みなさんこんにちは。
Fリーグが開幕して1ヶ月、先週末で第5節が終了しました。5連勝は名古屋のみで、名古屋優勢と予想通りの展開になりそうなシーズン序盤です。今回は第5節のしながわシティvsY.S.C.C.横浜の試合を分析したいと思います。ぜひご覧ください!
第4節までの戦績
まず最初に両チームの第4節までの戦績について確認しましょう。しながわシティは1勝3敗の9位、Y.S.C.C.横浜は2勝1分1敗の6位となっています。
しながわシティ戦績
節 | H/A | 相手 | スコア |
1 | AWAY | 名古屋オーシャンズ | 2⚫︎3 |
2 | AWAY | シュライカー大阪 | 1⚫︎2 |
3 | AWAY | エスポラーダ北海道 | 7○2 |
4 | AWAY | 立川アスレティックFC | 2⚫︎7 |
Y.S.C.C.横浜戦績
節 | H/A | 相手 | スコア |
1 | AWAY | ペスカドーラ町田 | 5○1 |
2 | HOME | 湘南ベルマーレ | 3△3 |
3 | AWAY | 名古屋オーシャンズ | 3⚫︎6 |
4 | AWAY | エスポラーダ北海道 | 7○4 |
両チームともAWAYの多い試合になっています。特にしながわは全てAWAYで、開幕からの3試合は関東圏以外でのAWAYゲームであり、移動や宿泊で負荷はあったかもしれません。また、F1初年度なので昨シーズンまでのF2との違いに適応が難しいのかもしれません。
横浜については、開幕から毎試合3点以上得点をしており、攻撃的な試合を展開しています。勝利できなかったのは首位名古屋と4節終了時点2位湘南のため、横浜は今後上位に食い込んでいく可能性が十分にあるのではないでしょうか。
試合メンバー
それでは試合の登録メンバーを確認しましょう。
しながわシティメンバー
No | ポジション | 氏名 |
2 | GK | 岩永 汰紀 |
14 | FP | 白方 秀和 |
21 | FP | ダニエル ホザ |
33 | FP | 笠 篤史 |
41 | FP | 丹羽 脩人 |
52 | GK | 山﨑 総徳 |
7 | FP | 瀧澤 太将 |
8 | FP | 佐藤 建也 |
11 | FP | 中村 友亮 |
15 | FP | 松浦 航洋 |
25 | FP | 中村 魁 |
27 | FP | 美馬 亘輝 |
29 | FP | 藤川 侑哉 |
39 | FP | 大塚 尋斗 |
Y.S.C.C.横浜戦績
No | ポジション | 氏名 |
1 | GK | 矢澤 大夢 |
6 | FP | ロドリゲス リッツィ ガブリエル |
7 | FP | 北野 聖夜 |
9 | FP | 田村 佳翔 |
14 | FP | 小林 拓夢 |
18 | GK | 井戸 孔晟 |
21 | GK | 稲川 琢馬 |
3 | FP | 伊藤 玄 |
5 | FP | 高橋 響 |
13 | FP | 安井 嶺芽 |
17 | FP | 小林 歩夢 |
29 | FP | 堤 優太 |
39 | FP | 祝 航大 |
77 | FP | 菅原 健太 |
しながわは黒本選手やサカイダニエル選手、荒木選手がメンバーから外れ、横浜は堤選手がメンバー入りしたものの出場はありませんでした。
しながわシティの戦評
まずホームのしながわシティの戦評を分析していきます。
立ち上がりの連続失点
この試合は何といっても立ち上がりの5分で横浜が3点をリードする展開になったことが大きなポイントでした。しながわとしては、横浜のGK活用で数的有利を作られ2失点し、さらに3失点目も献上することで明らかにゲームプランは崩れてしまったと思います。1stピリオドの中盤までななかなかシュートチャンスをほとんど作ることができませんでした。それでも1stピリオド中盤以降はセットプレーと個の力を活かした1対1、Pivo活用でチャンスを徐々に作り始めましたが、なかなかゴールが遠いという試合だったように思います。
得意の4-0をやめて3-1へ
この試合のしながわは、1stピリオドの中盤までは横浜の激しいプレスにボールを保持することができず、なかなかボールを前に進めることができませんでした。スターティング5のメンバーはPivoの笠選手を配置したメンバーで、交代で出場したセットはPivoを配置しない4-0システムを採用していましたが、その後は4-0システムに戻すことはありませんでした。なかなかボールを保持、前進できなかったことから両セットにおいてPivoを配置し、起点を作る方法に変更したものと思われます。
奮闘した個の力
なかなかリズムを掴めないしながわでしたが、この試合では個の力を利用してチャンスを作っていました。特に瀧澤選手の仕掛けやシュート、藤川選手のPivoでの強さが光っていたように思います。得意のパス回しがなかなかできなかった試合でしたが、個人の力で1stピリオド中盤以降や2ndピリオドはチャンスを作っていたように思います。
チャンスを作ったパワープレー
終盤のパワープレーでは、シンプルな形ながら選手の特徴を活かした配置と戦術で、多くのシュートチャンスを作り出しました。昨シーズンは実戦でパワープレーをする機会はほとんどなかったためここまでパワープレーをする経験はチームとしては初めてかもしれませんが、今後に期待が持てるパワープレーだったと思います。
パワープレーの詳細ですが、初期配置は2-1-2とし、最後尾には左が瀧澤選手で右がダニエルホザ選手、最前線には左が中村友亮選手、右には大塚選手、そして中央にはGKのユニフォームを着た白方選手という布陣です。
ダニエルホザ選手または瀧澤選手がボールを持った時に白方選手がそのマークをブロックします。それが攻撃の開始の合図になります。ブロックのパターンは中からのブロックと外からのブロックの2通りあります。
