みなさんこんにちは。
フットサルアジアカップ、1勝1敗で迎えたグループリーグ最終戦、日本代表はベトナムと対戦しました。日本は2点差以上での勝利で1位通過、1点差での勝利で2位通過、引き分け以下なら予選敗退という状況で試合に臨み、清水和也選手の2得点で2-0で勝利、見事1位で決勝トーナメント進出を決めてくれました。
見ごたえ十分のこの試合について、分析しました。サウジアラビア戦、韓国戦の記事も併せてご覧ください。
日本代表メンバー
スターティング5
GK | 1 | ピレス・イゴール | バルドラール浦安 |
ALA | 3 | 水谷 颯真 | 名古屋オーシャンズ |
FIXO | 5 | オリベイラ・アルトゥール | 名古屋オーシャンズ |
ALA | 6 | 吉川 智貴 | 名古屋オーシャンズ |
PIVO | 9 | 平田 ネトアントニオマサノリ | 名古屋オーシャンズ |
控え選手
GK | 2 | 黒本 ギレルメ | 立川アスレティックFC |
ALA/FIXO | 4 | 石田 健太郎 | バルドラール浦安 |
ALA | 7 | 金澤 空 | 立川アスレティックFC |
ALA/FIXO | 8 | 上村 充哉 | 立川アスレティックFC |
ALA | 10 | クレパウジ・ヴィニシウス | ペスカドーラ町田 |
PIVO | 11 | 清水 和也 | フウガドールすみだ |
ALA | 12 | 原田 快 | FCバルセロナB |
ALA/PIVO | 13 | 長坂 拓海 | バルドラール浦安 |
FIXO | 14 | 内村 俊太 | 湘南ベルマーレ |
日本のメンバーは韓国戦と同じスターティング5となり、GKはイゴール選手、FPは名古屋オーシャンズセットとなりました。
シュートスタッツ
日本 | ベトナム | |
27 | シュート数 | 11 |
15 | 枠内 | 4 |
12 | 枠外 | 7 |
ベトナムのシュート数11本に対して、日本は2倍以上の27本のシュートを放ちました。枠内は日本が15本、ベトナムが4本です。
局面別のシュート内訳は以下の通りです。
この試合も日本は定位置攻撃で最も枠内シュートを打ちました。サウジアラビア戦、韓国戦に続きセットプレーでも枠内シュートを多く打ち、チャンスを多く作りました。
一方ベトナムは枠内4で決定的なチャンスは最後のパワープレーくらいだったように思います。4番の選手を筆頭に、アイソレーションでの仕掛けでチャンスを作っていましたが、韓国と同様になかなか中央のスペースに侵入することができず、日本の守備陣形の外側からのシュートになったように思います。
日本のプレスに対してはライン間を上手く活用し、前進ができるシーンもありましたが、前述の通り日本陣地ではなかなか前進ができず、逆に言えば日本がとても良い対応をしたと考えられます。
日本の戦い方
マンツーマンディフェンス
日本は韓国戦同様、マンツーマンでの前からのプレッシングを採用しました。ベトナムは4-0システムでプレス回避を行うシーンが多くあり、ライン間を上手く活用しながらプレスを回避していました。日本はおおむね良いプレスがかかっており、相手に簡単には前進を許すことなくベトナム陣地でプレーがされる時間帯は比較的多かったように思います。
ただし、FIXOの選手がライン間に侵入した選手との距離が遠いシーンが目立ったように感じます。ベトナムがそこからスピードに乗った攻撃を仕掛けることはありませんでしたが、前を向かれてサイドの選手が駆け上がるようなアクションを取られていればピンチになった可能性は考えられます。
連戦と少ない人数でプレーしている影響もあるかもしれませんが、少し気になるところではありました。
PIVO攻撃
韓国戦同様、PIVOを効果的に活用して攻撃の起点を作っていました。前半の日本タイムアウト時に木暮監督からの指示にあったように、PIVO攻撃に固執している印象は確かにありました。平田選手や清水選手が相手FIXOとの争いに勝ち、ボールをキープできる状況にあったためにシンプルに配給していたのはあるかもしれませんが、ボールを失う回数も少なくはなかったように思います。
