みなさんこんにちは。
前回からF1の前半戦のチーム分析を実施しています。今回は第2回、フウガドールすみだです。ぜひご覧ください!
以下はこれまでのチーム分析です。併せてご覧ください!
フウガドールすみだ 戦績
まず最初はすみだの9試合の戦績についてです。すみだは3勝2分4敗の勝点11で7位という状況です。
節 | 日時 | 相手 | H&A | スコア |
1 | 2024/06/02 | Y.S.C.C.横浜 | HOME | 1⚫︎3 |
2 | 2024/06/07 | しながわシティ | HOME | 3⚫︎4 |
3 | 2024/06/14 | 湘南ベルマーレ | AWAY | 2△2 |
4 | 2024/06/21 | ペスカドーラ町田 | HOME | 4○3 |
5 | 2024/06/29 | バルドラール浦安 | AWAY | 2⚫︎3 |
6 | 2024/07/06 | 立川アスレティックFC | HOME | 6○3 |
7 | 2024/07/14 | 名古屋オーシャンズ | AWAY | 0⚫︎9 |
8 | 2024/07/20 | バサジィ大分 | HOME | 3△3 |
9 | 2024/07/28 | ヴォスクオーレ仙台 | AWAY | 3○0 |
それでは、具体的に得点や失点の傾向について分析していきたいと思います。
フウガドールすみだ 得点傾向
まずはすみだの得点についてです。
すみだは9試合で24得点で、リーグ6位となっています。内訳としては、定位置攻撃が9点(37.5%)、セットプレーが6点(25.0%)、トランジションが5点(20.8%)、特殊局面が4点(16.7%)となっています。
すみだの得点傾向は、非常にバランスが良い得点傾向になっています。目立った得点傾向はありませんが、どの局面においても得点を挙げることができています。
昨シーズンとの比較としては、得点バランスが大きく変化しています。
昨シーズンは北隅監督が若手選手を多く起用しながら現実的な戦い方をしてきましたが、今シーズンは岡山監督が就任したことや、星翔太選手、丹羽選手、福田選手といった経験のある選手が加入したことにより、定位置攻撃での得点が増加したものと考えられます。
フウガドールすみだ 失点傾向
次にすみだの失点についてです。
すみだは9試合で30失点で、リーグ3番目に多い数字になっています。失点の内訳としては、定位置攻撃が16点(36.4%)、セットプレーが8点(18.2%)、トランジションが12点(27.3%)、特殊局面が8点(18.2%)となっています。
得点が6位、失点が10位ですので、相対的に失点数は多くなっています。その中では、定位置攻撃での失点が多い傾向です。
今シーズン、失点数が多いチームは定位置攻撃での失点が多い傾向にあり、リーグ全体の傾向とも言えます。
前半戦9試合総括
すみだは昨シーズンからは下部組織出身の若手選手を多く起用し、育成型のチームにシフトしたかと思われましたが、今シーズンは星翔太選手の復帰を筆頭に丹羽選手や福田選手などの即戦力を、スタッフも岡山新監督や横浜前監督の鳥丸コーチ、葛飾前監督の北コーチなどのスタッフも大型補強となりました。
その中でも開幕3試合で1分2敗と苦しい立ち上がりとなりましたが、上位の町田や立川に競り勝つなど、徐々に調子を上げてきた中での中断期間になっています。
そのすみだの特徴としては、相手をしっかりと分析した上で相手の嫌がるフットサルをしている印象です。例えば、ゾーンで守る相手にはライン間や逆サイドなど、相手最前列のスペースをうまく活用し、マンツーマンで守る相手には背後のスペースにどんどん走り出していくようなプレーが多くなっています。うまく狙いが共有されている印象で、ベテラン選手が若手選手も引っ張り、その経験を伝えられているのではないでしょうか。
その中で今シーズンの特徴について詳細に解説したいと思います。
強度の高いハイプレス
今シーズンのすみだは強度の高いハイプレスが特徴的で、前からの積極的なプレスが機能している印象です。その結果、守備1列目でボールを奪い、そのままトランジションで得点を奪うシーンもあります。トランジションでの得点は5得点ですが、そのうち4得点はハイプレスから1列目でボールを奪った上での得点です。3セットで戦う試合もあり、守備の強度維持に重きを置いていると考えられます。
