みなさんこんにちは。
フットサルアジアカップ、日本は準決勝でウズベキスタンに2-1で勝利し、決勝ではイランと対戦しました。
前半にPIVO当てから先制を許しましたが、清水選手の得点で同点、アルトゥール選手のFKで勝ち越し、さらにオウンゴールで追加点をあげました。ラスト1秒で1点を返されましたが、黒本選手を中心にイランのパワープレーを守り切り、見事優勝という結果になりました。
本当におめでとうございます!そして感動をありがとうございました!!初戦から苦しい試合ばかりでしたが、試合を重ねるごとにチームを見て本当に感動しました。
決勝イラン戦の分析をしましたのでご覧ください!また、これまでの5試合についても併せてご覧ください。
日本代表メンバー
スターティング5
GK | 2 | 黒本 ギレルメ | 立川アスレティックFC |
ALA | 3 | 水谷 颯真 | 名古屋オーシャンズ |
FIXO | 5 | オリベイラ・アルトゥール | 名古屋オーシャンズ |
ALA | 6 | 吉川 智貴 | 名古屋オーシャンズ |
PIVO | 9 | 平田 ネトアントニオマサノリ | 名古屋オーシャンズ |
控え選手
GK | 1 | ピレス・イゴール | バルドラール浦安 |
ALA/FIXO | 4 | 石田 健太郎 | バルドラール浦安 |
ALA | 7 | 金澤 空 | 立川アスレティックFC |
ALA/FIXO | 8 | 上村 充哉 | 立川アスレティックFC |
ALA | 10 | クレパウジ・ヴィニシウス | ペスカドーラ町田 |
PIVO | 11 | 清水 和也 | フウガドールすみだ |
ALA | 12 | 原田 快 | FCバルセロナB |
ALA/PIVO | 13 | 長坂 拓海 | バルドラール浦安 |
FIXO | 14 | 内村 俊太 | 湘南ベルマーレ |
日本のメンバーは準決勝で負傷したイゴール選手に代わり、黒本選手が先発となりました。FPは韓国戦から5試合連続で同じ、名古屋オーシャンズセットのスターティング5となりました。
シュートスタッツ
日本 | イラン | |
16 | シュート数 | 41 |
9 | 枠内 | 25 |
7 | 枠外 | 16 |
日本は枠内9本、枠外7本の合計16本、イランは枠内25本、枠外16本の合計41本と、日本は今大会初めて相手に主導権を許す展開となりました。
日本は決勝では合計シュート数でイランに2倍以上の差をつけられ、イランが主導権を握る試合となったことがわかります。定位置攻撃ではシュート5本、対するイランは15本と3倍の差になっています。それでも黒本選手を中心に、体を張ってゴールを守り続けました。
40分を8つに分け、時間帯ごとのシュート数をまとめまています。
終盤にパワープレーを実施した影響もありますが、残り15分のシュート数はイランが圧倒しており、イランに攻め込まれる時間が長く、日本がボールを持つ時間が非常に短くなりました。
試合を通してほとんどの時間でイランが多くのシュートを打ち、イランの攻撃、日本の守備という展開になったことがわかります。
日本の優勝が素晴らしかったことは紛れもない事実ではありますが、やはりアジアのトップはイランで、他国に対して優勢に試合を進めた日本でもここまで押し込まれる展開になるとは、アジアの中でもイランが飛び抜けていると言えると思います。
イランの定位置攻撃
PIVO攻撃
イランは10番や9番をPIVOに配置し、PIVOを使う攻撃が非常に脅威になっていました。日本はアルトゥール選手、内村選手が対抗し、内村選手は準決勝までほとんど出場機会がありませんでしたが、これまでの悔しさを晴らすような大活躍となりました。
大黒柱アルトゥール選手はもちろん、内村選手の存在が日本の勝利に大きく貢献したと思います。木暮監督はイラン戦を想定して内村選手を招集したと想定できます。5試合ピッチに立てない状況でも準備を欠かさず、決勝の大舞台でこの活躍。影のMVPだと思います。
1対1での仕掛け
イランは8番、12番を中心に、自陣からでも1対1を仕掛けるアイソレーションを使ってきました。日本も金澤選手や平田選手、清水選手が対抗しましたが、相手が上回り打開されることが多くありました。それでもカバーリングを続け、最後は黒本選手がボールを止め、1対1の仕掛けからの失点をすることはなく、非常に効果的に守備ができていたと思います。
日本の戦略
日本は、アルトゥール選手と内村選手をFIXO、平田選手と清水選手をPIVOに置き、ALAの選手を状況に応じて起用してきました。吉川選手が怪我で出場ができなくなり、これまでのセットは崩れてしまいましたが、流動的に組織的な守備を構築しました。
特に特徴的な起用は次の2点だと思います。
内村選手の起用
内村選手を決勝の大舞台で長時間起用しました。準決勝まで日本が主導権を握る展開が多く、内村選手の出番が回ってきませんでした。主導権を握られるイランに対してPIVOに対抗できることを計算しての招集、起用だったと思います。
今後の世界との戦いでは主導権を握られることも多くあるため、次のW杯では内村選手は重宝されるかもしれません。これからのFリーグでの更なる活躍に期待したいと思います!
