みなさんこんにちは。
前回に引き続き、今回もフットサルのトレーニングメニューを分析していきたいと思います。今回は、FP4名、GKが1名の時のトレーニングメニューの紹介です。ぜひご覧ください!
過去の少人数でのトレーニングメニュー解説については、以下を併せてご確認ください。
FP4名GK1名の場合
今回取り上げるのは、FP4名GK1名の場合についてです。FPが4名なので、3名の時よりはかなりトレーニングの幅が広がります。GKがいるからこそできるもので、FP4人でできるトレーニングを紹介したいと思います。
2対2+GK
最初は2対2+GKのトレーニングです。特に制限なく2対2を実施するのも良いですが、少し工夫を加えたトレーニングメニューを紹介していきます。
2対2+GK(左右二分割)
最初は2対2+GKのトレーニングで、移動できるエリアを左右に分けて行うものになります。まずハーフコートに対してゴールを1つ設置し、ゴール中央から縦にフラットマーカー等を置き、攻撃側2人と守備側2人を決定します。
ルールとしては、基本的には攻守ともに各サイドも1人ずつ配置します。攻撃側は1プレーに限って1つのエリアに2人侵入できるものとします。例えば、パラレラに走ると、攻撃側は片方のサイドに2人いることになりますが、一時的なプレーであれば可とします。
1つのエリアに2人になった際には、1プレー後にはまた両サイドに2人の状況に戻さなければなりません。もともといた選手が侵入しても良いですし、逆エリアに侵入した選手が戻っても構いません。どちらにせよ、1つのエリアに2人が侵入できるのは1プレーのみです。
一方で守備側は、攻撃側がエリアを移動することができないルールとします。
このトレーニングで得られることとしては、攻撃側が有利な状況を活用または利用するための状況判断です。攻撃側としては、1プレーはエリアに2人侵入することができますので、一時的に2対1の状況を作り出すことができます。
この状況をうまく活用するか、それともそれをおとりにして相手の逆をつくかの判断能力を養うことができると考えられます。
2対2+GK(前後二分割)
次は同じ2対2で、前後に二分割し、その両エリアに攻守1人ずつ配置するトレーニングです。
ここでのルールとしては、ゴール側に位置する攻守1人ずつの選手は後ろのエリアに戻ることができないことです。
このトレーニングで得られることとしては、1対1の攻防、PivoとFixoの対抗です。後方のエリアに位置する選手としては、そのエリアで1対1の状況になりますので自分で相手を剥がしてシュート、または前方にいる味方を活用することが必要になります。試合の状況に近いトレーニングではありませんが、個の能力、特に相手を剥がす、剝がされないようにするための能力を習得するためのトレーニングになっています。二人組やグループでの攻撃も重要にはなりますが、最終的にスコアを動かすのは個の力によるものも多いので、その部分を強化できるトレーニングになります。
また、前方のエリアでは2対2になります。
ドリブルで突破する場合やパスで突破することもあると思いますが、どちらにせよPivoとFixoの対抗も養うことができます。フットサルではセンターラインであるPivoとFixoは非常に重要なポジションであり、専門性も必要とされます。どの選手が入ってもある程度プレーできたり、本職の選手が技術を高めたりすることができるでしょう。
1対1+Pivo
次は1対1+Pivoのトレーニングです。ピッチは目安として15m×15m程度で、片方にゴールを設置します。攻撃側と守備側に2人ずつに分かれ、そのピッチ内に攻撃、守備に1人ずつ配置し、攻撃側でPivoを1名、守備側のもう1人はゴールと逆のライン上で待機します。
攻撃側の選手はPivoを活用しながら(パスしなくてもOK)ゴールを目指します。逆に守備側はボールを奪った際には待機している選手にパスをします。守備側は待機者にパスをすることで攻守を入れ替えることができます。
少しわかりづらいですが、攻守が入れ替わった際には以下のように役割が循環していきます。
- 1対1の攻撃 → 1対1の守備
- 1対1の守備 → Pivo
- Pivo → 待機者
- 待機者 → 1対1の攻撃
ボールアウト時には、GK含めて守備者がボールを出した場合には待機者が攻撃選手にパスを出して1対1からスタート、攻撃者がボールを外に出した場合にはGKからスタートでプレス回避を行います。ボールがインプレーにある以上は常に続きますし、外に出た場合もすぐに新しいボールが配給されることになりますので、高い強度でトレーニングが可能になります。
