペスカドーラ町田 失点傾向
次に町田の失点についてです。
町田は9試合で23失点で、リーグ6番目タイの数字となっています。失点の内訳としては、定位置攻撃が8点(34.8%)、セットプレーが7点(30.4%)、トランジションが1点(4.3%)、特殊局面が7点(30.4%)となっています。
得点同様、定位置攻撃とセットプレー、特殊局面での失点が全体の大半を占め、トランジションでの失点が非常に少ない傾向にあります。
その3局面においては、リーグ内でもかなり多い部類ではありませんが、上位陣と比較して若干多いと言えるでしょう。
3シーズンの失点傾向を比較すると、今シーズンは少し傾向に変化があるように見えます。
1試合平均失点が上昇し、また定位置攻撃とセットプレー、特殊局面での失点が上昇、トランジションが減少しています。これまではトランジションがチーム内では最も多い失点となっておりましたが、今シーズンは逆にトランジションが最も少なく、他の局面と比較しても大きな差をつける結果になっています。
前半戦9試合総括
昨シーズン最終節前までは首位を走っていたものの、最終節に名古屋に逆転され優勝を逃した町田。その悔しさを胸に、初優勝を目指しています。昨シーズンからは守護神ジオヴァンニ選手、Pivoの荒川選手、守備で大きな貢献を見せていた髙橋選手が退団したものの、新守護神ビゴージ選手や森岡選手、毛利選手などの即戦力が加入し、三宅選手のような期待の若手の加入もありました。どちらかと言えば攻撃的な選手が加入したことで、得点の増加の要因の一つとなっていると思われます。その町田について、今シーズンの戦い方について分析したいと思います。
強度の高いプレッシング
町田の最大の特徴としては、昨シーズンから引き続いている強度の高いプレスにあります。マンツーマンをベースにボールに対して常に距離を詰め、相手の自由を奪うことができています。数字で示されるものではありませんが、今シーズンのプレス強度はリーグNo.1ではないでしょうか。
この強度の高い守備によって攻撃の時間を増やすことに成功し、好循環を生んでいると考えます。
素早い前進を目指す定位置攻撃
町田の定位置攻撃としては、素早く前進を目指すプレーで相手ゴール近くでプレーしようとしています。Pivoを活用しながら、相手陣地に押し込んだ後は脅威となる仕掛けでゴールを狙っています。町田のPivoは野村選手、毛利選手、三宅選手とタイプの異なるタイプの選手がいて、押し込まれた状況で仕掛けられる1対1は非常に脅威になっていますので、対町田としてはPivoにボールを配球させない守備が重要になるでしょう。
GK活用での攻撃
町田は積極的にGKを相手陣地まで上げて攻撃を行うGK活用を多用しています。GK活用での得点は5得点と実際に得点を奪えているだけではなく、GK活用で相手にボールを奪われての失点もなく、低リスクで得点を奪えていることがわかります。
GK活用の効果としては、ボール保持の時間を高めることができる点にもありますが、リズムが悪い状況ではGKを使って攻撃することで攻撃の時間を増やし、リズムを再度掴もうとすることができる点もメリットです。町田は素早い前進を試みていますので、簡単に相手陣地に侵入できるGK活用は理にかなっており、今後も継続して実施するでしょう。
ビゴージ選手はシュート力もありますので、相手にとってはビゴージ選手にもしっかりとプレスに行かなければなりません。そうなると他のFPがフリーになる可能性が高くなりますので、非常に機能していると言えます。
森岡薫選手の存在感
今シーズンの町田は、そこまで出場時間が長いわけではありませんが森岡薫選手の存在感が非常に光っています。Pivoではなく主にFixoで出場し、ゲームをコントロールしている印象です。中でも顕著に結果が出ているのはフリーキックです。
今シーズンの町田は、フリーキックでの得点はリーグトップの4得点となっています。
そのセット構成としてはベースが森岡選手、野村選手、山中選手、ヴィニシウス選手の4名で、誰でも得点が奪える4人で、相手にとっては非常に脅威となっています。
また、若手選手もいる中ではベテランの森岡選手の存在は非常に大きく、チームの底上げに起因しているのではないでしょうか。
得失点が少ないトランジション
町田は得点、失点ともにトランジションでのゴールが少ない傾向です。トランジションでの得点が少ない理由としては、前向きにボールを奪えている回数が少ないことと、そもそもマイボールの時間が長いことが挙げられます。今年の町田の印象ですが、自陣のボール付近ではPivoに簡単にボールを供給してプレス回避をするものの、ある程度ボールラインが押し上がると速い攻撃を目指すよりはボールを保持しながらチャンスを伺う傾向にあるように思います。ボールを奪った際にも、少しリスクがあるように見受けられる場合はゴールを目指すというよりもやり直して定位置攻撃を行う印象があります。そのことによってトランジションでの得点が減少した要因の一つではないでしょうか。
一方でトランジションの失点が少ない理由としては、ボールを奪われた直後にボール保持者にしっかりプレッシャーをかけ、素早い攻撃を防いでいることが挙げられます。強度の高い守備にも見えるように、しっかりハードワークすることで相手のトランジションをさせないような守備ができています。また、攻撃においてしっかりシュートで終わることができていることも要因であると考えます。シュートで終わることでセットプレーを獲得できたり、準備できた状態から守備ができているのでしょう。
今後の展望
中断前は5位で終えた町田、ベテランと若手が融合して強度の高い守備を持ち味に、激しい試合を繰り広げています。最大の特徴は強度。リーグNo.1の強度を持つチームの一つです。その強度で相手の自由を奪い、攻撃ではシンプルに前進、フィニッシュを目指すプレーで試合を進めています。
町田の今後としては、昨シーズンからも引き続いて攻守ともにハイインテンシティのスタイルを継続していくことになると思われます。決定的な仕事ができるタレントもおり、若手もチームのスタイルの中でしっかりプレーできています。第9節終了時には首位浦安との勝点差は5でしたが、町田だけは上位チームとの直接対決をすでに終わらせていたこともあり、第10節と第11節を連勝を飾り、第11節終了時点で首位浦安と勝点差3と少し差を縮めることに成功しています。今後の試合についても、チームの武器になる強度で相手の自由を奪い、町田ペースに試合を進められるかが今後のポイントになるでしょう。
まとめ
今回は5位で中断期間を迎えた町田について分析しました。選手の入れ替えはあったものの、チームのスタイルは変わらず、強度の高い試合を展開しています。今後もどの相手に対しても高い強度の守備で自由を奪い、攻撃はシンプルにしていくことで逆転優勝を狙っていくと思われます。
中断後も高い強度で相手の自由を奪い、2試合ともに完封勝ちで上位との勝点差を広げる結果になっています。今後、第12節はしながわ、第13節は浦安、第14節は立川、第15節は名古屋と直接対決4連戦です。この4試合でどれだけ勝点を奪えるか、負けないかが重要になります。町田にとってはこの4試合が今後の行方を左右すると言っても過言ではありません。この直接対決4連戦、注目したいと思います!
それでは今回は以上になります。また次回のチーム分析をお楽しみに!ありがとうございました!
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