みなさんこんにちは。
フットサルアジアカップ、日本は準々決勝でインドネシアに3-2で勝利し、準決勝ではウズベキスタンと対戦しました。前半に先制点を許しビハインドで後半が開始しましたが、セットプレーからアルトゥール選手、金澤選手が得点し、2-1で逆転勝利となりました!
終盤はウズベキスタンのパワープレーで何度もチャンスを作られましたが、イゴール選手の負傷で途中出場となった黒本選手が何度もビッグセーブを見せ、ゴールを守り抜きました。
予選から5試合、常に苦しみ続けてきた日本ですが、一体感も生まれ、イランとの決勝戦も期待できると思います。それでは準決勝ウズベキスタン戦の分析をしましたので、決勝前にご覧ください!また、これまでの4試合についても併せてご覧ください。
日本代表メンバー
スターティング5
GK | 1 | ピレス・イゴール | バルドラール浦安 |
ALA | 3 | 水谷 颯真 | 名古屋オーシャンズ |
FIXO | 5 | オリベイラ・アルトゥール | 名古屋オーシャンズ |
ALA | 6 | 吉川 智貴 | 名古屋オーシャンズ |
PIVO | 9 | 平田 ネトアントニオマサノリ | 名古屋オーシャンズ |
控え選手
GK | 2 | 黒本 ギレルメ | 立川アスレティックFC |
ALA/FIXO | 4 | 石田 健太郎 | バルドラール浦安 |
ALA | 7 | 金澤 空 | 立川アスレティックFC |
ALA/FIXO | 8 | 上村 充哉 | 立川アスレティックFC |
ALA | 10 | クレパウジ・ヴィニシウス | ペスカドーラ町田 |
PIVO | 11 | 清水 和也 | フウガドールすみだ |
ALA | 12 | 原田 快 | FCバルセロナB |
ALA/PIVO | 13 | 長坂 拓海 | バルドラール浦安 |
FIXO | 14 | 内村 俊太 | 湘南ベルマーレ |
日本のメンバーは韓国戦から4試合連続で同じスターティング5となり、GKはイゴール選手、FPは名古屋オーシャンズセットとなりました。
シュートスタッツ
日本 | ウズベキスタン | |
28 | シュート数 | 28 |
11 | 枠内 | 14 |
17 | 枠外 | 14 |
日本は枠内11本、枠外17本の合計28本、ウズベキスタンは枠内14本、枠外14本の合計28本と、シュート本数は同じという結果でした。
日本は定位置攻撃とセットプレーを中心にシュートチャンスを作り出しています。これはこれまでの試合展開と同様の傾向です。また、ウズベキスタンは特殊局面で半分のシュートを打っています。流れの中ではあまりチャンスを作り出せていないという結果になりました。
ウズベキスタンの特殊局面での枠内シュートは全てGKをFPに代えて行ったパワープレーです。短い時間の間の7本もの枠内シュートを飛ばしました。逆に黒本選手はその全てをセーブする大活躍でした。黒本選手の活躍は印象の通りですが、数字でもしっかりと結果を出していることがわかります。
また、ウズベキスタンは最初はGKを活用したパワープレーを行っていましたが、怪我による交代でその攻撃ができなくなってしまいました。
前後半でのシュートの内訳を見ると一目瞭然です。後半はパワープレー以外ではほとんどシュートを打てていません。後半はウズベキスタンは思うような試合展開にできなかったことが見えます。
一方日本も、前半に比べて後半は定位置攻撃でのシュートチャンスをあまり作ることができませんでした。お互いに後半は攻撃が上手くできない中で、日本が得意のセットプレーによって勝負を決めることになった試合だと思います。
日本のプレス回避
インドネシア戦では、ラインカットからボールを奪われて失点してしまいました。今回のウズベキスタン戦では、少しプレス回避のやり方を変えてきました。
自陣でのプレス回避ではラインカットのように相手守備1列目の前からではなく、相手守備1列目の後ろから侵入するシーンが増えました。それは、ウズベキスタンの守備2列目が1列目に吸収されず、カバーリングのために距離を取ることが多いことから、相手守備1列目の選手に対して背後の死角から侵入することでライン間を活用するためだったと想定できます。
