みなさんこんにちは。
前回から日本女子Fリーグの上位チームの分析を行っています。第2回はフウガドールすみだレディースです。ぜひご覧ください!
リーグ全体の分析とこれまでのチーム分析についても併せてご覧ください。
フウガドールすみだレディース 戦績
まず戦績についてです。レギュラーシーズンは4勝3分3敗の勝点15の5位で上位リーグ進出となり、ファイナルシーズンは3勝2敗、合計7勝3分5敗の5位という結果になりました。
レギュラーシーズン
節 | 日時 | 相手 | スコア |
2 | 2024/6/8 | ミネルバ宇部 | 6○0 |
3 | 2024/6/16 | 福井丸岡ラック | 3⚫︎4 |
4 | 2024/6/22 | 流経大メニーナ龍ケ崎 | 15○1 |
5 | 2024/7/20 | アルコ神戸 | 6○1 |
6 | 2024/7/28 | SWHレディース西宮 | 1△1 |
7 | 2024/8/3 | さいたまサイコロ | 8○0 |
8 | 2024/8/25 | バルドラール浦安ラス・ボニータス | 2⚫︎3 |
9 | 2024/9/7 | アニージャ湘南 | 2△2 |
10 | 2024/9/14 | 立川アスレティックFCレディース | 2⚫︎4 |
11 | 2024/9/15 | エスポラーダ北海道イルネーヴェ | 3△3 |
ファイナルシーズン 上位リーグ
節 | 日時 | 相手 | スコア |
12 | 2024/10/13 | 福井丸岡ラック | 4○1 |
13 | 2024/10/19 | アルコ神戸 | 7○5 |
14 | 2024/11/10 | バルドラール浦安ラス・ボニータス | 6○5 |
15 | 2024/11/17 | 立川アスレティックFCレディース | 2⚫︎5 |
16 | 2024/12/15 | SWHレディース西宮 | 4⚫︎5 |
それでは、具体的に得点や失点の傾向について分析していきたいと思います。
得点傾向
まずは得点傾向についてです。
レギュラーシーズン10試合では48得点でリーグ3位、ファイナルシーズンも合わせると71得点でリーグ2位(上位リーグチームのみ)となっています。
その中で得点傾向としては、レギュラーシーズンでは定位置攻撃が13点、セットプレーが13点、トランジションが16点、特殊局面が6点、ファイナルシーズンも含めたトータルでは定位置攻撃が17点、セットプレーが21点、トランジションが26点、特殊局面が7点となっています。
すみだの得点の特徴としては、主には定位置攻撃、セットプレー、トランジションの3局面でバランスよく得点を挙げています。さらに合計の得点数については、レギュラーシーズンでは3位、ファイナルシーズンも含めると2位の結果になり、上位3チームに並ぶまたはそれ以上の得点力を誇っています。
また、シーズントータルの得点と上位リーグ進出チームとの対戦時の得点の比較をします。
上位リーグの相手に対しては合計37点で上位リーグ同士の対戦での得点数については浦安と並んでリーグ1位となっています。内訳としては、定位置攻撃が5点、セットプレーが12点、トランジションが17点、特殊局面が3点です。すみだの得点傾向としては、上位リーグチームとの対戦では定位置攻撃での得点割合が減少し、トランジションでの得点割合が増加しています。
このことからわかることとしては、対戦相手に応じて戦い方を柔軟に変えながら戦っているということです。ボールを保持できる試合については定位置攻撃での得点を狙い、相手に保持される試合では割り切ってカウンターを狙っていることが見てとれます。実際の試合を見ると、上位との対戦ではプレス回避でロングボールを多用しながらリスクを軽減し、カウンターで得点を重ねました。今シーズンから窪堀新監督を迎え、状況に応じて戦い方を変更しながらプレーできるようなトレーニングがされてきたのではないでしょうか。
また、すみだはリーグ2位の得点数となり、得点力を発揮しています。上位リーグチーム同士の対戦での得点数としては、セットプレーとトランジションがリーグ最多得点となっています。