中からのブロック
中からのブロックでは、ブロックの恩恵を受けた選手が中に運び、逆の選手が高い位置をとります。その時にボールホルダーはシュートまたはパスの選択をすることになります。
外からのブロック
外からのブロックにおいては、ブロックの恩恵を受けた選手は縦に運び、逆サイドの選手は中央付近へサポートの位置をとります。縦に運んだ選手はそのままシュートか、中央にサポートしてきた選手にパスをします。そうすることによって瀧澤選手は右足、ダニエルホザ選手は左足と、強烈なシュートを持つ2人の選手が中央から利き足でシュートを打つシチュエーションを作ることができます。
得点こそ奪えませんでしたが、作れていたチャンスの数やシューターの質を考えると、なかなか勝利を掴めないしながわにとって、これからの試合では重要な局面になるかもしれません。
Y.S.C.C.横浜の戦評
次にY.S.C.C.の戦評について分析します。
相手にボール保持を許さないプレッシング
まずこの試合で横浜は立ち上がりの守備でリズムを掴んだと思います。ボール保持ができるしながわに対してオールコートでのプレッシングはしながわの選手にストレスを与え、なかなかボールを持たせませんでした。マーク交換をうまく活用しながら守備ラインを維持し、立ち上がりは特に横浜のリズムを作ることができたと思います。
また、しながわはすぐに4-0システムをやめ、基本的にはPivoを置く3-1システムでのプレーになりましたが、Fixoの高橋選手や伊藤選手が相手のPivoを周りの選手と連携しながらうまく対応したように思います。昨シーズンまでチームメイトだった笠選手に決定的な仕事をさせなかったことも勝因の一つと言えるでしょう。
2人のGKの攻撃参加
そしてこの試合は矢澤選手と井戸選手の攻撃参加で何度もチャンスを作りました。4得点のうち1、2点目は矢澤選手が、4得点目は井戸選手が持ち上がって攻撃参加した際に生まれた得点です。さらにこの得点だけではなく、多くのチャンスを作り出していました。
そのGKを上げるプレーについて解説します。GKが上がってきた際、ポイントとしては「左サイドの角」と「中央」です。左サイドの角には必ず人を配置し、そこから中央へのパスを送ってフィニッシュを目指す形が基本的な攻撃パターンと言えるでしょう。
このパターンで1点目は北野選手が左サイド角から意表をついたシュートでしたが、2点目、4点目は左サイドの角にパスを入れて、中央のスペースを上手く活用したシーンとなっています。昨シーズン矢澤選手が上がってきてプレーするシーンはそこまで多用していなかったように思いますので、今シーズン力を入れているポイントの一つと言えます。
磨きがかかるボール保持
横浜は昨シーズンからボール保持に力を入れてきましたが、今シーズンも引き続きそれは継続しており、磨きがかかっているように思います。Pivoの選手を起用しながらもPivoの選手が流動的に最後尾まで降りてきて逆に最後尾の選手が最前線に飛び出していくプレーや、Pivoが縦方向のラインカットをすることで3オンラインを形成するプレーなど、流動的なボール保持ができているように思います。特に1stピリオド中盤までは横浜が長い時間ボールを握っていたように思います。
多く実施していたプレス回避について紹介します。最前線にいるPivoが一度降りてきてまた背後を狙う攻撃パターンです。
クリアランスでFixoの選手にパスが出た後に、左サイドからラインカットでPivoの選手が降りてきます。そうすることで左Alaの選手と3オンラインを形成し、パスを飛ばしてさらにPivoの選手が背後を狙うような形です。相手FixoはPivoのラインカットになかなかついていくことができませんので、数的有利を作りながら前進することができているシーンです。
今後の両チームについて
最後に、今後の両チームについて分析したいと思います。
まずしながわシティですが、思うように勝点を重ねられていないシーズン序盤になっています。5試合で1勝4敗と11位に沈んでいます。ダニエルサカイ選手の不在も影響しているのか、F1とF2との違いにまだ適応している最中という状況でしょうか。若い選手も多くいますが、経験豊富なベテランもいますので、徐々に適応して順位を上げてくるのではないかと予想しています。まずは1巡目で試合を残している勝点が近い大分やすみだ、北九州戦が前半戦のポイントになるでしょう。ここで勝点を重ねることができれば、上位リーグに進出することも見えてくるのではないでしょうか。Fリーグの中で環境が良いとされるチームなので、上位に進出してくることに期待したいと思います。次節が大分戦、次々節が北九州戦になりますので、その2試合は是が非でも勝利を掴みたいところです。
一方横浜ですが、現在3勝1分1敗の4位につけています。得点力はリーグ3位と、昨シーズンから武器であった攻撃力を中心に上位につけています。首位名古屋との勝点差は5ありますが、2位町田との差は2で、1試合で2位まで浮上する可能性があります。鳥丸監督体制2年目ですが、昨シーズンからの積み重ねに加えて、GKを活かした攻撃で相手のストロングを消すこともできています。失点は上位陣の中では少し多いことが気になりますが、今シーズンもそれを上回る攻撃力が魅力なチームだと思いますので、今シーズン撃ち合う攻撃的な試合が期待できるのではないでしょうか。横浜は次節が北九州、次々節がすみだと、下位に苦しむ2チームとの対戦になります。昨シーズンは下位相手にほとんど取りこぼしがありませんでしたが、今シーズンも取りこぼしがなければ上位進出の可能性は高くなってくるのではないでしょうか。
それでは今回は以上になります。ありがとうございました!
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