原田選手の攻撃時起用
これまでジョーカーとして短い時間のみ起用されてきた原田選手ですが、イラン戦では珍しい起用方法がされました。マイボールになった時に起用され、相手ボールになった際には上村選手と交代し、守備を任せる形です。パワープレー時にはよくありますが、定位置攻撃に局面では初めて見る起用法でした。
原田選手は決勝でも短い時間の出場でしたが、守備に追われる時間帯の中で、ドリブルで相手を剥がし、日本が攻撃をする時間を作ったと思います。木暮監督は原田選手に守備面での不安があったと考えられますが、次回のアジアカップでは主力として活躍できるよう期待されていると思います。バルセロナで力をつけて、次回大会でより活躍してほしいと思います。
また、交代で守備に入る上村選手も自分の役割を理解した素晴らしいプレーでした。守備だけしている時間帯でも上村選手は不満そうな素振りはまったくなく、これも日本の団結力を表しているシーンだと感じます。
日本のパワープレー守備
イランのパワープレーも非常に驚異で、多くのシュートを打たれる結果になりましたが、黒本選手を中心に終了間際の1失点に切り抜けました。ウズベキスタン戦でもパワープレーを受けましたが、その時よりも日本の守備がかなり整備された印象がありました。
イランはウズベキスタンと似ていて、当初右奥に位置していた選手が左奥まで移動し、選手が反時計回りに回転してフリーな選手を使う方法を採用してきました。
ウズベキスタン戦はFIXOのアルトゥールが前に出るのか、前の選手が二度追いするのかがはっきりせず、フリーな選手を作られてシュートを打たれるシーンがありました。
イラン戦では、基本的にはアルトゥール選手が前に出て、全員が4分の1回転スライドすることが明確になっていたと思います。
左ALAだった水谷選手もスライドして左奥の相手にプレッシャーを与えていました。4人の連動がスムーズであり、迷いもなさそうだったため、中1日のトレーニングでもパワープレー守備について修正された可能性があります。
疲労とのバランスもありながら、短い時間で見事に修正した日本チームの選手、スタッフは非常に優秀だと感じさせられるシーンでした。
まとめ
決勝イラン戦は、守備の時間が長く、非常にタフな試合になりました。何本も浴びせられたシュートに対しても黒本選手を中心に守り切りました。この試合で特に感じたことは3つあります。
これまであまり出場機会がなかった選手が決勝はこれまでより出場し、その選手たちもそれぞれの役割を十分果たしたと考えます。試合勘があまりない状態で決勝という舞台、相手はイラン、そのような難しい状態で効果的な役割を果たしたということは、良い準備ができていたからだと考えられます。
次はイランの強さです。攻撃的な日本代表がここまでボールを持てず、守備に追われるということはアジアではほとんどありません。次にイランと対戦するときは死ぬ物狂いで戦ってくると思います。その際、日本も攻撃に力を注げる試合を観たいと感じました。選手も戦った末に感じたことがあると思いますので、Fリーグの舞台でぶつけてもらいたいと思います!
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