#12 フットサルセットプレー攻撃の概要

セットプレー

みなさんこんにちは。

前回、前々回と2回にわたってCKの守備戦術について解説しました。今回は、セットプレー攻撃について解説していきたいと思います。まずセットプレー攻撃時の基本的な概要について説明しますので、ぜひご覧ください!

セットプレー攻撃のアクションの種類

まず最初に、セットプレー攻撃時のアクションについて説明します。これはCK、KI、FKと共通になります。アクションの種類は全部で5種類あります。

1 クイック

クイックとは、相手の守備が整う前に攻撃を開始するアクションのことです。アウトオブプレーになってすぐに開始し、相手が整う前に得点を狙うプレーで、まず狙うべきアクションです。

アウトオブプレーになった瞬間、ボールと選手が再開する場所にいる場合はクイックを狙うべきです。相手が準備できていないときに素早く攻撃を再開しましょう。

2 ダイレクト

ダイレクトとは、キッカーからインサイドのエリアにパスを出すアクションのことです。相手も味方も整った状態の中で、1本のパスでインサイドから得点を狙うアクションのことです。相手ゴールに近い場所でシュートができるため、非常に有効です。

ダイレクトは最初の選択肢としてみておくべきだと考えます。インサイドにパスが通りさえすれば得点の可能性は非常に高くなります。

3 シンプル

シンプルとは、シューター以外の予備動作を伴わないパス、シュートのアクションのことです。キッカーとシューターだけの関係性で、1本のパス、シュートを行うものになります。例えば、チョンドンなどがあります。

非常にシンプルなセットプレーになります。基本的にはキッカーとシューターの距離が近い状態で開始されるため、シュートを打てる可能性は高まります。ただし、文字通りシンプルな形なので、相手にも対応される可能性は高くなります。また、練習の回数が少なくても取り組めるため、練習回数が少ないチームにも取り入れやすいアクションになります。

4 組織的

組織的とは、シューター以外の予備動作を伴うパス、シュートのアクションのことです。シューターに対して影響を与えるようなアクションを誰かが行い、1本のパスでシュートを行うものになります。例えば、シューターのマークをブロックし、シュートを行うようなものがあります。

複数の選手が動くことから、選択肢が多いセットプレーになります。相手の対応に応じて異なる選択をすることができます。動き方や角度、タイミング等、確認しなければならない項目が多いため、ある程度の練習量が必要になるセットプレーになります。

5 複合的

複合的とは、予備動作やパス後にも動作があり、シュートまでにパスを2本以上必要とするアクションのことです。1本のパスからシュートというものではなく、キッカーからのパス後にも人が動き、複数のパスをつないでシュートに持っていくものになります。

定位置攻撃と組み合わせることが有効になります。チームで採用している定位置攻撃のパターンをセットプレーに組み込むことで、セットプレーと定位置攻撃の両方の得点確率が上がるでしょう。

最も重要なポジション

セットプレー攻撃において、最も重要なのは、キッカーであると考えます。セットプレーは4秒以内にキックされなければなりませんが、その4秒の間に必要な要素が多くあります。キッカーに求められる能力について説明します。

キッカーに求められる能力1 観察力

まず1つ目は観察力です。自分たちの動き、アクションに対して相手がどのようなリアクションをするかを見極めることが必要です。相手のどこに隙があり、どこにチャンスがあるかを一瞬で見つける観察力が必要になります。

キッカーに求められる能力2 決断力

2つ目は決断力です。相手の状況を観察した中で、自分たちにとって最適な選択肢を選ぶことが必要です。観察してから選択するまでの時間は一瞬です。考える時間はなく、反射的に選択できるかが重要になると考えます。

キッカーに求められる能力3 パススキル

3つ目はパススキルです。味方がシュートを打ちやすく、相手が守りにくい場所へのパスをする必要があります。パススピードや角度、グラウンダーやロビング等の質が求められます。

キッカーの役割

キッカーの重要性に触れてきましたが、ここからはキッカーの役割について解説します。

キッカーの役割1 パスの選択

まず、最も重要な役割はパスの選択です。求められるスキルと重複する部分はありますが、相手を見て、どの選択をし、正確にパスが出せるかということが最も求められる役割になります。

