#134 Fリーグ2024-2025Div.1前半戦 湘南ベルマーレ分析

湘南ベルマーレ

みなさんこんにちは。

これまでF1の前半戦のチーム分析を実施しています。今回は第3回、湘南ベルマーレです。ぜひご覧ください!

以下はこれまでのチーム分析です。併せてご覧ください!

湘南ベルマーレ 戦績

まず最初は湘南の9試合の戦績についてです。湘南は3勝3分3敗の勝点12で6位という状況です。

日時 相手 H&A スコア
1 2024/06/01 ボルクバレット北九州 AWAY 4○1
2 2024/06/09 Y.S.C.C.横浜 AWAY 1△1
3 2024/06/14 フウガドールすみだ HOME 2△2
4 2024/06/21 しながわシティ HOME 1⚫︎4
5 2024/06/29 ペスカドーラ町田 HOME 2⚫︎5
6 2024/07/06 バルドラール浦安 HOME 3○2
7 2024/07/13 立川アスレティックFC AWAY 2⚫︎3
8 2024/07/20 名古屋オーシャンズ HOME 3△3
9 2024/07/28 バサジィ大分 AWAY 1○0

それでは、具体的に得点や失点の傾向について分析していきたいと思います。

湘南ベルマーレ 得点傾向

まずは湘南の得点についてです。

湘南は9試合で19得点で、リーグ9位となっています。内訳としては、定位置攻撃が6点(31.6%)、セットプレーが3点(15.8%)、トランジションが2点(10.5%)、特殊局面が8点(42.1%)となっています。

湘南の得点傾向は、定位置攻撃と特殊局面での得点割合が高いことが挙げられます。ただし、定位置攻撃の6得点はリーグ9位であり、そもそもの得点数が少ないということが言えます。一方特殊局面についてはリーグ4位タイと、リーグ内でも得点数が多い傾向にあります。

昨シーズン、昨々シーズンの得点傾向と比較してみましょう。

この3シーズンで得点傾向が大きく変化していることがわかります。もう少し具体的に1試合平均の得点数を比べてみましょう。

これを見ると、3シーズンを比較して1試合平均得点数が減少してきており、さらにトランジションの得点が大幅に減少していることがわかります。2022-2023シーズンから2023-2024シーズンにかけては、現在浦安に所属しているロドリゴ選手の退団が大きく影響したものと考えられますが、2024-2025シーズンでも3分の1程度に減少していることについては大きな課題と言えるでしょう。

また、特殊局面での得点が昨シーズンから増加しています。特殊局面での得点内訳としては、パワープレーで6得点、パワープレー返しで2得点となっています。

パワープレーでの得点については、名古屋に次いでリーグ2番目に多い数字となっており、ビハインド時にパワープレーが機能していると言えるでしょう。

また、直近3シーズンでの特殊局面推移を見ると、昨シーズンからパワープレーでの得点も増加している傾向がわかります。

2022-2023シーズンは2位だったことを踏まえると、そのシーズンはパワープレーを実施する機会が少なかったために1試合平均得点数が少ないと思われます。2023-2024シーズンは8位と、現段階の6位と大きく変わりはない中での得点増加は、パワープレー攻撃が昨シーズンよりも効果的に実施できていると言えます。

湘南ベルマーレ 失点傾向

次に湘南の失点についてです。

湘南は9試合で21失点で、リーグ4番目に少ない数字になっています。失点の内訳としては、定位置攻撃が4点(19.0%)、セットプレーが5点(23.8%)、トランジションが5点(23.8%)、特殊局面が7点(33.3%)となっています。

浦安、しながわ、名古屋に次いでリーグ4位の失点数となっており、守備が安定していることがわかります。中でも定位置攻撃での失点数は4失点で、しながわと並んでリーグ最少失点となっています。

昨シーズンと比較しても、そこまで大きな変化ではないかもしれませんが定位置攻撃の失点数は減少していることがわかります。

このことからも、今シーズンの湘南は守備に注力しているのではないかということが予想されます。

前半戦9試合総括

湘南は準優勝となった2022-2023シーズンから2023-2024シーズンは8位と、苦しいシーズンになりました。2022-2023シーズンから2023-2024シーズンにかけては1試合平均の得点数が1点以上減少し、今シーズンは得点力向上が急務となった今シーズンだと思われます。