何度かライン間をうまく活用し、相手守備ラインを突破するシーンがありました。事前のスカウティングの結果の対策が功を奏したと考えられます。
ウズベキスタンのパワープレー
ウズベキスタンは効果的なパワープレーで日本を脅かしました。そのプレーを解説します。
ウズベキスタンは初期配置は1-2-2でしたが、角の選手が逆サイドに移動し、頂点がパスを出した後に中央に中央に侵入することで、陣形を変形させてきました。
それに対して日本は4分の1回転しなければならず、役割が変わるところのギャップをつく形が多くありました。
アルトゥール選手を最後尾に残しておきたい日本に対して、アルトゥール選手を前に出させようとするウズベキスタンの攻防だったと思います。
最初はフリーでシュートを打たれるシーンはありましたが、吉川選手が二度追いして上手く対応していました。
黒本選手がビッグセーブしたシーンでも同じような現象が起こり、吉川選手が少し二度追いを警戒したところを中にドリブルで侵入されました。
/
日本を救うビッグセーブ2連発
\黒本ギレルメの驚異的なセーブ
🏆AFCフットサルアジアカップ2022
🆚ウズベキスタン×日本
📅10/6(木)
📺DAZNで配信#ACFutsal2022 pic.twitter.com/vZ5nCd8pkK— DAZN Japan (@DAZN_JPN) October 6, 2022
3秒のところでわずかに吉川選手がパスラインを警戒しました。その瞬間に判断を変える、かなりハイレベルの攻防が見えたシーンだったと思います。
まとめ
今回はフットサルアジアカップ決勝トーナメント準決勝、日本対ウズベキスタンの試合を分析しました。先制される苦しい展開でしたが、得意のセットプレーで2得点し、逆転勝利をすることができました。
シュートスタッツからわかるように、ウズベキスタンがパワープレーを開始するまでは日本がペースを握る試合展開になり、終盤はウズベキスタンがパワープレーでチャンスを作り続けました。ウズベキスタンはGKが怪我で途中交代になったことでなかなか前進することができず、パワープレーをするまではほとんどチャンスを作ることができませんでした。
ここまで5試合、日本がペースを握る試合展開が続いてきました。その中で耐える相手をなかなか崩せず、それでも勝負強さで決勝まで進んできました。決勝のイラン戦ですが、初めて相手に主導権を握る試合になるかもしれません。イランは危なげない試合展開で決勝に進んでおり、非常に強いチームです。しかし、日本はベースの戦い方がありながら、スカウティングをして臨機応変に対応してきました。イラン戦も戦い方を微調整してくるかもしれませんが、日本の力を見せつけてほしいと思います。
今回も私が決勝で期待するポイントを3つ紹介します。
日本の武器の一つはPIVOだと思います。平田選手、清水選手の両PIVOがこれまで日本の前進に大きく貢献してきました。イランに対してはボール保持をする時間がこれまでより短くなる可能性もあり、PIVOがどれだけ時間を作れるかが鍵になると思います。攻撃が得意な日本、マイボールの時間を増やして得点の機会が増えればと思います。
また、引き続き平田選手の得点を願っています。これまで大貢献しており、ヒーローになってほしい!
日本が得意とするセットプレーでの得点ができるかが鍵を握ります。一進一退の攻防でどちらに流れが傾くかわからない試合展開や、苦しい時間帯があることも予想されます。セットプレーは流れに関係なくチャンスを作れる局面であり、注目ポイントです。
疲労が続く中で多くの修正はできませんから、イランの守備に対するセットプレーの確認はされているかもしれません。その点、優勝するにはやはりヴィニシウス選手の活躍が必要です。ウズベキスタン戦でもクロスバー直撃のボレーシュートを打っていました。出場時間はそこまで長くならないと思いますが、FKも含めセットプレーのシューターとして期待したいと思います。
また、アルトゥール選手やヴィニシウス選手、上村選手、清水選手のアウトサイドは警戒されていると思いますので、平田選手や金澤選手などがよく侵入するインサイドでの得点も期待したいです。
コメント