このトレーニングで得られることとしては、以下のようなことが考えられます。
- Pivoを活用された後の守備(マンツーマン)
- ボールを奪った後の対応(待機者につなぐ)
- 待機者がパスを受けた際の素早い攻撃(ゴールに向かうプレー)
役割を循環することにより、強度を維持しながら様々な役割を求めることができるトレーニングになります。ただし、いろんなことをテーマにできるため、最も注力したい内容をより選手に共有してトレーニングを行うことでチーム固有の課題解決につながるのではないでしょうか。
1対1+2サーバー(コーナー)
次のトレーニングは、攻守1人ずつに分かれて1対1を行いますが、両サイドのコーナーキックの位置に2人サーバーを配置します。攻撃側はどちらのサーバーからパスを受けても構いません。
このトレーニングで得られることとしては、マーク外しとその対抗になります。特にゴール前の状況ですので、コーナーキック時のインサイド攻略のトレーニングにもなります。
このトレーニングの設定としては、例えば攻撃は1人連続で5回パスを受けるまで攻撃できるとします(片方のサーバーから5回パスを受けてもOK)。マーク外しをメインテーマとしてるので、1本のシュートが終わる度に一度セットし直し、5本行うのが良いでしょう。また、シュートは2タッチアンダー程度が望ましいと考えます。基本的には1タッチで、相手に対応された場合に1つ外す程度のコントロールはOKとしても、できるだけ早くフィニッシュに繋げてほしい意図があるためです。
なお、フィジカルや切り替えの速さをテーマとすることもできます。その場合は、セットし直して行うのではなくいつでも新しいボールでパスを受けることができるルールにすることでより連続したプレーが行われ、テーマに沿ったトレーニングになるでしょう。
1対1+2サーバー(サイド)
次のトレーニングは、1対1をしながら両サイドにサーバーがいる状況でのトレーニングです。ピッチは縦20mで、横幅は10m~ペナルティエリアの幅(15m)程度とし、サイドライン上にサーバーを配置しましょう。
このトレーニングで得られることとしては、2人組の関係や相手を剥がすプレー、その対抗です。ボール保持者はゴールに向かうアクションをしながら、必要に応じてサーバーを活用してゴールを目指していきます。また、ゴールを守る選手(最初守備側の選手)はボールを奪うとハーフラインへドリブル突破を目指しましょう。もちろん、サイドのサーバーを活用しても問題ありません。それによって攻守の切り替えを求めることが可能になります。
このトレーニングの発展としては、サーバーからサーバーへのパスが発生した際には、パスを受けたサーバーはそのままドリブルで攻撃に参加できるルールを設定すると、一時的に2対1の状況を作ることができます。
攻撃に参加したサーバーは、パスまたはシュートをすればまたサーバーに戻ります。このルールを設定することで、1対1の状況から2対1の状況に変化し、どちらかと言えば1対1の守備側に対して2対1の守り方のトレーニングとすることができます。具体的には、GKが出るのかFPの守備者がサーバーに対して対応するのか、その一瞬の判断が必要になります。1対1の攻防+2人組のトレーニングと2対1の対応のトレーニングの2つが混在することになりますが、少人数の中でも強度を高めることができるトレーニングになるのではないでしょうか。
まとめ
今回は少人数でのトレーニングメニューのうち、FPが4名、GKが1名でできるトレーニングメニューについて解説しました。FP3人の場合には数的不均衡のトレーニングが多くなりますが、FP4人の場合には2対2のトレーニングを実施できるためより幅が広がるトレーニングになります。フットサルのトレーニングで2対2は王道のトレーニングで、2人組の関係やゴールに向かうアクションなど、フットサルの基本を習得できるトレーニングになります。人数が少ない場合こそ、2対2のトレーニングで工夫を入れて実施できれば、より習得するポイントを共有できます。
その他のトレーニングでも少人数だからこそじっくりとトレーニングができます。人数が多いと逆にできないトレーニングになりますので、そのような時に参考になればと思います。
それでは今回は以上になります。ありがとうござ合いました!
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