このことからも、セットプレーとトランジションを武器としながら、試合によっては定位置攻撃でも得点を奪えるシーズンだったことがわかります。
失点傾向
次は失点傾向についてです。
レギュラーシーズン10試合では19失点で5位タイ、ファイナルシーズンも合わせると40失点で6位(上位リーグチームのみ)となっています。
その中で失点傾向としては、レギュラーシーズンでは定位置攻撃が8点、セットプレーが6点、トランジションが5点、特殊局面が0点、ファイナルシーズンも含めたトータルでは定位置攻撃が16点、セットプレーが10点、トランジションが10点、特殊局面が4点となっています。
すみだの失点傾向としては、やや定位置攻撃での失点が多いことです。次いでセットプレーとトランジションが同程度の失点割合となっています。
また、ファイナルシーズンでの失点数が急増しています。レギュラーシーズン10試合では19失点、ファイナルシーズン5試合で21失点と、試合数が半分になっていますが失点数が倍になっています。
レギュラーシーズン 上位リーグチームとの対戦
節 | 日時 | 相手 | スコア |
3 | 2024/6/16 | 福井丸岡ラック | 3⚫︎4 |
5 | 2024/7/20 | アルコ神戸 | 6○1 |
6 | 2024/7/28 | SWHレディース西宮 | 1△1 |
8 | 2024/8/25 | バルドラール浦安ラス・ボニータス | 2⚫︎3 |
10 | 2024/9/14 | 立川アスレティックFCレディース | 2⚫︎4 |
レギュラーシーズンにおける上位リーグチームとの失点は13ですので、約1.5倍になっています。これについては、上位リーグでは西宮、浦安、神戸との3試合では撃ち合いのゲームになっていて、もともとそのような撃ち合いになる可能性を許容したゲームをあえて行った可能性もあります。実際上位リーグでは3勝2敗と勝ち越す結果になりましたので、そこまで失点の増加は悲観するものではないかと考えます。
とは言え、上位リーグチームの対戦のみの対戦ではすみだは最多失点となっています。
得点力はリーグ内でも非常に高い結果になりましたが、その分失点も増えていることがわかります。
具体的な失点の局面については、定位置攻撃とセットプレーの失点が多い傾向です。
すみだの強みはトランジションとセットプレーだと思いますので、定位置攻撃での失点を減らすことは得点、失点の両面が改善される可能性があると思われます。
今後についての展望
最後に、今後の展望について分析したいと思います。
すみだはこれまでなかなか上位リーグに食い込むことができていませんでしたが、今シーズンから新たに窪堀新監督を迎え、ついに上位リーグ進出を果たしました。さらには上位3チームである西宮、浦安、神戸に対しても勝利するなど、すみだの好戦によって優勝争いがわからなくなったと言えます。
今シーズンのすみだの特徴としては、相手に合わせたフットサルであることだと考えています。しっかりと分析をした上でボールを保持される可能性が高くなる上位相手に対してはリスクを避けたプレーを選択しながら、ボールを保持できる相手に対してはしっかりと定位置攻撃を仕掛けていくように、相手に応じて戦い方や狙いを選択しています。試合によって戦い方の変化は難しいですが、様々な状況を想定して幅広くトレーニングされているのではないかと考えられます。
より上位に進出するためには、より近い順位の相手に対してどのように勝点を獲得するかがポイントだと思います。上位リーグの丸岡には1勝1敗、立川には2敗になったことが上位陣に善戦しながら5位となった要因だと思います。割り切った試合をしない選択をする中で相手の守備に対抗される場合にどのように得点、勝点を奪っていくのかが今後の課題と言えるのではないでしょうか。とは言え、すみだは男子も含めて切り替えのスピードやトランジションに強みのあるチームです。その部分で相手を上回ることが近道になってくると思います。
今回はフウガドールすみだレディースについて分析しました。また次回をお楽しみに。ありがとうございました!
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