ハーフディフェンス
一方で、プレスを回避されてハーフまで撤退した際の守備には課題があると思われます。前からのプレスに対しては相手の自由を奪うプレスができているものの、自陣まで押し込まれた際にはなかなかボールにプレスがかからなくなっている印象です。特に、Fixoの選手が前に出なければならない状況になった際に相手に自由にされているように思います。
飛び込みすぎて簡単にかわされてはいけませんが、もう少しボールホルダーとの距離を詰めて守備ラインを押し返すことができれば、また前からのプレスに移行できるのではないでしょうか。
脅威となるアイソレーション
今シーズンのすみだの攻撃の最大のポイントとしては、丹羽選手のアイソレーションでの仕掛けと言えるでしょう。しながわに所属していた際にも仕掛けるドリブルが脅威でしたが、すみだに移籍した今シーズンではさらにその脅威さを増しているように思います。
今シーズンは定位置攻撃での得点が多くなっていますが、丹羽選手のドリブルでチャンスメイクをするシーンが多くあり、大きな補強だったと言えるでしょう。
4枚でのボール保持
今シーズンのすみだのボール保持は、4人が流動的に動く中で行うことが特徴です。清水選手は初期配置でPivoの位置にはいるものの、常に最前線に位置するわけではなく、最後尾まで降りてきてプレーするシーンもあります。
その中で相手の特徴に応じて狙い所を共有し、効果的なボール保持ができているように思います。そのようなシーンが増えたことについては、今シーズンから就任した岡山監督の影響は大きいですが、ベテランや経験豊富な選手の加入により戦術理解や状況に応じた効果的な判断が進んできていることも良い影響をもたらしていると言えます。
すみだと言えば強力なPivoがいて縦に速い攻撃が特徴だったように思いますが、スタイルが徐々に変化してきているのではないでしょうか。
今後の展望
現在勝点11で大阪と勝点で並ぶものの得失点差で7位につけるすみだ。今シーズンの現実的な目標としては、上位リーグ進出でしょうか。6位湘南との勝点差は1、また10位横浜との勝点差は3と、上位リーグ争いは熾烈になる可能性があります。
今後の展望として最大のポイントは、トランジションでの得点を増やせるかにあると思います。前述の通り今シーズンのすみだは前からのプレスが大きな特徴です。そのプレスからどれだけ得点が奪えるかということ、さらには押し込まれた状況からボールを奪ってトランジションに繋げられるかが勝敗に直結するように思います。
名古屋のように定位置攻撃に強みを持つチームに対してはなかなかうまくいかなかったものの、現時点で多くのチームに対してすみだのプレスは機能していると言えます。その中で相手陣地でも自陣でもボールを奪って得点に繋げるシーンを多く作ることが今シーズンのすみだにとっては近道であるように思います。
一方で、クラブのスタイル構築の側面もあるように思います。特に定位置攻撃については岡山監督の特徴が少しずつプレーに出ている印象はあり、このようなスタイルをある程度長期的に構築することもプランに入れていると思います。
短期的な結果を求めるのであればトランジション、長期的なスタイル構築のためには定位置攻撃、中断期間にどの部分を重点的に強化したかを見てみたいと思います。
まとめ
今回からFリーグ2024-2025 Div.1のチーム分析、第2回はフウガドールすみだについて解説しました。
選手やスタッフが多く入れ替わった今シーズンで、開幕後は少し結果が出なかった時期もありますが試合が進むにつれて徐々に勝点を獲得できるようになり、町田や立川といった上位チームに対しても勝利する結果になっています。
現実的に優勝争いをする順位にはいませんが、献身的で強度の高いプレスが魅力で、今後クラブのスタイルを構築されるであろう、非常に楽しみなチームの一つです。この3ヶ月でどのような進化を見せるのか、中断空けの試合を楽しみにしておきたいと思います。
それでは今回は以上になります。また次回のチーム分析をお楽しみに!ありがとうございました!
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