その時の状況判断もそうですが、試合中から常に相手を観察し、予測をする力も必要になります。

キッカーの役割2 キック後のアクション

2つ目の役割は、キック後のアクションです。複合的なセットプレーの際の関わりや、守備バランスを取ることです。#4 フットサルでゴールを奪う必勝パターンでフィニッシュ時の配置について解説していますが、そのうちの「バランス」の役割を求められることが多いです。

複合的の場合の関わりや守備バランスのどちらにせよ、キックだけではなく、キック後に適切なポジションを取る必要があります。

ブロック&コンティニュー

セットプレー攻撃で重要な戦術として、ブロック&コンティニューがあります。セットプレーを構築する際に、ブロック&コンティニューを取り入れることは非常に効果的です。細かく解説していきます。

ブロックとは

ブロックとは、相手が進行するスペースへの通路を封鎖することです。相手の動きに合わせて動いて進路を妨害したり、相手に過度に接触したりするとファウルを取られる可能性があります。少し遠回りさせるだけでも、最低限ブロックの効果はあります。

また、ブロックには2種類あります。直接ブロック間接ブロックです。

直接ブロックとは

直接ブロックとは、ボール保持者をマークしている相手守備者に対してブロックをすることです。

間接ブロックとは

間接ブロックとは、ボール保持者以外の選手をマークしている相手守備者をブロックすることです。

セットプレーでのブロックの使い方

セットプレーにおいては、基本的に間接ブロックを使用します。ボール保持者はキッカーのため、キッカーのマークにブロックすることはあまりなく、シュートを打たせたい選手へのブロック、つまり間接ブロックを多く使用します。

また、複合的の場合は、ボール保持者がキッカー以外になることもあるため、直接ブロックを使用することもあります。

コンティニューとは

コンティニューとは、ブロック後に自身が脅威になるアクションをすることです。ブロックをすることで、相手がマーク交換をすることがあります。その場合、ブロックをした選手のマークはとても近い距離になり、マーク外しをしやすい状況になります。

ブロックによって恩恵を受けた味方を利用し、自身がさらに恩恵を受けるアクションがコンティニューになります。ブロックへの対抗で、守備側がマーク交換したときにコンティニューをしっかり狙っていきましょう。

セットプレーの作り方

ここまでセットプレー攻撃の概要について解説してきました。ここからは、セットプレーの作り方について解説したいと思います。

アクションの種類

まず、どのアクションのセットプレーを採用するかです。私は組織的なセットプレーの採用をオススメしています。セットプレーの良さは再現性の高さにありますので、パスの本数が少ない方がより再現性が高く、シュートを打てる可能性は高まると考えます。

また、組織的なセットプレーの中の選択肢として、ダイレクトを選べるように設計しましょう。アウトサイドとインサイドの両方の選択肢があることが重要です。

シューターの特徴(利き足・ボレー等)

シューターの特徴に応じて、アウトサイドのシュートの選択肢を決めます。アウトサイドのシュートはゴロとボレーに分けられます。ボレーが得意な選手がいれば、アウトサイドはキッカーから離れていくような動きをするとよいでしょう。また、シューターに左利きの選手を配置できるかも重要になります。強烈なシュートを打てる選手の特徴に応じてアウトサイドの選択肢を作りましょう。

ブロック&コンティニュー

組織的なセットプレーの中に、ブロック&コンティニューの導入は効果的です。コンティニューにより、インサイドの選択肢(ダイレクト)の選択肢を作ることができます。

シューターの特徴に応じたアウトサイド、ブロック&コンティニューでインサイドの選択肢を作れるように設計しましょう!

セットプレー攻撃まとめ

ここまでセットプレー攻撃の概要について解説してきました。セットプレー攻撃を作成する際の重要なことをまとめます。

1 組織的なセットプレーで複数の選択肢を作ろう
2 シューターの特徴に応じてアウトサイドの選択肢を決めよう
3 ブロック&コンティニューでインサイドを狙おう
4 キッカーが非常に重要
抽象的なので少しわかりにくかったかもしれません。次回は組織的なセットプレーの具体例を挙げ、その中で詳しく解説していきたいと思います。それではまた!

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