みなさんこんにちは。
これまで日本女子Fリーグの上位チームの分析を行ってきました。第6回はSWHレディース西宮です。ぜひご覧ください!
リーグ全体の分析とこれまでのチーム分析についても併せてご覧ください。
SWHレディース西宮 戦績
まず戦績についてです。レギュラーシーズンは7勝2分1敗の勝点23の3位で上位リーグ進出となり、ファイナルシーズンは4勝1分、合計11勝3分1敗で優勝という結果になりました。
レギュラーシーズン
節 | 日時 | 相手 | スコア |
1 | 2024/6/1 | ミネルバ宇部 | 7○0 |
2 | 2024/6/9 | アルコ神戸 | 2△2 |
3 | 2024/6/15 | エスポラーダ北海道イルネーヴェ | 6○2 |
4 | 2024/6/23 | さいたまサイコロ | 9○0 |
5 | 2024/7/19 | 流経大メニーナ龍ケ崎 | 6○0 |
6 | 2024/7/28 | フウガドールすみだレディース | 1△1 |
7 | 2024/8/3 | アニージャ湘南 | 3○1 |
9 | 2024/9/7 | 立川アスレティックFCレディース | 3○1 |
10 | 2024/9/14 | 福井丸岡ラック | 4○2 |
10 | 2024/9/15 | バルドラール浦安ラス・ボニータス | 1⚫︎2 |
ファイナルシーズン 上位リーグ
節 | 日時 | 相手 | スコア |
12 | 2024/10/12 | アルコ神戸 | 2△2 |
13 | 2024/10/19 | 立川アスレティックFCレディース | 4○0 |
14 | 2024/11/10 | 福井丸岡ラック | 3○0 |
15 | 2024/11/16 | バルドラール浦安ラス・ボニータス | 5○4 |
16 | 2024/12/15 | フウガドールすみだレディース | 5○4 |
それでは、具体的に得点や失点の傾向について分析していきたいと思います。
得点傾向
まずは得点傾向についてです。
レギュラーシーズン10試合では42得点でリーグ4位、ファイナルシーズンも合わせると61得点でリーグ4位(上位リーグチームのみ)となっています。
その中で得点傾向としては、レギュラーシーズンでは定位置攻撃が16点、セットプレーが8点、トランジションが13点、特殊局面が5点、ファイナルシーズンも含めたトータルでは定位置攻撃が23点、セットプレーが11点、トランジションが21点、特殊局面が6点となっています。
西宮の得点の特徴としては、定位置攻撃とトランジションでの得点が多いという点です。レギュラーシーズンとファイナルシーズンを含めたトータルの両方で、定位置攻撃とトランジションでの得点が70%近い数字となっています。
その傾向は、上位リーグチーム同士での対戦でも顕著になります。
上位リーグチーム同士の対戦では定位置攻撃とトランジションの合計で80%の割合になっています。
上位リーグ内では定位置攻撃の得点数がトップであり、トランジションについてもすみだに次ぐ2番目に多い数字となっていて、定位置攻撃とトランジションの得点数がリーグ内でトップの得点力を誇ったことがわかります。
一方、セットプレーでの得点数は少し少ない傾向にあります。
優勝争いをした浦安や神戸、すみだと比較した際に少ない傾向にあります。優勝はしたものの得点数がリーグ4位になった要因をあえて言うとすれば、このセットプレーの部分かもしれません。敗れた試合は浦安の1点差、引き分けが3試合と勝点を落とした試合は僅差であることから、セットプレーの得点は今後伸ばしていきたいところではないでしょうか。
一方で、上位リーグチーム同士の対戦における得点数は30点と、すみだ37点、浦安33点に次ぐ3番目の数字となっています。総得点と比較して浦安、すみだとの差は縮小していますので、西宮は上位に対してもしっかり得点を奪えている傾向にあることがわかります。その結果が、ファイナルシーズンの成績につながったと考えられます。
失点傾向
次は失点傾向についてです。
レギュラーシーズン10試合では11失点でリーグ最少、ファイナルシーズンも合わせると21失点でこちらもリーグ最少(上位リーグチームのみ)となっています。
その中で失点傾向としては、レギュラーシーズンでは定位置攻撃が1点、セットプレーが4点、トランジションが6点、特殊局面が0点、ファイナルシーズンも含めたトータルでは定位置攻撃が2点、セットプレーが7点、トランジションが10点、特殊局面が2点となっています。
西宮の傾向としては、まずは失点が少ないことです。レギュラーシーズン、トータルの全てで最少失点となっています。また、局面別でも、定位置攻撃が2点でリーグ最少、セットプレーが7点で最少タイ、トランジションが10点でリーグ2位タイ、特殊局面が2点でリーグ2位となっており、どの局面でもリーグトップレベルの数字となっています。
攻撃のイメージがある西宮ですが、安定した守備で失点を減らせたことが逆転優勝の要因の一つであると言えます。
さらに、得点傾向でも言及した通り、トランジションでの得点数が多くなっています。定位置守備での失点数が少ないこととトランジションでの得点が多いことから、ボールを奪ってからの攻撃も今シーズンの西宮の特徴と言えるのではないでしょうか。
課題を挙げるとすれば、トランジションでの失点でしょう。これはどのチームにも言えることですが、上位リーグ同士の対戦においては、トランジションでの得点の割合が非常に多くなっています。得点が多いのか、失点が多いのかはわかりませんが、どのチームもある程度均等にトランジションでの失点をしていることから、リーグ全体の課題とも言え、個の部分の改善ができれば失点数を減らすことができる可能性があります。
とは言え、得点数が4位の中でリーグ優勝を達成したということは、安定した守備が大きな要因だったと言えるのではないでしょうか。
今後についての展望
最後に、今後の展望について分析したいと思います。
レギュラーシーズンでは3位ながら、ファイナルシーズンでは負けなしの4勝1分で逆転優勝を果たした西宮。非常に安定した守備により勝点を重ねてきました。その中でもラスト2試合のすみだ戦、浦安戦ではともに5対4での勝利と、打ち合いでも競り勝てる勝負強さを発揮しました。攻撃の印象が強い西宮ですが、守備が非常に安定していたことがこの結果につながったものと思われます。
直近の日本代表合宿においては8名の選手が招集されるなど選手層が厚く、さらにはクラブの練習場を持つ女子フットサル界ではトップレベルの環境です。初開催の女子ワールドカップでも西宮や浦安の選手が中心となる可能性は高く、今後の期待も高いでしょう。
これまでは追いかけるシーズンでしたが、これまでの浦安のように追いかけられる立場となり、対策もされることでしょう。浦安の対抗心も強くなると思われますし、同じ兵庫県の神戸からも意識されることになることが予想されますが、その中で連覇に向けて来シーズンはどのように向上、変化するのか注目したいと思います。
今回はSWHレディース西宮について分析しました。また次回をお楽しみに。ありがとうございました!
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