みなさんこんにちは。
これまで日本女子Fリーグの上位チームの分析を行ってきました。第4回はアルコ神戸です。ぜひご覧ください！
リーグ全体の分析とこれまでのチーム分析についても併せてご覧ください。
アルコ神戸 戦績
まず戦績についてです。レギュラーシーズンは8勝1分1敗の勝点25の2位で上位リーグ進出となり、ファイナルシーズンは1勝2分2敗、合計9勝3分3敗の3位という結果になりました。
レギュラーシーズン
| 節 | 日時 | 相手 | スコア |
| 1 | 2024/6/2 | バルドラール浦安ラス・ボニータス | 4○2 |
| 2 | 2024/6/9 | SWHレディース西宮 | 2△2 |
| 3 | 2024/6/16 | アニージャ湘南 | 5○1 |
| 4 | 2024/6/23 | ミネルバ宇部 | 7○1 |
| 5 | 2024/7/20 | フウガドールすみだレディース | 1⚫︎6 |
| 6 | 2024/7/28 | エスポラーダ北海道イルネーヴェ | 2○0 |
| 8 | 2024/8/25 | 福井丸岡ラック | 6○1 |
| 9 | 2024/9/7 | 流経大メニーナ龍ケ崎 | 15○1 |
| 11 | 2024/9/15 | 立川アスレティックFCレディース | 2○0 |
| 11 | 2024/9/16 | さいたまサイコロ | 8○0 |
ファイナルシーズン 上位リーグ
| 節 | 日時 | 相手 | スコア |
| 12 | 2024/10/12 | SWHレディース西宮 | 2△2 |
| 13 | 2024/10/19 | フウガドールすみだレディース | 5⚫︎7 |
| 14 | 2024/11/10 | 立川アスレティックFCレディース | 1○0 |
| 15 | 2024/11/17 | 福井丸岡ラック | 2△2 |
| 16 | 2024/12/15 | バルドラール浦安ラス・ボニータス | 0⚫︎3 |
それでは、具体的に得点や失点の傾向について分析していきたいと思います。
得点傾向
レギュラーシーズン10試合では52得点でリーグ3位、ファイナルシーズンも合わせると62得点でリーグ3位（上位リーグチームのみ）となっています。
その中で得点傾向としては、レギュラーシーズンでは定位置攻撃が18点、セットプレーが16点、トランジションが17点、特殊局面が1点、ファイナルシーズンも含めたトータルでは定位置攻撃が24点、セットプレーが18点、トランジションが19点、特殊局面が1点となっています。
神戸の得点の特徴としては、定位置攻撃、セットプレー、トランジションの3局面でバランスよく得点を挙げていることがわかります。
一方で、上位リーグチームとの対戦における得点傾向を見てみましょう。
上位リーグチームのみに対しても特に傾向が大きく変わることはなく、定位置攻撃とセットプレー、トランジションでバランスよく得点ができています。
また、今シーズンは山川選手の活躍が目を見張りました。17得点でリーグ得点王、さらに8アシストと25得点に直接絡む活躍を見せています。また、今シーズンから加入した高橋選手も8得点でリーグ9位タイ、さらに8アシストと活躍し、得点の観点では山川選手と高橋選手がチームを牽引したことがわかります。
また、昨シーズンとの比較では定位置攻撃での得点が増加していることがわかります。
上位リーグ同士の対戦における得点傾向について、2023-2024シーズンは総得点が16点、うち定位置攻撃が2点ですが、2024-2025シーズンでは総得点が25、うち定位置攻撃が10点となっています。
得点内訳に多少の変動はありますが、今シーズンの得点の増加分は定位置攻撃での得点が増加したものであると言え、今シーズンは定位置攻撃の強化がされたことが考えられます。
失点傾向
次は失点傾向についてです。
レギュラーシーズン10試合では14失点で3位、ファイナルシーズンも合わせると28失点で3位タイ（上位リーグチームのみ）となっています。
その中で失点傾向としては、レギュラーシーズンでは定位置攻撃が4点、セットプレーが4点、トランジションが5点、特殊局面が1点、ファイナルシーズンも含めたトータルでは定位置攻撃が5点、セットプレーが8点、トランジションが12点、特殊局面が3点となっています。
神戸の失点傾向としては、トランジションでの失点割合が高いことが言えます。ファイナルシーズンを含めたトータルでは、トランジションでの失点が42.9%と半数近い数値になっています。
ただし、他チームとの比較としてはそこまで大きな数字にはなっていません。上位リーグチームとの対戦におけるトランジションの失点は11点で上位リーグのチーム内では最多の数字になっていますが、丸岡の7失点を除いて他の5チームはほぼ同じ数値になっています。
また、定位置攻撃での失点が少ないことも神戸の特徴と言えます。
上位リーグチーム同士の対戦においては定位置攻撃での失点数が西宮に次ぐ2番目に少ない数字となっています。これまでの神戸の傾向もそうだったと思いますが、安定した守備がベースにあり、その上で今シーズン攻撃に上乗せがあったものと思われます。
また、今シーズンはパワープレー返しでの失点が3点あります。
女子Fリーグ内ではパワープレー得失点が男子に比べてそこまで多くはありませんので、3失点でリーグ3番目に多い数字になっています。また、パワープレーで得点は奪えておらず、今シーズンはパワープレーがうまくいかなかったと言えます。
今後優勝を狙っていく上で、上位対決で勝ち切るためにはパワープレーは必要な局面です。練習時間との兼ね合いはあるとは思いますが、パワープレー攻撃については改善が必要な局面と言えます。
今後についての展望
最後に、今後の展望について分析したいと思います。
毎年上位に進出する神戸、今シーズンは開幕戦で浦安に勝利、西宮に引き分けと開幕2連戦を良いスタートを切りましたが、すみだに2敗するなどもあって3位でシーズン終了となりました。加藤監督が就任した今シーズンの大きな変化は定位置攻撃での得点が増加したことが挙げられます。得点王となった山川選手の躍進や、新加入の高橋選手の活躍もあり、対上位リーグチームでの得点数が増加しています。その中で神戸としてはスタイル的にもトランジションでの失点は減らしたいところでしょう。僅差とは言え、上位リーグ同士の対戦では最多失点となっており、課題と言えます。
来シーズン優勝を掴むためには、特に争う西宮や浦安との対戦時にはパワープレーが必要になる試合もあると思います。その精度を高めていくことも優勝へ近づく道ではないでしょうか。それにしても、加藤監督就任後1年目のシーズンでしたので、来シーズンも継続となればまた積み上げがされていくのではないでしょうか。
今回はアルコ神戸について分析しました。また次回をお楽しみに。ありがとうございました！
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