ただし、平田選手、清水選手のパフォーマンスは圧巻だったと思います。2得点を決めた清水選手はもちろんのこと、平田選手も相手FIXOと何度もバトルを繰り返し、日本のボール前進に大きく貢献していました。
時間稼ぎパワープレーに対するプレッシング
後半残り10分頃、ベトナムが1点ビハインドの状況でパワープレーを開始しました。最後尾の選手が自陣に位置しており、ゴールを狙う意図はなかったように思います。ラインを下げて守っているだけでは時間を浪費してしまうため、日本は2-2型のボックスの配置をとり、右前の平田選手が右からプレスをかけたことをきっかけに全体が押し上げるやり方を採用していました。左前の吉川選手が反応し、相手のロストを誘うことで時間を稼がせず、日本は攻撃の時間を作ることに成功しました。
勝負を分けた個の力
清水選手の気迫・得点力
まずは2得点をあげた清水選手。何本もPIVOにパスが供給され、体を張ってボールを守り、反転シュートから2点を決めまてくれました。1点目は後ろからファウル気味のプレーをされても倒れずにゴールを目指すプレーが得点を生み、2点目も角度が悪い位置でしたが自分が試合を決めるという気迫が画面越しにも伝わってきました。日本のエースにふさわしい活躍だったと思います!
イゴール選手のカバーリング
韓国戦に続きスタメン出場となったイゴール選手ですが、この試合も大活躍だったと思います。シュートストップはもちろんのことですが、この試合で何度も背後のスペースを管理し、カバーリングで相手のチャンスを潰していました。シュートストップよりは目立たないかもしれませんが、前からマンツーマンで強いプレスを求める日本代表にとって、背後のカバーリングができるイゴール選手は決勝トーナメントでも欠かせない存在ではないかと思います。
グループリーグを終えたシュートスタッツ
3試合を終えた段階でのシュート数を見ておきます。
まずは選手別のシュート数です。出場時間に差はありますが、アルトゥール選手や清水選手、上村選手のシュート数が多くなっています。
気になるのはヴィニシウス選手。日本代表屈指の得点力を持つ選手ですが、韓国戦、ベトナム戦は出場時間があまりなく、セットプレー時の出場がメインになっています。あまり調子は良くなさそうですが、ゴールが見たいところだと思います。
次に、枠内シュートに至った局面についてです。
こう見ると、清水選手と平田選手が定位置攻撃で大きな役割を果たしていることがわかると思います。平田選手は得点はありませんが、チャンスを作っていることは間違いありませんし、数字には表れない守備での貢献度も非常に高いと思います。次こそ得点を期待したいところです。
セットプレーではアルトゥール選手、ヴィニシウス選手、水谷選手、清水選手がシューターになる場面が多いということがわかります。シュート数に対してセットプレーでの得点割合は少ないと思いますので、これらの選手がセットプレーでどれだけゴールをあげられるかが決勝トーナメントでのポイントになるかもしれません。
まとめ
今回はフットサルアジアカップグループリーグ第3戦、日本対ベトナムの試合を分析しました。
初戦でサウジアラビアに敗れて危機的状況になったかと思われましたが、2試合しっかり勝利し、首位で決勝トーナメントに進むことができました。
3戦ともに日本がゲームのペースを握る展開ではありましたが、思うように得点を重ねられず苦しい3試合になったと思います。しかし、それでもチームが一つになり団結して戦った結果が首位通過だったのだと思います。
準々決勝の相手はインドネシアです。この試合も日本がボールを保持する時間が多くあるのではないかと想定しますが、苦しい3試合を戦ってきた日本は勝利してくれると思います。
私が準々決勝で期待するポイントは2つあります。
まずは平田選手のゴールです。これまで貢献度が非常に高いだけに、ゴールという結果で報われてほしいです。平田選手に得点が生まれれば、平田選手自身もチームも必ず勢いに乗れると思います!
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