みなさんこんにちは。
白熱しているフットサルアジアカップ。日本代表はグループリーグ初戦でサウジアラビアに1-2で敗れ、第二戦の韓国戦を迎えました。
結果は6-0で大勝し、決勝トーナメント進出、または首位通過に望みをつなぎました。その日本対韓国について解説していきたいと思います。
なお、グループリーグ初戦のサウジアラビア戦の分析は以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
日本代表メンバー
スターティング5
GK | 1 | ピレス・イゴール | バルドラール浦安 |
ALA | 3 | 水谷 颯真 | 名古屋オーシャンズ |
FIXO | 5 | オリベイラ・アルトゥール | 名古屋オーシャンズ |
ALA | 6 | 吉川 智貴 | 名古屋オーシャンズ |
PIVO | 9 | 平田 ネトアントニオマサノリ | 名古屋オーシャンズ |
控え選手
GK | 2 | 黒本 ギレルメ | 立川アスレティックFC |
ALA/FIXO | 4 | 石田 健太郎 | バルドラール浦安 |
ALA | 7 | 金澤 空 | 立川アスレティックFC |
ALA/FIXO | 8 | 上村 充哉 | 立川アスレティックFC |
ALA | 10 | クレパウジ・ヴィニシウス | ペスカドーラ町田 |
PIVO | 11 | 清水 和也 | フウガドールすみだ |
ALA | 12 | 原田 快 | FCバルセロナB |
ALA/PIVO | 13 | 長坂 拓海 | バルドラール浦安 |
FIXO | 14 | 内村 俊太 | 湘南ベルマーレ |
サウジアラビア戦からはGKが黒本選手からイゴール選手へ、FPがヴィニシウス選手から水谷選手へ変更になり、FPのスターティングメンバ―は全員名古屋オーシャンズの選手となりました。
シュートスタッツ
日本 | 韓国 | |
38 | シュート数 | 20 |
22 | 枠内 | 13 |
16 | 枠外 | 7 |
韓国のシュート数20本に対して、日本は約2倍の38本のシュートを放ちました。枠内は日本が22本、韓国が13本です。
局面別のシュート内訳は以下の通りです。
サウジアラビア戦は相手のゾーンディフェンスを崩せず、定位置攻撃での枠内シュートが非常に少なかったのですが、韓国戦は定位置攻撃で非常に多くのチャンスを作りました。PIVOに仕事をさせてもらえなかったサウジアラビア戦とは対照的に、平田選手と清水選手が攻撃の起点となっていたと思います。
一方韓国はの攻撃は定位置攻撃、パワープレーともに10番の選手のアイソレーションでの仕掛けが中心で、そこまで脅威とは言えなかったように思います。
韓国のシュートの位置の分布図です。ゴール前のシュートはほとんどなく、日本の守備外側からのシュートが多かったと言えます。10番を筆頭に、枠内にシュートを飛ばされることはありましたが、ゴールから遠い位置からのシュートが多かったこと、対峙する守備者がシュートコースを限定していることでGKも比較的容易に対応ができたと考えます。また、トランジションでピンチを招くこともありましたが、イゴール選手のパフォーマンスが安定しており、無失点で試合を終えました。
また、日本代表の得点局面です。定位置攻撃が2点、セットプレーが2点、トランジションが1点、特殊局面(パワープレー返し)が1点と、各局面バランスよく得点を重ねることができました。
先制点と3点目はセットプレーであり、1点目は水谷選手ではなくヴィニシウス選手が出ていましたが、両得点ともに名古屋の選手が多く出ており、名古屋の強みであるセットプレーを活かした得点となっています、名古屋の選手を同じセットに固定することが日本代表の強みとなっていると考えます。
なお、名古屋オーシャンズの分析については以下の記事で解説していますのでご覧ください。
日本の戦い方
マンツーマンディフェンス
まずは守備についてです。日本はマンツーマンディフェンスを採用していますが、サウジアラビア戦は相手がGKを活用してプレス回避を行うことからあまり前からプレスをかけるシーンが多くありませんでした。
今回の韓国戦はGKを活用することはほとんどなく、4対4でのプレス回避が非常に多かったこともあり、日本のプレスが機能していたと考えています。効果的に前進されることは少なく、トランジションはそこまで作れなかったものの多くをマイボールにすることができました。
これに関しては韓国戦に特別な対応をしたとは考えておらず、基本的には通常の守備戦術を採用したものと思います。
PIVO攻撃
サウジアラビア戦と異なり、PIVOを効果的に使い、PIVO自身も脅威になっていました。
サウジアラビア戦は相手がハーフまで下がってプレスに来ないことに加え、ゾーンでPIVOを警戒してゴール前のスペースを埋めに来たためスペースが少なく、PIVOにパスが供給されたとしても良い状態でボールを持つことができず、なかなか思うようなプレーができませんでした。
韓国はディフェンスが日本ゴールラインから15m程度を基準にプレスを開始し、さらにマーク交換ありのマンツーマンベースでプレーしていたことから、サウジアラビア戦よりもPIVOにスペースが与えられていたことがサウジアラビア戦と大きな違いだと思います。
PIVOの2人に得点は生まれませんでしたが、PIVO当て後に自分で勝負しシュートを打てているシーンはあります。コンディションや調子は良いと思いますし、得点になるか否かは紙一重ということもあり、1点取れれば勢いに乗るということが期待されます。