今シーズン9試合の総括について詳細を解説したいと思います。

安定した定位置守備

今シーズンの湘南の特徴は、安定した定位置守備だと考えます。前述の通り、定位置守備での得点数はリーグ最少になっています。特に相手がシュートを放つ最終局面でゴールを割らせないプレーであったり、ゴール前の中央のエリアにボールを侵入させないことができていることで失点が少なくなっています。さらには、相手にシュートを打たれたとしてもフィウーザ選手が最後の砦となってゴールを守ることができています。

前からのプレスはそこまで厳しいボールを奪いに行くようなプレスではないですが、背後を取られないようにしながらプレスを仕掛け、最終的にはコンパクトに守る守備が共有されているのではないでしょうか。

トランジション得点数の減少

逆に課題としてはトランジションでの得点減少が挙げられます。得点力の向上が必要だった今シーズンですが改善したとは言えず、さらに湘南の武器であったトランジションでの得点が大幅に減少していることは不安材料です。

定位置攻撃では持ち味の素早い攻撃は見せているものの、なかなか良い状態でフィニッシュにつなげることができていない印象です。前からのプレスには行くものの積極的にボールを奪いに行くような守備ではなく、どちらかと言えば自陣に引き込んだ状態でボールを奪うことが多くなっています。近年のフットサルでは全体的に強度が高まり、撤退スピードが速くなっていることもあって、なかなかロングカウンターからフィニッシュに繋げられないことも一つの要因であると考えます。

また、長い距離をドリブルで打開できる選手が少ないこともその要因であると思います。単独でのカウンターだけではなく、人数をかけてゴールまで持ち込むかということを検討することが必要ではないでしょうか。

セットプレー得点数の減少

セットプレーでの得点減少も課題と言えます。今シーズンのセットプレーでの得点数はリーグ9位タイの3得点です。

また、2022-2023シーズン、2023-2024シーズンと比較しても1試合平均得点数は減少傾向にあります。

大きな要因としては、正確なキックと判断能力を持つ内村選手が開幕から離脱していたことが考えられます。セットプレーにおけるキッカーは非常に重要で、昨シーズン12アシスト、うちセットプレーで4アシストしている内村選手が不在だったことは少なからず影響していたと思います。

今後の展望

現在勝点12でなんとか上位リーグ圏内の6位につける湘南。4位名古屋、5位町田との勝点差5、首位浦安とは勝ち点差10と少し離されている印象です。今後の目標としては、上位5チームに離されないようにしながらレギュラーシーズンで上位リーグに進出することではないでしょうか。

そのための最重要課題としてはセットプレー攻撃であると考えます。そのうち、セットプレーでの得点増加とセットプレーの獲得回数増加の大きく2つが重要ではないでしょうか。

一つ目のセットプレーの得点増加については意味そのまま、これまで武器であったセットプレーでの得点力そのものを復調させることです。湘南は堅い守備をベースに接戦をものにしたいと考えていると思われますので、均衡を破るポイントとしてセットプレーが重要になることは間違いありません。昨シーズンからコーナーキック、キックインでの得点が減少しておりますので、その点を改善したいところでしょう。

二つ目のセットプレー獲得回数増加については、どのようにしてセットプレーに繋げるかということだと思います。トランジションでの得点が減っていることも課題ではありますが、ロングカウンターが中心の状況ではなかなか早急に得点を奪えるようになるということは非常に難しい課題と言えます。そこで、シュートで終わるトランジションを増やすことで、相手陣地でのセットプレーを増やしていくことができれば、より得点を奪うことができるのではないでしょうか。短期的な結果も必要であると思いますので、まずはどのようにセットプレーを獲得していくかということを念頭に置いたトランジション攻撃のトレーニングが求められるでしょう。

まとめ

より守備を重視している印象のある今シーズンの湘南、最後の局面で集中したディフェンスは非常に効果的で安定しているように思います。前に速い攻撃は継続しつつも、なかなかボールを持つ時間が短く、うまく攻撃に繋げられない印象があります。この中断期間においては、湘南の武器を再確認し、前半戦では発揮できていない部分の改善に注力することがクラブのスタイルの継承、短期的な結果のどちらにもつながるのではないでしょうか。

中断明けは昇格してまだ勝点を挙げられていないヴォスクオーレ仙台、勝点1差で追われるシュライカー大阪との対戦です。ここで2連勝できれば上位も見えてくる可能性がありますので、勢いをつけたいところでしょう。

それでは今回は以上になります。また次回のチーム分析をお楽しみに!ありがとうございました!

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