右サイドでのパラレラ
サウジアラビア戦では、前半は特に背後を狙う回数が少なかったと思います。それはゾーンに対して背後を取ることは時に相手守備者にマークされに行く動きになり得るための対応だったと思います。
今回の韓国戦はマンツーマンベースだったこともあり、右サイドをパラレラで狙うシーンが多くありました。左サイドでのPIVO、右サイドでのパラレラで背後と、日本代表とは言えベーシックな戦術でゴールを狙っていたと思います。
スピード・運動量のある4-0システム
日本は基本的に平田選手、清水選手のどちらかを起用して3-1システムで試合を進めてきましたが、後半途中で4-0システムを採用しました。石田選手、金澤選手、長坂選手、上村選手(原田選手)の4人で、スピードと運動量を活かした4-0システムで韓国を翻弄していました。今後に向けて試したのか、韓国が前への圧力を強めたい時間帯で運動量を増やして背後を狙いたかったのか、監督の意図はわかりませんが、このセットで2得点を取りましたし、今後のオプションになったと思います。
PIVOらしいPIVOは今回平田選手と清水選手の2人しかおらず、これから中1日で決勝まで進むレギュレーションであることを考えると、PIVOがいないセットが結果を残したことはチームにとって非常にプラスに働くと思います。
パワープレー守備
サウジアラビア戦で課題になったパワープレー守備、韓国はGKをFPに代えたパワープレーを前半から使ってきました。
当初はボックス型の2-2で対応していましたが、前半にタイムアウトを取りその後はダイヤ型の1-2-1での対応に変更しました。韓国のシュート位置で説明しましたが、韓国は定位置攻撃とパワープレーで個人の1対1から日本守備の外側からシュートが多くありました。パワープレーでも2-2で対応しているときは中央からシュートを打たれるシーンが何度かあり、それへの対抗として1-2-1の配置に変更したと考えられます。
そうすることで、中央からのシュートは減り、サイドから1対1でのシュートが多くなったことでより対応しやすくなったと考えます。
決勝トーナメント進出条件
韓国に勝利し勝点を3にした日本代表、決勝トーナメント進出条件を確認しておきます。
順位 | チーム | 勝点 | 得失点差 | 得点 |
1 | ベトナム | 6 | 6 | 8 |
2 | 日本 | 3 | 5 | 7 |
3 | サウジアラビア | 3 | -1 | 3 |
4 | 韓国 | 0 | -10 | 1 |
日本が勝利し、サウジアラビアも韓国に勝利した場合は日本、ベトナム、サウジアラビアの3チームが勝点6で並ぶことになります。勝点が並んだ場合の順位決定方法が不明だったため、得失点差の場合と直接対決の対戦成績の場合の両方を考えてみます。
得失点差が優先される場合
日本がベトナムに勝てば、3チームが勝点6で並びますが、ベトナムとの現段階での得失点差が1ですので、1点差でも勝利すれば逆転できるため、勝利で決勝トーナメント進出が決まります。ただし、勝つだけでは1位か2位は決まりません。
その場合はサウジアラビアとの争いになりますが、サウジアラビアが日本が加える得失点差より+7点差で勝った場合には2位通過となります。また、サウジアラビア対韓国が日本対ベトナムより先に行われるため、日本は条件を知った状態で試合に臨むことができます。
具体的な数値ですが、例えばサウジアラビアが9点差で勝った場合、日本がベトナムに4点差で勝利した場合は1位通過、3点差で勝利した場合には総得点での争い、2点差以下で勝利した場合はサウジアラビアが1位通過で日本は2位通過となります。
得失点差が優先される場合
対戦成績が優先される場合
対戦成績が優先される場合、3チームでのリーグ戦を行ったものとされ、以下のような結果になります。
日本 | ベトナム | サウジ | 勝点 | 得失点差 | 総得点 | |
日本 | ○ | 1●2 | 3 | 0以上 | 2以上 | |
ベトナム | ● | 3○1 | 3 | 2以下 | 3以上 | |
サウジ | 2○1 | 1●3 | 3 | -1 | 3 |
サウジアラビアが得失点差でマイナスになることが確定しており、日本はベトナムに勝利した時点で得失点差が0以上になるため、日本は勝利で2位以上が確定します。1点差の場合は日本が得失点差が0、ベトナムが得失点差1になることから、ベトナムが1位、日本が2位となります。
2点差以上で勝利した場合は得失点差が日本は1以上、ベトナムは0以下、サウジアラビアは-1となり、日本の1位通過が決まります。
対戦成績が優先される場合
条件まとめ
まとめ
さて、今回はフットサルアジアカップグループリーグ第2戦、日本対韓国の試合を分析しました。
日本は韓国を終始圧倒し、常に優位に試合を進めた試合になりました。サウジアラビア戦から中1日しかない中で修正はほとんどできなかったと思いますが、マインドを整理して戦うことができたのだと思います。
特に定位置攻撃でシュートが増えて得点も挙げられたことがとても良かったと思います。ベトナム戦ではPIVOの2人の得点も生まれれば、より勢いに乗ることができると感じています。調子を上げて来た定位置攻撃に加え、得意のセットプレーでゴールし、ベトナムに勝利してほしいです。
今日が運命のベトナム戦です!またみんなで応援しましょう!がんばれニッポン!
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